パリの裁判所が、民泊のマーケットプレイスとして人気の高いAirbnbに罰金を科した。裁判所によると、そのテクノロジー企業は同社のプラットフォームにアパートを載せるにあたってパリ市の規制に違反した。Airbnbはパリ市に960万ドル(約10億7000万円)を払わなければならない。
判決は確定までに数年を要している。世界中の大都市の多くと同じく、Airbnbはパリの住宅市場に何らかの影響力を及ぼしている。多くのアパートが住宅市場から姿を消し、Airbnbの常設のアパートになり、賃料が上がっている。
2017年には、パリの住民は自分の家をAirbnbに載せることがやや困難になってきた。たとえばアパートは、年間120泊以上貸すことができない。そこで家主たちは、常住のテナントからAirbnbの顧客に切り替えることを、ためらうようになった。
民泊プラットフォームは複数あるため、パリ市は登録方式を採用した。自分のアパートをAirbnbに載せたい人は、まず登録をする。するとAirbnbのようなプラットフォームは、登録番号を確認してから、1年で120泊位内までのキャパシティを載せる(市による泊数の管理ができる)。
当初市は、およそ1000件の不正登録のアパートを摘発し、それらの掲載中止を求めた。
2019年にパリ市は、今度はAirbnbを同じ理由で訴訟を起こした。規制はやや変更され、責任をホストとプラットフォームが共有することになり、本日の罰金につながる。
パリ市のIan Brossat(イアン・ブロサット)副市長は声明で「フランスで自治体がテクノロジー大手に勝訴したのはこれが初めてのことになります。ついにプラットフォームが有罪になりました。パリ市民にとってすばらしい勝利です」。
AirbnbはAFPの取材に対して、パリの2020年の掲載物件の95%は、120泊以下の予約だったと述べている。5%の物件が予約泊数の5%を超えていた。
関連記事
・パリ市当局、Airbnbに1000室の掲載中止を要請
・無登録物件のリスト掲載でパリ市がAirbnbを告訴
カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Airbnb、フランス、パリ、裁判
画像クレジット:Nelson Minar / Flickr under a CC BY-SA 2.0 license.
[原文へ]
(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/07/03/2021-07-01-paris-court-fines-airbnb-9-6-million-for-illegal-listings/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Romain Dillet,Hiroshi Iwatani
Amazonベストセラー
Now loading...