今後4年で50万カ所に電気自動車(EV)充電ステーションを設置するというShell(シェル)の計画は、EV充電インフラブームを示す最新の証拠だ。ブームで投資家はこの業界に資金を注ぎ、需要に対応するのに必要な資本を求めて数社に上場を促した。
年初来、この業界の3社が特別買収目的会社(SPAC)に買収され、公開への道を歩んでいる。その一方で3分の1の企業が商業化に向けた取り組みのために名だたるプライベートエクイティ投資家から数千万ドル(数十億円)を調達した。
SPAC攻撃はEV充電ネットワークChargePointが市場価値24億ドル(約2500億円)でSPACのSwitchback Energy Acquisition Corporationと合併する契約を結んだ時に始まった。同社は米国時間2月16日にニューヨーク証券取引所に上場する。
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2021年1月、EV充電インフラを展開するEVgoは26億ドル(約2720億円)のバリュエーションでSPACのClimate Change Crisis Real Impact I Acquisitionと合併することに同意した。これはEVgoの非公開株式の所有者、電源開発投資企業のLS Powerにとって大きな勝利だった。現在EVgoの全株式を所有するLS PowerとEVgoの経営陣は全資本を取引に組み込む。第2四半期にトランザクションがクローズすれば、LS PowerとEVgoは新合併会社の株式74%を保有することになる。
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その後にもう1つSPAC案件が続いた。Volta Industriesが2021年2月、Tortoise Acquisition IIとの合併に同意した。この合併では、バッテリーを発明したAlessandro Volta(アレッサンドロ・ボルタ)氏にちなんだ社名のVolta Industriesのバリュエーションは14億ドル(約1470億円)になる。本取引によりSPAC会社の株価は今週初め31.9%上昇し17.10ドル(約1790円)になった。現在は15ドル(約1570円)前後で取引されている。
プライベートエクイティファームも引けを取らずこのゲームに参戦している。プライベートエクイティのエネルギー投資で有名なRiverstone HoldingsはFreeWireに投資してEV充電に賭けた。FreeWireは初め新規ラウンドで5000万ドル(約52億円)を調達した。
「不吉な前兆があり、投資家たちは時宜をとらえなければなりません。マーケットにある従来の投資機会から飛び立つフライトがあります」とFreeWireのCEOであるArcady Sosinov(アーカディ・ソシノフ)氏はインタビューで述べた。「石油・ガス企業から、そして従来のユーティリティから去るフライトがあります。他の機会に目を向けなければなりません。これは今後10年で最も大きな成長機会となるでしょう」。
FreeWireは現在BPとインフラを展開しているが、同社の充電テクノロジーはファーストフード企業、郵便局、グローサリーストア、あるいは人々が足を運び20分間から1時間ほど過ごす場所であればどこにでも導入できる。米連邦政府が所有する車両をEVにするというバイデン政権の計画があり、郵便局は実際に充電ネットワークとなる大きな機会を手にしている、とソシノフ氏は話した。
「モビリティの電動化が魅力的だと我々が感じている理由の1つは、『もし』とか『どうやって』ではなく『いつ』だからです」とRiverstoneでESG(環境、社会、ガバナンス)責任者でパートナーのRobert Tichio(ロバート・ティキオ)氏は述べた。「ノルウェーや北欧に比べ、浸透率は驚くほど低い。そうした国々は浸透率2桁を達成しています」。
俳優のWill Ferrell(ウィル・フェレル)氏が登場した最近スーパーボウルで流れたGMのコマーシャルは、EV浸透においてノルウェーがいかに進んでいるかを示した。
交通の電動化における資本の需要は年間7500万ドル(約79億円)に近づき始めます」とティキオ氏は話した。「あなたの疑問への短い答えは、我々がともに政治的に、社会的に、そして経済的に抱えている資本の需要は、我々がどこに向かうかという観点でコンセンサスを得て転換点を迎えます」。
ShellはすでにEV充電インフラをいくつかのマーケットで展開している。2019年に同社はロサンゼルス拠点のEV充電デベロッパーのGreenlotsを買収した。また初めには英国のEV充電会社Ubitricityも買収している。
「顧客の需要が進化するにつれ、我々はさまざなま種の代替エネルギーソースの提供を増やしていきます。これらはデジタルテクノロジーに支えられ、どこへ運転して移動する必要があろうが人々に選択肢とフレキシビリティを提供するものです」とShellのNew Energies代表取締役副社長Mark Gainsborough(マーク・ゲインボロー)氏はGreenlots買収に関する声明で述べた。「今日の米国ドライバーの低炭素エネルギー需要に応える最新の投資は、より良い明日をつくるという当社の広範な取り組みの一環です。EV充電をよりアクセスしやく、ユーティリティや事業者、コミュニティにとってより魅力的なものにするための一歩です」。
カテゴリー:モビリティ
タグ:Shell、電気自動車、充電ステーション
画像クレジット:Shell
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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/12/2021-02-11-planning-500000-charging-points-for-evs-by-2025-shell-becomes-the-latest-company-swept-up-in-ev-charging-boom/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Jonathan Shieber,Nariko Mizoguchi
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