物理的な位置情報に関するデータを販売する企業はたくさんあるが、SafeGraphについて同社CEOのAuren Hoffman(オーレン・ホフマン)氏は「データサイエンスチームに位置情報関連データを販売している数少ない企業の1つ」と説明する。
大抵の場合、位置情報データはこれまでマーケッターに販売されてきた。ホフマン氏は「マーケティングの世界では、データが40%か50%ほど事実であれば実にすばらしいことです」という。しかし複雑なモデルやアルゴリズムを構築するためにデータを使うデータサイエンティストにとっては、それでは役に立たない。
そこでSafeGraphは、ホフマン氏がいうところの「非常に厳密なアプローチ」で企業のリスト、歩行者のトラフィック、ビルのポリゴンといったデータを2万種類の情報源からクロールしてまとめている。同氏は、他社はこうしたデータを「本業のかたわらで販売している排気ガス」として扱っているがSafeGraphの収益にとっては「100%」にあたると補足した。
ホフマン氏は筆者に対し、SafeGraphの顧客はGIS(地理情報システム)やマッピング、ローカル検索、金融サービス、ロジスティクスなどさまざまな分野で同社のデータを活用していると説明した。顧客には投資会社のAres Management、食品流通会社のSysco、Choice Hotelsなどがある。発表の中でSyscoのマーケティング・顧客・競合情報担当シニアマネージャーであるBen Anderson(ベン・アンダーソン)氏は、SafeGraphを「最も包括的で実用価値のあるPOIのデータセット」と表現した。
SafeGraphは、同社のデータは7000人以上のデータサイエンティストに利用され、300以上の学術論文に引用されたとも述べている。
米国時間3月16日、SafeGraphはSapphire Venturesが主導するシリーズBで4500万ドル(約49億1000万円)を調達し、これまでの調達金額の合計が6100万ドル(約66億6000万円)となったことを発表した。以前に投資したRidge VenturesのAlex Rosen(アレックス・ローゼン)氏、DNX Ventures、Peter Thiel(ピーター・ティール)氏も参加した。
Sapphire PartnerのCathy Gao(キャシー・ガオ)氏は発表の中で「SafeGraphが傑出している点は、地理空間データ業界で主要プレイヤーの位置を短期間で獲得したことです。場所に関する最高品質のデータをデータサイエンスチームに提供することに特に集中して、大手の公的機関や民間企業から信頼を得ています」と述べた。
ホフマン氏は、SafeGraphはこれまで「キャッシュの効率が極めて良く」この2年間の損失はわずか300万ドル(約3億2700万円)だったことと「成長のスピードをもっと上げる」ために資金を調達したことを説明した。成長のための計画には、海外進出も含まれる。SafeGraphはこれまで米国とカナダに集中していたが、2021年4月には英国で事業を開始する計画で、買収の可能性もある。
さらに同氏は、特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大で多くの企業が休業や時短営業を強いられていることから「本当に正確なデータを持つことの重要性がポストコロナの世界では大幅に増していきます」と述べた。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SafeGraph、資金調達、位置情報
画像クレジット:Amin Yusifov / Getty Images
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(文:Anthony Ha、翻訳:Kaori Koyama)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/03/18/2021-03-16-safegraph-series-b/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha,Kaori Koyama
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