原付二種(排気量125cc未満)というと、スクーターをイメージする人が多いと思いますが、実はこのクラスのギア付きスポーツモデルが最近熱いんです。国産車だけでなく、輸入車のラインナップも充実。スペック的にも原付とは思えない装備を与えられたモデルが増えています。注目度急上昇中の125ccクラスのスポーツモデルを、フルサイズと12インチホイールモデルに分けてご紹介します。
■125ccクラスの魅力とは!?
このクラスが人気を集めている理由のひとつは、50cc未満の原付一種に比べると走行性能が高いだけでなく、法的な足かせが少ないこと。原付一種(いわゆる原チャリ)では時速30kmまでとされている制限速度が普通車と同じになり、大きな交差点などで二段階右折の必要がありません。スペック的にもスリムで軽量な車両が多いため、このクラスは“街中最速”なんて言われることもあります。
それでいて、維持費が安いのも魅力。税金や自賠責保険料はもちろん、任意保険もクルマを所有している人ならファミリーバイク特約でカバーできるので、出費を抑えられます。そんな経済性も併せ持つ原付二種バイクを見ていきましょう。
【フルサイズ①】ホンダ「CB125R」
水冷のDOHCエンジン、そして倒立式のフロントフォークとクラスを超えた装備で注目を集めているのが2021年4月にモデルチェンジしたばかりの「CB125R」。フロントフォークは125ccクラス初採用となるSFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク・ビックピストンタイプ)で路面追従性が高く、高回転まで気持ち良く回るエンジンと相まって、本格的なスポーツ性能が味わえます。車体の基本設計は「CB250R」と共通なので、一見しただけでは125ccとは思えない車格も魅力の1つです。
<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2040×W820×H1055mm
車両重量:130kg
エンジン:124cc 水冷単気筒 DOHC4バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:15馬力/1万回転
最大トルク:1.2kgf-m/8000回転
価格:47万3000円
【フルサイズ②】スズキ「GSX-R125」
レーサーのようなフルカウルをまとったスタイルが刺激的なのがこちら。GSX-Rシリーズの名を与えられているだけあり、アグレッシブなルックスです。スズキのレーシングカラーであるトリトンブルーメタリックが用意されているのもうれしいポイント。エンジンはDOHC4バルブにデュアルスプレー式の4穴フューエルインジェクションを採用するなど手抜きの感じられない仕上がり。カウルレスでアップハンドルの「GSX-S125」も選べます。
<SPECIFICATIONS>※( )内はGSX-S125
ボディサイズ:L2000×W700×H1070mm(L2000×W745×H1035mm)
車両重量:134kg(133kg)
エンジン:124cc 水冷単気筒 DOHC4バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:15馬力/1万回転
最大トルク:1.1kgf-m/8000回転
価格:41万5800円(38万2800円)
【フルサイズ③】KTM「125 DUKE」
本格的なスペックを持つ125ccクラスのスポーツモデルが注目されるきっかけを作ったとも言えるマシンがこちら。サーキット走行を視野に入れた高い性能が与えられているのは、KTMのマシンらしいところで、鋼管トレリスの高剛性フレームにWP製の倒立フォーク、そしてパワフルなDOHC4バルブエンジンを搭載しています。アグレッシブなデザインの車体は同じDUKEシリーズの390/250と共通で、大排気量車の横に並んでも見劣りしない迫力です。
<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L-×W-×H-mm
車両重量:139kg
エンジン:124.7cc 水冷単気筒 DOHC4バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:15馬力/9000回転
最大トルク:1.2kgf-m/7500回転
価格:53万9000円
【フルサイズ④】ハスクバーナ「スヴァルトピレン125」
基本的な車体・エンジンの設計はKTMの「125 DUKE」と共通ながら、クラシカルなイメージの外観と、ややオフロード寄りのタイヤを装着したユニークなスタイルが特徴。基本設計が同じなら、乗り味も似ているのかと思いきや、着座位置が高いシートを装備していることもあってハンドリングは異なる味わい。モタード車っぽさが残る「DUKE」に比べると、ロードマシンに乗り慣れた人には馴染みやすい特性です。
<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L-×W-×H-mm
車両重量:146kg
エンジン:124.7cc 水冷単気筒 DOHC4バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:15馬力/9000回転
最大トルク:1.2kgf-m/7500回転
価格:53万9000円
【フルサイズ⑤】アプリリア「SX125」
オフロードマシンに、17インチのロードタイヤを履いたモタードスタイル。スリムで軽量な車体に、扱いやすいアップライトなハンドルは街中で扱いやすく、低回転域から高回転までスムーズに回るエンジンと相まって、キビキビした走りが味わえます。倒立式のフロントフォークと、十分なストロークを確保したリアサスペンションのおかげで、ハンドリングはフルサイズのモタード車と同等。扱いやすいエンジンをブン回す爽快感も味わえます。
<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2075×W820×H1140mm
車両重量:134kg
エンジン:124.2cc 水冷単気筒 DOHC4バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:15馬力/1万回転
最大トルク:11,2Nm/8000回転
価格:42万9000円
【12インチ①】ホンダ「グロム」
12インチホイールによるコンパクトな車体の魅力を存分に味わえるのがホンダの「グロム」。「モンキー125」のベースとなったことでも知られますが、こちらのほうがスポーツ度はかなり高めです。このジャンルの人気を確立したモデルでもあり、2021年3月のモデルチェンジでミッションが5速化されたことで、さらに完成度を高めています。デザインも一新され、ライディングポジションの自由度がアップ。積極的に着座位置を変えながら走るとクルクル曲がる12インチならではの楽しさが味わえます。
<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L1760×W720×H1015mm
車両重量:102kg
エンジン:123cc 空冷単気筒 OHC2バルブ
トランスミッション:5速MT
最高出力:10馬力/7250万回転
最大トルク:1.1kgf-m/5500回転
価格:38万5000円
【12インチ②】カワサキ「Z125 PRO」
カワサキのスーパーネイキッド「Z」シリーズの末弟モデル。上位モデルと同様のアグレッシブなスタイリングで、12インチホイールのコンパクトな車体ながら存在感を放っています。倒立フォークやシャープなデザインの軽量キャストホイールなど、クラスを超えた豪華装備も魅力。足つき性が良く、乗りやすい特性から幅広い層のライダーに支持を集めていましたが、2021年モデルで国内販売の終了がアナウンスされており、入手するなら今のうちです。
<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L1700×W750×H1005mm
車両重量:102kg
エンジン:124cc 空冷単気筒 OHC2バルブ
トランスミッション:4速MT
最高出力:9.7馬力/8000万回転
最大トルク:0.98kgf-m/6000回転
価格:35万2000円
【12インチ③】ベネリ「TNT 125」
100年以上の歴史を持つイタリアンブランド・ベネリのリリースするコンパクトモデル。ホイール径こそ12インチですが、トレリス式のフレームに縦型シリンダーのエンジンを搭載し、125ccとは思えない存在感に仕上がっています。マフラーは2本出しでフロントフォークは倒立式。実際に走らせても高回転までスムーズに回るエンジンと、本格的な足回りのおかげでフルサイズマシンに劣らない性能が感じられます。それでいて、リーズナブルな価格も魅力のひとつです。
<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L1770×W760×H1025mm
車両重量:124kg
エンジン:125cc 空冷単気筒 OHC4バルブ
トランスミッション:5速MT
最高出力:11.2馬力/9500万回転
最大トルク:10.0Nm/7000回転
価格:32万8900円
<文/増谷茂樹>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/374677/
- Source:&GP
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