みんな電力は4月15日、アーティストが再生可能エネルギーによる発電に参加でき、さらにアーティストの発電所で作った電気を購入できる「アーティスト電力」を開始した。ブロックチェーンを活用した同社独自のP2P電力トラッキングシステム「ENECTION2.0」を用いており、アーティストの発電所を指定して電気を購入できる取り組みは日本初(同社調べ)。
第1弾は、「アーティスト電力」発案者であり、同社の押しかけ課長・作家でクリエイターのいとうせいこう氏の太陽光発電所(いとうせいこう発電所)の電気契約を先着100名限定で受け付ける。
「アーティスト電力」の3つの特徴
- アーティストの発電所で作った電気をみんなで購入できる
- 電気を利用することで、コロナ禍のアーティストや音楽関係者を応援できる
- 契約者限定ライブの開催
またみんな電力は、第1弾のいとうせいこう発電所を皮切りに、第2弾以降も順次検討しているという。これまで電気を消費する側だったアーティストが電気の生産者となる「アーティスト電力」を通じて、アーティストとファンが一緒に楽しみながら脱炭素アクションができる仕組みを広げるとともに、電気を自由に選ぶことができる楽しさを伝えるとしている。
いとうせいこう氏は、「いまは中央集権ではなく自律分散の時代であり、太陽光パネルを分割してみんなで持ち合うことでエネルギーも分散化できる」というアイデアを提案。「電気を面白く選ぶ体験を広めたい」と考える同社が共感し、ENECTION2.0を活用しこれからの電気のカタチを提案するプロジェクトを始動させたという。
同氏は、「電気料金の中にエンターテイメント代が入っていて、アーティストの支援にもつながる。そうやって、みんなで楽しく再生可能エネルギーの社会に変えていっちゃおうと。そしたらバタバタバタと僕らは新しい社会をつくれてしまっているかもしれないと思います」とコメントしている。
アーティストの発電所で作った電気をみんなで購入
アーティスト電力では、ENECTION2.0を通じ、発電量と需要量を30分ごとにマッチングを行う。これにより、アーティストの発電所で作った再エネ電力を購入できるという。
ブロックチェーンを活用してアーティストが作った電気をみんなで分け合うことになり、契約者専用のマイページで電力使用量におけるマッチング率を確認できる。第1弾として、いとうせいこう氏の太陽光発電所(福島県二本松市)の電力を先着100名限定で購入できる。
またこの電力供給においては、いとうせいこう発電所の総発電量の一部が提供され、残りの電力は太陽光、風力などの再エネ・FIT電気などを組み合わせて再エネ100%の電気を供給する。インバランス(電力の需要量・供給量の差分)発生時など再エネ比率が100%にならない場合があるものの、その際も証書によりCO2排出係数ゼロは維持される。
なおFIT電気とは、太陽光、風力などの再エネ電源を用いて発電され、固定価格買取制度によって電気事業者に買い取られた電気を指す。同社の調達費用の一部は、再生可能エネルギー発電促進賦課金によりまかなわれている。
電気を購入することで、コロナ禍のアーティストや音楽関係者を応援
アーティスト電力では、毎月の電気料金の一部をアーティストや音楽関係者に届けることができ、好きなアーティストを簡単かつ継続的に応援可能。1円単位で電気料金の支払先がわかる「超明細」にて、毎月の電気料金のうち、アーティストや音楽関係者にお届けする金額も確認できる。
契約者限定ライブの開催
アーティスト電力に申し込んだ方のみを対象に、アーティストによるオンラインライブを開催。アーカイブ視聴もでき、電力をきっかけとしたアーティストとファンの接点を生み出すとしている。
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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:再生可能エネルギー(用語)、ブロックチェーン(用語)、みんな電力(企業)、日本(国・地域)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/04/15/minden-seikoito/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa
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