【最優秀ベストバリューモノ大捜査】
ソロキャンプ人気の勢いは衰えず、秋冬発売の新製品にもソロ向きのコンパクトな道具が多く見られる。
アウトドアデイジャパンの実行委員長である沖田雅生さんによると「欧米でのソロキャンプはトレッキングが主流のためミニマムな装備が好まれるけれど、日本のソロキャンプはクルマやバイクで出かけてひとりでのんびり楽しむことを目的とした人が多い」という。
「そのため海外発のミニマムなギアだと不便を感じる人も多いのでしょう。そんな悩みに対応すべく、日本のギアメーカーは日本のソロキャンパー向けに“ちょうどいい”サイズを生み出してきています」
たしかに日本のソロキャンプでは自分の好きなものに囲まれて、好きなことを楽しむためにコットン製テントや、スキレット、焚き火台などギアの重量感をいとわない人も多い。秋冬の新作も、保温性やくつろぎ機能に妥協していないものが多いし、あえて重量アップのカスタムパーツも増えている。
「この秋は、ミニマム一辺倒ではなくちょうどいいサイズを選んでみては」
アウトドアデイジャパン実行委員長
沖田雅生さん
キャンプ雑誌編集長時代に都市型アウトドアイベント「アウトドアデイジャパン」を立ち上げたプロデューサー。フリーの編集者、ライターでもある。
■テント
キャンプサイトの主役といえばやはりテント。出入りしやすく大きめ前室をもつテントがマストで、さらに冷え対策が万全なら100点だ。
1. 自立するって何かと助かる!
ハイランダー
「ハンガーフレームシェルター クロシェトポリコットン スタートパッケージ」(2万6980円)
パップテント、ポリコットンという人気コンビの新作。自立するので石の多い硬いサイト、凍った地面でも設営が楽にできます。(沖田さん)
近頃人気のパップテント型には珍しい自立式。結露しづらいポリコットンのスカート付きシェルター、キャノピーポール、インナーテントのセットで季節やスタイルにあわせてアレンジ可能。フレームは耐荷重20kgなので、帰宅前にシート類を干すなんてことにも重宝する。
▲吊り下げ式のインナーテントはサイドにファスナーを設けている。フレームがA型なのでポールに邪魔されることなくストレスなく出入りできる
2. 地面の冷たさを感じないコットテント
ヘリノックス
「タクティカル コットテント ソロ インナーテント(メッシュ)」(3万800円)
「タクティカル コットテント ソロフライ」(2万5300円)
一度使うと手放せないのがコット。コットの下にシートを敷けば湿気を抑えられるから、より快適に過ごせそう。(沖田さん)
冬は地面の冷たさの影響を受けず、夏は涼しく眠れるコットはこだわりキャンパーの必需品だが小型テントに入れるのは大変だ。こちらはヘリノックス タクティカルの名作コットの上にメッシュテントを装着し、フライをかけるので素早く設営できる。2022年1月発売。
▲コットレッグをはずせば、地面までしっかりフライを落とせるので秋冬にぴったり。コットレッグを取り付けて少しフライを上げれば夏向きに
3. サウナとキャンプの2WAYテント
アブレイズ
「UP 2ミニテント」(オープン価格)
火災や一酸化炭素中毒の心配があるためストーブを使えるテントはレア。なお、ストーブ利用は細心の注意が必要です。(沖田さん)
インナーテントを付属し、キャンプにも使えるサウナ用テント。中にサウナ用ストーブ(別売)を入れるため、サイズはφ270×H180cmとソロ利用にしては大きいが、折りたたみ傘のようにたたまれたクイックテント式なので設営は楽ちん。アブレイズ扱いのG-Stoveをインストール可能だ。2021年12月発売。
▲インナーテントは簡単に着脱可能。夏はインナーなし、冬はインナーをつけてテント内温度をほどよくキープしながらサウナを楽しめるという
▲サウナ用テントには珍しいインナーテント付属。インナーを取り付けると前室が生まれるので冷気がテント内に入りにくいというのも利点だ
4. 大きめの前室付きでリビングを確保
ロゴス
「Tradcanvas Tepee 2ルーム 300」(3万5970円)
フライは難燃性バルキーポリタフタで軽く、火の粉がかかっても燃え広がりにくいテント。焚き火など火を扱う機会が増える冬キャンプに安心です。(沖田さん)
名前のとおり、ポールを境に寝室とリビングに分かれるワンポールテント 。 インナーテントは300/155×130×H160cmで2名就寝も可能だが、日が落ちると気温がぐんぐん落ちてテント内に引きこもることが多い秋〜冬は、電気毛布とともにゆったりソロで利用するのが正解。
▲インナーテントを取り外せばシェルターになるし、ベンチレーターが優秀なのであたたかい季節も使いやすいテントに仕上げている
■寝袋
登山でもない限り-20℃対応 の寝袋は不要に思えるが、冬営業のキャンプ場がある北 海道・旭川の冬の最低気温は-20℃以下。-15℃、-20℃対応の寝袋が必要なキャンプシーンも当然あるのだ。
5. 新型ボックスキルトで-23℃まで対応
ナンガ
「レベル 8-23 オーロラライト」(9万4600円)
“レベル8”はミルスペック規格のレイヤリング(レベル1~7)のさらに外側を包む=寝袋と定義したことから。本気度がうかがえます。(沖田さん)
表地に、軽くて防水透湿素性のあるオーロラライトを採用した最高峰モデル。体にフィットするようなディファレンシャルボックスキルト構造によりダウンのもつ保温力を極限まで引き出している。快適使用温度-13℃/下限温度-23℃
■バーナー
ソロキャンプでは焚き火をしながら料理を楽しむスタイルが定番で、バーナーはカセットボンベ式を好む傾向が強い。コンパクトで安全装置付きなら室内での卓上調理にも使えると好評だ。
6. 内炎式のミニマルバーナー
アマダナ
「amadana カセットコンロ」(想定価格1万6800円)
※一般発売は2022年。11月中旬までGREEN FUNDINGにて先行予約受付中
耐熱スチールの五徳は使っているうちに色がつき、 自分のものになっ たと実感するはず。クロス型でマグカップを使えるのも実用的。(沖田さん)
安全装置付きにも関わらず26.5×16×H10.6cmという驚くほどコンパクトなカセットコンロが誕生した。バーナーは内炎式で高効率。
無駄をとことん省いた本体は、黒皮アルミダイキャストで幅広いキャンプスタイルにマッチする。重量約1.5kg。
■食器&クッカー
秋冬キャンプを楽しむうえで欠かせないのが、あたたかみのある食器と保温力の高いクッカーだろう。デザイン性の高さはもちろん、壊れずずーっと使えるサステナブルなものであることも重要。
7. サステナブルなククサ
ベアボーンズ
「ククサカップ」(4oz:2310円、7oz:2860円、14oz:3300円)
アカシア生まれなので軽く、持ち運びやすいククサ。容量は3種類で、一番大きな14ozは約410mlで具だくさんスープをいれるのにちょうどいい。4ozは118mlでショットグラスがわりに。(沖田さん)
北欧生まれのククサは本来白樺コブで作られてきたが、近年は白樺コブが貴重なものに。そこでベアボーンズでは伝統デザインを踏襲しつつ、持続可能な方法で調達された天然アカシアで作ったククサカップを発表。 天然ならではの木目が素敵だ。
8. へら絞りの小さな鉄鍋
ロゴス
「LOGOS 鉄の職人ダッチ」(9790円)
容量1.2Lでソロやデュオにぴったり。鉄は重いから嫌という人がいるけれど、このサイズと重量なら気にならないのでは。(沖田さん)
蓄熱性の高い鉄の性質をいかしつつ、へら絞りにすることで厚みを抑えた小さなダッチオーブン。蓋のハンドルはスタンドとしても活躍する。
油慣らし不要で手に入れた日から使えるのもいい。19×17×H16.5cm、重量1.8kg。
■ファニチャー
キャンプサイトのリビングを彩るファニチャーは、サイズ感がポイント。とくにソロ用の小さめテントやシェルターにこもる秋冬キャンプは、限られた空間でじゃまにならないことが重要だ。
9. ポール周りで使えて変幻自在
ogawa
「Arch Table(Wood top)」(2万1780円)
ポールがあってもレイアウトしやすいテーブル。たまには家族とキャンプをするなら、あと1~2組、手に入れてもいいかも。(沖田さん)
1台の天板にはポール用の穴をあけた2台セット。天板が台形なので長辺同士をつないで六角形にするほか、組み替えてV型や平行四辺形にもできる。もちろん単体で使ってもよし。1台分は68×37×H27cm、重量約2kg。
10. 超軽量でリクライニングOK!
ニーモ
「ムーンライト リクライニングチェア」(1万6500円)
生地とフレームの固定方法にひと工夫されていて、 姿勢や体の動きに素早く対応。 角度調節と相まって、 長く座っても疲れにくいチェアです。(沖田さん)
スターゲイズシリーズで定評のある強度と快適性を備えた、軽量コンパクトチェア。シームレスメッシュの座面は体の動きにあわせて形が変わり、長く座っても疲れにくい。ほどよいリクライニング機能を搭載している。
▲座ったままリクライニングできるストラップ。角度調節は無段階なので自然にくつろげる
11. アイデア広がる小さなスタンド
FEDECA
「バークランプランタンスタンド」(7480円)
テーブルにクランプで取り付けるので、サイトがスッキリ。縦方向にシェラカップを収納できるようになるのも気が利いています。(沖田さん)
4cm厚までの天板にクランプで取り付ける真鍮製ランタンスタンド。
ランタンスタンドではあるが、別売のリングを取り付ければシェラカップやドリッパーを乗せられるようにしてもよく使い方はアイデア次第だ。全長1mだが収納時は27cm。耐荷重1kg
■カスタム
他人とは違う道具がほしいけれど、使い勝手と価格、デザインを考えれば結局手にするのは人気アイテムになる。そのためキャンプ上級者がこぞって取り入れているのがプチカスタムするための道具たちだ。
12. 焚き火好き必携の難燃起毛カバー
オレゴニアンキャンパー
「コンパクトチェアカバー ファイヤープルーフ」(3960円)
新作は生地が厚手になって座り心地と保温性が高まっています。同素材でコットカバーやマットカバーもあるので焚き火好きは要チェック。(沖田さん)
毎シーズン完売必至の燃え広がりにくいチェアカバー。たっぷり空気を含む起毛素材な ので焚き火から遠い背中もあたたかいし、チェアを火の粉から守ってくれるといいことづくし。
今季はオレゴンの地形や迷彩柄など全5種類で、かけ変えるだけで気分も変わる。
13. 廃デッキでGOAL ZEROをドレスアップ
C&C.P.H.
「SKATE WOOD STAND」(3960円」
卓上で使うときに倒れにくくなるので安心して使えます。幾重にも重なっていた廃デッキの断面がそのまま模様になるアイデア製品。(沖田さん)
今やだれもが持っているほどの人気を誇るゴールゼロの「ライトハウスマイクロ」に取り付けるスタンド。スケートクルーのjoblessとC&C.P.H.とのコラボ商品。
廃デッキから作られており、同じものはひとつとしてない。底にマグネットが内蔵されていて吊るしても落ちない。
※2021年10月6日発売「GoodsPress」11月号56-59ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/大森弘恵>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/406326/
- Source:&GP
- Author:&GP
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