気候変動を背景に二酸化炭素の排出を抑制しようという動きが産業界に広がるなか、米運送大手のUPSは電動垂直離着陸機(eVTOL)150機をBeta Technologiesから購入する契約を交わした。
ゼロエミッションの機体を使った物流拠点間の運送を2024年から開始する計画だ。
航続距離は463キロ
Beta Technologiesは人を運ぶeVTOL、いわゆる空飛ぶタクシーと、貨物運搬用のeVTOLの両方の開発を手がけている。今回UPSが購入契約を結んだのはもちろん貨物運搬用で、最大積載量は1400ポンド(約635キロ)だ。
eVTOLは搭載するバッテリーで飛行し、フル充電時の航続距離は463キロ。最高速度は時速270キロだ。ジェット貨物機に比べると、積載量は少なく航続距離も短いが、短・中距離の運送には十分対応する。
離発着パッドを設置
実際、UPSはこのeVTOLを自社の物流拠点間の運送に活用する計画だ。それに向けて、物流拠点にeVTOL離発着パッドを設置するとのこと。飛行機と違って大掛かりな滑走路は不要というのが導入に向けたハードルを下げている。
一方で、BetaのeVTOLはプラッツバーグやニューヨークの間などで実験フライトを行なっているが、連邦航空局からの正式な承認取得はこれからだ。つまり、2024年からUPSが運送に活用するというのはあくまでも全てが順調にいった場合となる。
ちなみに、eVTOLで使用済みとなったバッテリーは充電ステーションで再利用する計画も立てている。
すでに脱化石燃料、エミッションフリーの流れは交通・運輸業界では特に強まっていて、今回のUPSのeVTOL 150機購入は時宜にかなったものといえそうだ。
(文:Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/152398
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi
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