「カーキ」が付いたカラーがあるクルマを大捜索!

突然ですが、クイズをひとつ。

上の3色のうち、“カーキ色”はどれでしょう。

正解は左。真ん中はオリーブドラブ、右はオリーブグリーンになります。

※いずれの色名もJIS慣用色名で、JISで定めた「物体色の色名」に書かれた色相、明度、彩度をもとにRGBに置き換えた色になります。表示する環境によって色の見え方は変わります

一般的にカーキ色というとややくすんだグリーン系をイメージする人が多いと思います。しかしカーキとはヒンディー語で“土埃”の意味。色としてはやや茶色がかった黄色になります。ただ、ひと口にカーキと言ってもさまざまな色があるのも事実。JIS慣用色名のカーキー(Khaki)は、色相=1YR、明度=5/、彩度=5.5となっています。

ファッションやメイクの世界でもグリーン系をカーキと呼ぶケースが多いのが現状。なぜグリーン系がカーキ色と認識されるようになったのでしょう。

カーキ色は昔から軍服に採用されることが多い色。その中でファッションでは定番の迷彩柄がミリタリーのイメージとして定着し、そこで使われるグリーン系の色がカーキと認識されるようになったと言われています。

日本ではクルマの色といえば黒系と白(パール)系、そしてグレーやシルバー系が人気。スポーツカーだと赤や黄色といったビビッドカラーも好まれます。

しかし、数年前から淡いブルーやグリーンなどのニュアンスカラー、そしてサンドベージュやオリーブドラブ、そしてカーキといったアースカラーに注目が集まっていて、自動車メーカー各社もボディカラーに採用するようになりました。アースカラーやニュアンスカラーのクルマが増えたのは、ファッションの流行に合わせているところもあるでしょう。

アウトドアやミリタリーにも合わせやすい、グリーン系を含むカーキ色のクルマを紹介します。
 

■同じカーキでもイメージはさまざま!新車で狙えるカーキ色

▼ホンダ ヴェゼル <サンドカーキ・パール>

2013年にデビューし大ヒットしたコンパクトSUVのヴェゼルが、2021年4月にフルモデルチェンジ。先代のイメージを残しつつ、より透明感のあるデザインで登場した新型は2月のワールドプレミア以降、多くの先行注文が入りすでに長期の納車待ちになっているようです。

ハイブリッドは多くの時間をモーターで走行する2モーターシステム「e:HEV」を搭載。もちろん最新のホンダセンシングを搭載し、安全性も高められました。

2トーンカラーを含めて全11種類用意されたボディカラーにはサンドカーキ・パールが用意されています。2トーンカラーはルーフがブラックに。カーキと名付けられたクルマの色の中では王道を行くカラーです。グリルまでボディ同色になる独特の配色は、シンプルなものを長く使いたい人にぴったりではないでしょうか。

 

▼トヨタ RAV4 <アーバンカーキ>

2019年4月にデビューし、その年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したRAV4。ハリアーと同じGA-Kプラットフォームを使用したミドルサイズのSUVで、ハリアーが都市部を疾走するイメージなのに対し、RAV4は大地を駆け抜けるタフなイメージが与えられました。

ガソリンモデルのアドベンチャーには前後のトルク配分に加え後輪のトルクも左右独立制御するダイナミックトルクベクタリングAWDを世界初搭載するなど、イメージだけでなく実際にオフロード性能が高められています。

そんなRAV4のイメージカラーはアーバンカーキ。2トーン仕様はルーフがアッシュグレーメタリックに。淡いグリーン系のカーキが、アドベンチャー専用装備の大型スキッドプレートとマッチしています。

 

▼スバル XV <クールグレーカーキ>

スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用した、都市型コンパクトSUVのXV。2020年9月のマイナーチェンジでフェイスリフトが行われるとともに、サスペンションも改良。スポーティさが一層高められました。

マイルドハイブリッドのe-BOXERモデルにはSI-DRIVEと協調するアダプティブ変速制御“e-アクティブシフトコントロール”が採用されました。

2017年4月のフルモデルチェンジから設定されるクールグレーカーキは、くすんだ淡いブルーに近い色。いわゆるカーキとはイメージが異なりますが、街に映えるカラーになります。

 

▼ダイハツ ハイゼットトラック <オフビートカーキメタリック>

2014年9月に登場したハイゼットトラックは画期的な軽トラックでした。フルモデルチェンジで乗降性や静粛性が向上したのはもちろんのこと、白いことが当たり前だった軽トラックに全8色のカラーを設定。選ぶ&所有する楽しみという新しい価値が与えられたのです。

全8色の中にはミリタリー感あふれるオフビートカーキメタリックも用意されました。このカラーはビジネスシーンだけでなく、軽キャンピングカーのベース車両としても人気があります。

さらにインチアップしてフロント周りをミリタリーっぽくカスタムすれば、アウトドアシーンでかなり目立てます!

同じダイハツのタフトには、フォレストカーキメタリックやサンドベージュメタリックが設定されています。

 

▼スズキ ハスラー <クールカーキパールメタリック>

“遊べる軽” として絶大な支持を得るハスラーは初代でクールカーキパールメタリックを設定。この色は好評で、2代目となる現行型にも引き継がれました。2代目ハスラーはボディタイプに合わせて内装色を3パターン用意。クールカーキパールメタリックはクールな雰囲気のグレーイッシュホワイト内装になります。

標準モデルだとクールカーキパールメタリックはモノトーンのみの設定。2020年11月に登場した特別仕様車のJ STYLEだとルーフレールや専用メッキフロントグリルでワイルドなイメージを強調した上で、ホワイトとの2トーンカラーを選ぶことができます。

クールカーキパールメタリックは、軽ハイトワゴンのスペーシアギアにも設定。そしてジムニーにはジャングルグリーンというミリタリー感たっぷりのカラーが設定されています。
 

■希少色だけれど絶対に見つけたい! 中古車で探すカーキ色

▼日産 エクストレイル(2代目)<ヒマラヤンカーキ>

現行型がスタイリッシュなイメージを押し出した都市型SUVなのに対し、初代と2代目は遊びにガンガン使えるタフギアであることをアピールしたエクストレイル。

そんな2代目(T31型)には、ヒマラヤンカーキという色が設定されていました。この色は不人気だったため、現在中古車として流通しているのは20台程度。しかし、タフなエクストレイルのイメージをもっとも端的に表現したカラーとしてマニアの間で人気があります。フォグランプが内蔵されたハイパールーフレール付きのものなら、エクストレイルらしさは一層際立つはず。

また、現行型(T32型)にもかつてチタニウムカーキというボディカラーが設定されていました。現行型エクストレイルの中古車は3000台以上流通していますが、このカラーは130台程度しかない希少色です。

 

▼スバル XV(初代)<デザートカーキ>

クールグレーカーキというブルーがかったカーキ色が設定されている現行型XVに対し、先代XV(インプレッサXV)ではデザートカーキというボディカラーが用意されました。“砂漠”という名前が与えられたこのカラーは、2012年12月に行われたオートカラーアウォード2013でグランプリを受賞。

デザートカーキはイメージカラーだったタンジェリンオレンジとともにXV専用色として用意されたもので、王道のカーキ色は、小さくても抑揚のあるXVのデザインにハマっています。

デザートカーキも中古車は20台程度しか流通していません。探すのはやや苦労するかもしれないですが、色にこだわりたい人はじっくり探してみてください。

 

■“カーキ”というネーミングではないけれど注目したい2モデル

▼トヨタ ハイラックス <オキサイドブロンズメタリック>

2020年8月のマイナーチェンジで大型の台形グリルが装着され、タフさがアップしたハイラックス。このタイミングで追加されたオキサイドブロンズメタリックはくすんだ淡いグリーン系のメタリックで、荒野を連想させるハイラックスらしいカラーです。

荷台にキャンパーシェルを積載したり、キャノピー+ルーフテントでオーバーランドスタイルにしたり…。ハイラックスらしいヘビーデューティさを引き立ててくれるカラーです。

 

▼ランドローバー ディフェンダー <バンゲアグリーン>

1948年に登場したシリーズIから実に71年ぶりにフルモデルチェンジしたディフェンダー。5ドアの110に加え、3ドアの90も上陸を果たし、またディーゼル車も導入されたことで、納車にかなりの時間を要する状態になっている新型ディフェンダー。

イメージカラーは2億5000万年前に出現した超大陸の名がつけられたパンゲアグリーン。カーキとは少し違いますが、ディフェンダーらしいタフでありながら上質さを感じるカラーです。

また、同じく超大陸から名前がとられたゴンドワナストーンも魅力的なカラーです。カーキ感を醸し出しながら、光の当たり方によってカッパーにもゴールドにも見える絶妙な色合いは、荒野に自然に溶け込みます。

ディフェンダーは、インテリアカラーで文字通りカーキを設定。シート、インパネ、ドアトリムなどがミリタリー色が強いくすんだグリーン系になります。

 

<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)

高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。

 

 

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