アジア初の民間に開かれた宇宙港「北海道スペースポート」

北海道大樹町は「北海道に宇宙版シリコンバレーをつくる」という計画の実現に向け、「宇宙のまちづくり推進協議会」を発足し、2019年に「北海道スペースポート構想」を発表。その後、地域再生計画「大樹発!航空宇宙産業集積による地域創成推進計画」について内閣府の認定を受けました。

2021年4月には、同町と6つの道内企業などが出資し、「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営するSPACE COTAN株式会社を設立しています。今回は、アジアで初めて民間に開かれた宇宙港として本格稼働した「HOSPO」とその運営会社SPACE COTANにフォーカスしてみましょう。

「HOSPO」による地方創生とは?

「HOSPO」は、ロケットやスペースプレーン(宇宙船)を打ち上げるための射場や滑走路などを有し、打上げ支援業務を行う複合施設。東にも南にも打ち上げ可能な立地、晴天率の高さ、空港や港からの良好なアクセスなど宇宙港にふさわしい環境に恵まれています。

現在は、インターステラテクノロジズ社が観測用ロケット「MOMO」を打ち上げている「Launch Complex-0」や、1000mの滑走路などの施設を整備。今後、2023年に人工衛星用ロケット射場「Launch Complex-1」とスペースプレーンの実験機に対応するための300mの滑走路延伸を、2025年に人工衛星用ロケット射場「Launch Complex-2」の運用開始を予定しています。

こういった整備を進めることで、世界中のロケットやスペースプレーンを高頻度で打ち上げ可能な環境を創出する見込み。また「HOSPO」を核として、人工衛星などの宇宙産業の研究・開発拠点、周辺産業や観光産業などを集結させ、地域の一次産業をはじめとした既存産業とのシナジー効果などの好循環を生み出す「宇宙版シリコンバレー」の形成を目指す構えです。

構想実現に向け加速

SAPCE COTANは、「HOSPO」の整備資金としてふるさと納税(企業版・個人版)での支援を募りました。結果、企業版ふるさと納税では、北海道内の3社(萩原建設工業株式会社、株式会社奥原商会、西江建設株式会社)などから合計1億3,550万円の支援を受けています。

また、「HOSPO」の施設拡充と宇宙版シリコンバレーの形成に向けた相互連携を図るコミュニティ「HOSPO SUPPORTERS」を2021年7月30日に設立。株式会社IHIエアロスペースやALSOK北海道株式会社、北海道コンサドーレ札幌、北海道スペースポート研究会など地方創生やSDGsへの貢献、航空宇宙ビジネスに取り組む企業28社が参画しています。

同時に、参画企業であるINCLUSIVE株式会社、帯広信用金庫、キャリオ技研株式会社、サツドラホールディングス株式会社、西江建設株式会社、萩原建設工業株式会社、北海道電力株式会社、宮坂建設工業株式会社を引受先とした第三者割当増資により総額6,600万円の資金調達を実施しました。

PR TIMES(SPACE COTAN)
PR TIMES(INCLUSIVE)

(文・Higuchi)


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