マイクロソフトはGPT-3を使い自然言語でコードを書けるようにする

2021年のMicrosoft Build開発者会議には例年ほどの大きな驚きはなかったが、開発者がおそらく注目するであろう発表が1つある。Microsoftは同社のノーコード / ローコードサービスであるPower AppsでOpenAIの強力なGPT-3自然言語モデルを使って、話し言葉を最近発表されたPower Fx言語のコードに翻訳する。

しかし我を忘れてはいけない。自然言語だけを使って次のTikTokを開発しようということではないのだ。MicrosoftがやっているのはPower Appsのようなツールでローコードになっている部分の一部をなくすことであり、AIを使って基本的にノーコードのエクスペリエンスにしようともしている。現時点で主眼となっているのはPower Appsの数式で、これはもともとローコードのサービスではあるが、高度なアプリを開発しようと思ったら遅かれ早かれ何らかの数式を書かなくてはならない。

Microsoftのローコードアプリケーションプラットフォーム担当CVPであるCharles Lamanna(チャールズ・ラマンナ)氏は「このような高度なAIモデルを使うことで、まさに私たちがノーコードと呼んでいるものになり、Microsoftのローコードツールはさらに多くの人たちに使われるようになります」と述べた。

実際には、シチズンプログラマーが「find products where the name starts with ‘kids’」(「kids」で始まる名前の製品を見つける)のように書くと、Power Appsが「Filter(‘BC Orders’ Left(‘Product Name’,4)=”Kids”)」とレンダリングする。

MicrosoftはOpenAIに投資しているので、MicrosoftがこのエクスペリエンスにOpenAIのモデルを利用することに決めたのは当然だ。

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画像クレジット:Microsoft

これによってプログラミングが簡単になるが、そうはいってもユーザーは自分が開発しているアプリケーションのロジックを理解する必要があるとMicrosoft自身が強調していることは重要なポイントだ。同社は今回の発表の中で「この機能によって自分が実装しているコードを理解する必要性がなくなるわけではありませんが、プログラミング言語のPower Fxを学んでいる人を支援し、必要な結果を得るための正しい数式を選ぶ助けとなります。高度なアプリ開発へのアクセスが劇的に広がり、ローコードツールの使い方をこれまで以上に短期間でトレーニングできます」と説明している。

ExcelやPowerBI、Googleスプレッドシートなどで利用できる自然言語クエリ機能を使うのと、まったく違うというわけではない。これらも結局のところ、自然言語を数式に翻訳している。おそらくGPT-3はもう少し高度でもっと複雑なクエリを理解できるだろうが、自然言語を数式に翻訳するという点ではそれほど新しくはない。

長期的にはこのようなツールがもっと賢くなって複雑なプログラミングタスクを処理できるようになると見られる。しかし複雑なプログラミングができるようになることは、翻訳の問題よりもずっと高いステップアップだ。概して、クエリが複雑になるほどプログラムをしっかり理解することが必要だ。数式はたいてい自己完結型のステートメントだが「本物の」コードを生成できるようなモデルではもっと多くのコンテクストを処理しなくてはならない。

この新機能は、2021年6月末までに北米のユーザーに対して英語版のパブリックプレビューが公開される。


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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftMicrosoft BuildMicrosoft Build 2021ノーコードローコードPower Apps自然言語処理OpenAI

画像クレジット:Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)


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