Google(グーグル)はGoogleマップの価値を高め、まだの人には使い始めてもらうためにいくつかのツールを改訂した。同社は山火事を追跡する機能を改善し、都市の樹冠被覆率を測定するツールを拡張した他、Plus Code(プラス・コード)によるバーチャル住所作成の自動化を進めている。
山火事は多くのユーザーにとって最も緊急な利用方法であり、それはかつて稀だったこの災害が繰り返し起こる事象へと発展したからだ。Googleは2020年、衛星データを利用した山火事追跡ツールをこの種の火災を探している人たちのために提供した。たとえば「焚き火」などを探すと、ニュースを提供するだけでなく、頻繁に更新される情報センターには火災の専門家による最も有力な予測がリアルタイムで報告される。
その情報が、マップアプリに交通情報や自転車経路のようなレイヤーの1つとして表示されるようになった。機能をオンにすると、近くで起きている火災がすべてマップにマークされ、タップすると約1時間前時点のライブ概要が表示される。危険地帯にもマークがついているので、ある場所に車で行っても安全なのか現場に留まったほうがよいかを知ることができる。山火事が非常に多くて危険であり、状況の追跡が困難であることを考えると、非常に役立つツールだ。
都市部向けに、Googleは航空写真を利用してヒートアイランドその他の危険地帯を識別する 「Environmental Insights Explorer(EIE) Tree Canopyツール」 を提供している。市政機関はこれを、新たな樹木を植えたりその他の資源を配分する参考に利用できる。ロサンゼルスで最初にテストされたこのツールは、現在世界の100都市、メキシコ、グラダラハラ、英国、ロンドン、オーストラリア、シドニー、カナダ、トロント、日本の東京などで利用されている。
もう1つ、都市当局、特に人口が希薄な地域や急変する都市環境の行政が持っていないデータが住所だ。ある場所に住所がないなんておかしい、と思うかもしれないが、そもそも郵便や荷物が配達されるためには、行政が街路名と番地を割当て、登録し、追跡する必要がある。貧困な田舎町では、近所の公的住所を使い、追加の指示や詳しい配達員に頼って郵便が正確に配達されていることもよくある。
数年前、Googleは「Plus Codes」を導入した。基本的にGPS座標を文字と数字の短い列に結びつけたもので、さまざまなオンライン住所サービスに入力することができる(もちろんGoogleマップにも)。正式な住所を持たない人でも、Plus Codeを持つことは可能で、誰かが自分を尋ねてくるには十分だ。
このほど、通常の方法で住所を割り当てるのに苦戦しているいくつかの地方自治体と協力して、Plus Codesを公式の政治機構に組み込んだ。たとえばガンビアとケニヤでは、国の身分証明書など、通常政府が検証した住所を必要とする場面でPlus Codeが使用されている。なお、情報を所有、管理しているのは当局でありGoogleではない。会社はコードの生成と既存オンラインインフラとの統合に協力しているだけだ(経路案内の生成にも役立つ新たな一括生成ツールもある)。
一連のツールは、Googleの公私連携への関心を強調している。批判する人たちはGoogleが人々の生活のあらゆる側面を捕まえようとしているだけだと考えるかもしれないが、実際この会社は、広告と観察のビジネスモデルに関わらず、常にこの種のプロジェクトを推進している。産業と政府の転換を純粋に望み、ときには成功している。少なくとも、これらのプロジェクトに私利は見つからず、世界中の人たちにとって大いに役立つ可能性がある。
画像クレジット:Google
[原文へ]
(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook )
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/09/30/2021-09-29-google-beefs-up-wildfire-tracking-tree-cover-and-plus-codes-in-maps/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Devin Coldewey,Nobuo Takahashi
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