新型コロナで非接触モバイル決済が浸透、米国の小売店頭での使用は2020年の29%増

新型コロナウイルスパンデミックによってテクノロジーのトレンドが強まったが、その中でも2020年は非接触モバイル決済の使用増が顕著だった。分析会社eMarketerの最新レポートによると、米国では店舗でのモバイル決済使用が2020年29%増えた。パンデミックにより人々は店頭におけるより安全な決済方法として、現金やクレジットカードからモバイル決済へと移行したからだ。

14歳以上の米国の消費者9230万人が2020年、近接ベースのモバイル決済を6カ月の間に少なくとも1回は使った。2021年はその人数が1億120万人に増えるとeMarketerは予想している。そしてモバイル決済を使用する消費者は今後も順調に増え、2025年までにスマホユーザーの半分を超えるとしている。

画像クレジット:eMarketer

2020年、モバイル決済はZ世代とミレニアル世代を含む若い消費者の間で最も浸透した。2021年から2025年にかけて、年間新規モバイルウォレットユーザー650万人のうちZ世代は400万人超を占めると予想される。一方、モバイルウォレットユーザー10人のうち4人が引き続きミレニアル世代だと見込まれる。

いくつかの業界レポートがすでにモバイルウォレット産業全般へのパンデミックの影響を指摘した。金融・投資会社Finariaが2021年3月初めに出したレポートでは、モバイルウォレット産業は2021年に前年から24%成長し、2兆4000億ドル(約264兆3684億円)に達すると予想している。アジアマーケット、特に中国がモバイル決済の浸透に貢献してきた一方、米国は小売店舗におけるモバイル決済テクノロジーの展開が遅かったために苦戦していたと指摘した。しかし現在、米国のモバイル決済額は4651億ドル(約51兆2349億円)と世界で2番目の規模に成長し、2023年には6980億ドル(約76兆9115億円)に達する見込みだ。

パンデミックにより、遅れをとっていた小売業者はようやくモバイル決済を導入することになった。全米小売業協会が2020年に発表した中間調査では、小売での非接触決済が69%増え、小売業者の67%がモバイル決済やコンタクトレスカードなど何かしら非接触の決済を受け入れていることが明らかになった。

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業界の変化の結果として、モバイルウォレット使用が増えただけでなく、ユーザー1人あたりの平均年間使用額も増えているとeMarketerは指摘する。2020年に1973.70ドル(約21万7400円)だったのが2021年には23.6%増の2439.68ドル(約26万8800円)に成長し、2023年までに3000ドル(約33万500円)を超えると予想する。

米国では引き続きApple Payが最も使用されているモバイル決済で、2021年のユーザー数は4390万人だ。そして2020年から2025年にかけて1440万人増えると予想されている。StarbucksがApple Payに続き、ユーザー数は3120万人だ。そして同期間にユーザー1020万人を獲得すると見込まれるGoogle Payが続く。一方、Samsung Payのユーザー数は伸び悩んでいて同期間に200万人しか増えないと予想されている。

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カテゴリー:フィンテック
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi


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