香港のCounterpoint Technology Market Research(以下、カウンターポイント)は、スマートフォン向けAP(アプリケーション・プロセッサ)およびSoC(システム・オン・チップ)に関する2021年市場見通しを発表しました。
グローバル出荷量は前年比3%成長か
今年度のグローバル出荷数量は、台湾の半導体メーカーMediaTekが30%以上の高いシェアを維持するとみられています。同社が注力する低価格帯の5Gチップセットに関して台湾TSMCによる供給の安定が背景にあるとみられ、4Gスマートフォンにおいてもシェアを伸ばし続けています。
一方でリサーチディレクターのDale Gai氏は、米Qualcommについて、RFIC(高周波用IC)やPMIC(電源管理用IC)の供給や、5nmラインの歩留まりなど供給面の課題を指摘しました。ただし5Gスマートフォン向けAP/SoC市場では28%でシェア率1位(2020年)を記録しており、今後もSnapdragonのポートフォリオにおいて中心的役割を果たすとのことです。
5G向けではQualcommが安定
5Gスマートフォン市場では、QualcommとAppleが各30%前後の高いシェア率を維持すると予想。リサーチアナリストのParv Sharma氏によれば、QualcommはSnapdragonの8シリーズから4シリーズに至る価格帯別のラインアップを揃えており、Apple向けの5GベースバンドICを含めるとシェアは全体の59%に及びます。さらに2021年第2四半期からTSMCの5nm、6nmラインへの注文を増やすことから、同下半期の5G SoC出荷は成長軌道に戻るとみているようです。
7nm、6nm、5nmなどの微細プロセスは2021年におけるスマホ向け出荷のほぼ半分に達するとみられています。Gai氏は、これら最先端のプロセスは主に5G端末に活用され、従来の11nm〜プロセスは4G LTEのメインストリームとして引き続き利用されるとしています。
(文・九条ハル)
- Original:https://techable.jp/archives/154602
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:九条ハル
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