eVTOLのArcher AviationがライバルWisk Aeroからの企業秘密流用の嫌疑対する差し止め請求に反撃

Archer Aviation(アーチャー・アビエーション)が、競合相手であるWisk Aero(ウィスク・エアロ)から受けている企業秘密流用の嫌疑に対して、対抗活動を強化している。2021年6月初めに、eVTOL(電動垂直離着陸機)の「Make」(メーカー)を発表したArcherは、米国時間6月23日に提出した裁判資料の中で、WiskがArcherの航空機デザインを知ったのは、その特許意匠出願の数週間前だったと主張し、Wiskのデザインを盗んだという主張を実質的に覆した。

Wiskは4月の訴訟で、自社のデザインがArcherのものとほぼ同じものであり、その類似性は、Wiskの元従業員(後にArcherに採用された)が、Wiskで作業に使っていたファイルを盗んだ結果であると主張していた。今回の新たな申請では、Archerが採用を検討していたWiskのシニアエンジニアのGeoff Long(ジェフ・ロング)氏に対して、12ローターを搭載したチルトデザインの計画を共有したのだと主張し、そしてArcherは、Wiskが特許を出願する数週間前に、ロング氏がそのArcherの計画をWiskの幹部に伝えたのだと主張している。

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まだ話についてこれているだろうか?また、Archerは、第三者に依頼してフォレンジック分析を行ったところ、Archerのシステムや、Wiskの元社員だったロング氏が所有するデバイスに、盗まれたとされる文書の証拠は一切見つからなかったとしている。

今回の申請は、ライバルのArcherによって盗まれたとWiskが主張する52のトレードシークレットの使用を、直ちに禁止するよう裁判所に要求した5月の差止命令に対抗するものだ。この要求は、Archerに壊滅的な影響を与える可能性があり、Archer自身もそのことを申請書の中で認めている。Archerは、差し止め命令が承認されると「無期限に活動停止」となり、Archerとそのパートナーやサプライヤーのネットワークに「重大な危機」が生じると主張している。

Archerは申請書の中で「Wiskの訴訟とメディアを使った攻撃は、Archerが予定している合併とそのビジネスパートナーシップを頓挫させる恐れがあり、Archerはこの訴訟に対抗するために多大な資源を振り向けざるを得ない」と述べている。さらにArcherは、差止命令が出される場合には、11億ドル(約1218億5000万円)の保証金が差し出されるべきだと要求した。裁判所がArcher側の主張を受け入れた場合にはWiskはその金額を支払わなければならない。

今回の申請を受けてWiskは、TechCrunchに以下の声明を送ってきた「Archerの今回の申請は不正確なものばかりで、同社が直面している深刻かつ広範な不正使用の訴えから目をそらそうとしているものです。今回の申請によって変わるものはありません。ArcherがWiskの知的財産を不適切に使用したことを明らかにするために、法廷で訴訟を続けることを楽しみにしています」。

この訴訟は、カリフォルニア州北部地区の米国連邦地方裁判所に提訴されていて、事件番号は5:21-cv-2450である。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Archer AviationWisk Aero裁判

画像クレジット:Wisk Aero

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(文: Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)


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