レーサーレプリカ世代におすすめ!ストリートファイターバイク10選

1980〜90年代のレーサーレプリカブームを知っている世代なら、自身が乗るバイクを選ぶとしても走りのスペックには妥協したくないと考えているのではないでしょうか。とはいえ、その世代は既に40代。前傾姿勢のキツいフルカウルのスーパースポーツを乗りこなすのは、肉体的に結構ハードになってきています。

かく言う筆者もそのひとり。久しぶりにスーパースポーツに乗ると、腰だったり首だったりの負担がこたえるようになりました。

そんな中年ライダーにおすすめしたいのが“ストリートファイター”と呼ばれるジャンル。走行性能は昔のレーサーレプリカ以上ですが、ライディングポジションはアップライトで乗りやすく、若い頃のようなワクワク感が味わえます。

 

■セッティングはストリート寄り

ストリートファイターとは、もとを辿ればヨーロッパで生まれたカスタムのジャンル。スーパースポーツマシンのカウルを取り去り、バータイプのハンドルと戦闘的なスタイルのライトカウルを装着するのが基本スタイルでした。走り屋的なライダーが、転倒でカウルが破損したマシンをベースにカスタムしだしたのがルーツとも言われます。レーサーレプリカ世代なら、その昔“神奈川仕様”なんて呼ばれたスタイルを覚えている人もいるかもしれませんが、それに近いですね。

そんなカスタムにルーツを持つストリートファイターですが、今ではメーカーもこのジャンルのマシンを積極的にリリースしています。エンジンや車体はスーパースポーツをベースとしているので、走行性能は折り紙付き。そこにバータイプのハンドル(ツーリングモデルなどに比べると、結構低め)と個性的なフロントフェイスを採用しているのが基本スタイルです。

現行のスーパースポーツをベースとしているので、スペック的には相当高性能ですが、エンジン特性やギア比などがストリート寄りにセッティングされているので、スーパースポーツに比べると公道でも乗りやすい。もちろん、性能をフルに発揮するにはクローズドコースに持ち込む必要がありそうですが、公道で乗っても十分に楽しめるのがメリットです。近年は排気量400cc以下の中型モデルも充実していきているので、そちらを選ぶのもアリでしょう。

そんなストリートファイターモデルを10台ご紹介します。

 

1. ドゥカティ「ストリートファイターV4」

ドゥカティのフラッグシップモデル「パニガーレV4」と同じV型4気筒エンジンを搭載し、最高出力は200馬力オーバー。フロントのリフトを抑えるウイングレットも装備したスパルタンなモデルです。コンパクトで戦闘的なフロントフェイスも「ストリートファイター」の車名にふさわしいもの。トラクションコントロールやコーナーリングABSなどの電子制御も充実しており、乗ってみると予想以上の乗りやすさと軽快感に驚かされます。さらにハイスペックな「ストリートファイターV4S」もラインナップ。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2112×W833×H1003mm
車両重量:178kg(乾燥重量)
エンジン:1103cc 水冷V型4気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:208馬力/12750回転
最大トルク:123Nm/9500回転
価格:244万5000円

 

2. トライアンフ「ストリートトリプルS」

2眼ライトと水平基調のパイプハンドルというストリートファイターの文脈に沿ったデザインが特徴。搭載される3気筒エンジンは、MotoGPのMoto2クラスに提供されているもののベースにもなっていて、4気筒の滑らかさと2気筒のパンチ力のいいとこ取りを狙ったものです。同社には1200ccエンジンを搭載した「スポーツトリプル」というモデルもありますが、公道での軽快感という意味ではこちらがおすすめ。100万円を切る価格も魅力で、よりハイスペックな「RS」グレードも選べます。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:W765×H1060mm
車両重量:188kg
エンジン:660cc 水冷並列3気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:92.5馬力/11250回転
最大トルク:66Nm/9250回転
価格:99万9000円

 

3. KTM「1290スーパーデュークR」

近年は、アグレッシブな走りのスポーツバイクをリリースするメーカーの代名詞的存在ともなっているKTM。そのフラッグシップに位置づけられるのがこのマシンです。コンパクトでパンチのあるV型ツインエンジンを、鋼管パイプを組み合わせたフレームに搭載。乗ってみると着座位置が前方にあることもあり、排気量から想像されるよりコンパクトで、ストリートで振り回して乗ることが可能。強烈な加速力と、コンパクトに曲がれるコーナーリング性能を併せ持ち、ついついアクセルを開けたくなるマシンです。

<SPECIFICATIONS>
ホイールベース:1497mm
車両重量:189kg(乾燥重量)
エンジン:1301cc 水冷V型2気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:180馬力/9500回転
最大トルク:140Nm/9000回転
価格:219万円

 

4. BMW「S1000R」

BMWのバイクというと、水平対向2気筒のボクサーエンジンや、個性的なサスペンションレイアウトのツーリングモデルをイメージする人が多いかもしれませんが、高性能な4気筒モデルもリリースしています。その代表格がこのマシン。レース直系のエンジンはハイパワーながらスムーズで、電子制御も充実していて予想以上に扱いやすい特性です。3軸の姿勢制御も搭載していて、過激なスペックながらもライダーが乗りやすく調教されているのはBMWならではかもしれません。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2075×W815×H1050mm
車両重量:199kg
エンジン:1103cc 水/油冷並列4気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:165馬力/11000回転
最大トルク:114Nm/9250回転
価格:178万円

 

5. スズキ「GSX-S1000」

エンジンと車体は、スズキのレースマシン「GSX-R1000」をベースとしたマシン。エンジンはストリート用にチューニングされており、アップライトなライディングポジションと相まって公道でもキビキビした走りを楽しめます。車体の完成度も高く、新型「KATANA」のベースとなったモデルとしても知られています。最近、よりパワーアップし、アグレッシブなフェイスとなった新型が発表されており、国内での販売開始が待ち望まれます。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2115×W790×H1080mm
車両重量:209kg
エンジン:998cc 水冷並列4気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:148馬力/10000回転
最大トルク:107Nm/9500回転
価格:115万2800円

 

6. カワサキ「Z1000」

伝統ある「Z」の名を受け継ぐモデルですが、スタイルはかなり先進的で迫力を感じるもの。エンジンは低回転での加速力を重視したセッティングで、左右両側出しで4つの排気口からは迫力あるエキゾーストノートを奏でます。サスペンションはハードさと乗り心地を両立していて、フロントにはSHOWA製SFF-BPを採用。リアサスペンションは水平に配置して排気熱からの影響を抑制しています。男っぽいスタイルを好むなら、こちらのマシンがおすすめです。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2050×W790×H1055mm
車両重量:220kg
エンジン:1043cc 水冷並列4気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:141馬力/10000回転
最大トルク:111Nm/7300回転
価格:171万1500円

 

7. ホンダ「CB1000R」

スポーツネイキッドに分類される車種ですが、薄型のLEDヘッドライトや切れ上がったコンパクトなテール、片持ちのスイングアームなどはストリートファイターの要素を強く感じさせるスタイルです。エンジンは中低速のトルクと加速性能を重視したセッティングで、ライダーに聴かせることを重視した吸排気音とともに気分を高めてくれます。スーパースポーツとは一味違った操る楽しさを感じさせてくれるマシンと言えるでしょう。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2120×W790×H1090mm
車両重量:213kg
エンジン:998cc 水冷並列4気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:145馬力/10500回転
最大トルク:104Nm/8250回転
価格:167万900円

 

8. ヤマハ「MT-03」

ヤマハの人気モデルである「MT」シリーズの、普通自動二輪免許で乗れるマシン。排気量250ccの「MT-25」と排気量以外は同一ですが、おすすめしたいのは排気量320ccの「MT-03」のほう。最高出力が7馬力、最大トルクが6Nm大きいので、レーサーレプリカの動力性能を知るライダーもこちらなら満足できるはず。迫力あるスタイルはクラスを超えたもので、ルックスでも大排気量車に見劣りしません。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2090×W755×H1070mm
車両重量:169kg
エンジン:320cc 水冷並列2気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:42馬力/10750回転
最大トルク:29Nm/9000回転
価格:65万4500円

 

9. カワサキ「Z400」

「Z」シリーズにも普通自動二輪免許で乗れるモデルが用意されています。アップライトなハンドルとフロントフェイス、コンパクトなテールカウルはシリーズのイメージを受け継ぐもの。低回転から力強いトルクを発揮しながら、高回転までスムーズにフケ上がるエンジンは、このクラスは2気筒で十分という昔から言われている言葉を思い起こさせます。軽量な車体と相まって、タイトなワインディングでは大排気量車を追い回せる性能を発揮します。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L1990×W800×H1055mm
車両重量:166kg
エンジン:399cc 水冷並列2気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:48馬力/10000回転
最大トルク:38Nm/8000回転
価格:68万2000円

 

10. KTM「390 DUKE」

単気筒の373ccというエンジンながら、高い動力性能を発揮するモデル。それもそのはず、KTMは元々は高性能なオフロードマシンを得意とするメーカー。単気筒なハイパワーマシンは得意中の得意なのです。鋼管パイプを組み合わせたフレームの車体は、軽量で取り回しが良いだけでなく、見た目もアグレッシブ。WP製の前後サスペンションもハイレベルの走りを実現してくれます。

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2120×W790×H1090mm
車両重量:153kg
エンジン:373.2cc 水冷単気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:44馬力/9000回転
最大トルク:37Nm/7000回転
価格:72万9000円

 

<文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

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