インターネット通販の利用が増すなか、不在時の再配達がドライバーにとって大きな負担になっている。そんな配送業界の問題を改善すべく、JSDCと佐川急便、ほか3者が共同で、AIによる効率的な配達システムの実証実験を行った。
電力データを元にAIが配送ルートを提案
今回用いられたシステムは、AI解析・活用技術を保有するJDSCと、東京大学越塚研究室、田中研究室が連携し開発したもの。スマートメーターから得られる電力メーターを元に、配達先の在宅時間を推定し、最適な配送ルートを示す仕組みだ。
2018年に東京大学校内で行われた配送試験では、不在配送を9割減らすことに成功。この結果を踏まえて、佐川急便、グリッドデータバンク・ラボが参画、2020年に横須賀市内で世界初のフィールド実証が行われた。
不在配送が約20%減少
フィールド実証では、市内150世帯の協力のもと、実際の配送状況を再現。電力データを活用した在宅判定アルゴリズムを使用した結果、不在率を約20%改善することができた。
今回の実証では、現在の配送形態に則した形で運用ができるシステムの利点が明らかになった。実質的な違いは配送ルートのみなので、ドライバーの熟練度で効果に差が出ることもなかったという。
一方で、最短距離ではなく「不在宅を回避したルート」をとるため、走行距離や稼働時間は増加する傾向にあった。5者は、改善点をもとに2021年中の再実証を目指して、準備を進めていくとしている。
(文・九条ハル)
- Original:https://techable.jp/archives/151550
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:九条ハル
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