P&G、Appleのプライバシールール回避で中国企業に協力

Apple プライバシー
 
Appleはアプリを利用するユーザーを識別し、それを追跡する場合は各ユーザーから明示的な同意を得ることを原則とするルールをまもなく適用します。しかしさまざまな方法で同意を得ずにユーザーを識別、追跡しようとする企業が後を絶ちません。日用品メーカーの最大手であるP&Gもそのような動きに協力していると報じられています。

中国企業の技術

Appleはユーザーのプライバシーを守ることを大原則とし、各アプリはその使用時に得られる位置情報や閲覧履歴、検索履歴、ユーザーID、デバイスID、使用状況などを収集する場合は事前に同意を得なければいけないというルールをまもなく適用します。しかしこれら情報を提供することに同意するユーザーは少ないと考えられ、ユーザーの好みや年齢層、地域にマッチした広告を表示して、その広告を売り上げにつなげている企業広告収入で運営されているアプリには大きな影響が出ると予想されています。
 
プライバシーラベル
 
そのためAppleのルールの範囲内で、何らかの手段を用いてユーザーを識別し、追跡するツールが開発されつつあります。このツールの開発に世界的な日用品メーカーであるP&Gが協力しているとして大きな問題になっています。さらにP&Gが自身の保有する広告データ、顧客データを提供したのが中国政府の支援を受けた同国の広告代理店であったことも問題を複雑にしています。
 
すでにこの広告代理店はCAIDと呼ばれるユーザー識別ツールをP&G、バイドゥ、TikTok、テンセントなどと共同でテスト中であり、Appleのプライバシーに対する取り組みが骨抜きになる可能性も出てきました。なおAppleはCAIDのようなツールを用いた場合、アプリの審査を通さないと警告しており、このツールがiPhoneやiPadアプリで実際に使われることはないかもしれません。
 
Appleが強い姿勢でこうしたツールを排除すれば、CAIDを利用する企業はなくなり、ユーザーのプライバシーが守られると考えられています。そのためAppleの今後の出方には注目が集まります。
 
 
Source:MacRumors
(KAZ)


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