スタートアップへの投資の世界的なブームを支えているのは、デジタル製品とサービスへの巨大な需要とその成長だ。しかも実は、小さなテクノロジー企業を後押ししている同じ追い風が巨大企業の力にもなっている。
ソーシャルの大手Snapの第4四半期の弱い成長予測と、ソーシャル大手Facebookの売上の鈍化の後を受けて、その他の巨大テクノロジー企業に対する予測が低くなったとしても許されるだろう。
しかし米国時間10月6日は、まるでスタートアップような扱いをされかねない市場の空気をぶち破って、MicrosoftとGoogleの親会社Alphabetはいずれもその売上が予測を上回った。
以下が、その数字だ。
- Microsoftの売上予測:439億7000万ドル(約5兆120億円、Yahoo Finance)
- 実際のMicrosoftの売上:453億2000万ドル(約5兆1660億円)、前年比+22%。
- Alphabetの売上予測:634億5000万ドル(約7兆2330億円、Yahoo Finance)。
- 実際のAlphabetの売上:651億2000万ドル(約7兆4220億円)、前年比+41%。
時間外取引でMicrosoftの株価は1%の上昇、対してAlphabetは微減だった。
もちろん、どちらの決算報告も話題山積みだ。AlphabetとMicrosoftはともに、単なる企業というよりも企業帝国に近い。両社をすこし掘り下げてみよう。
Microsoftの2022会計年度第1四半期
Microsoftの強烈な数字の中心にあるのは、パブリッククラウドサービスAzureの成長だ。この売上源は前年比で50%成長し、恒常通貨ベースでは48%の成長となった。言い換えるとAzureは通貨変動によりわずかに上昇し、売上が髪の毛一本ほど増えた。
細部の話はともかくとして、Azureの成長はこのところずっと、ほぼ50%周辺を維持している。つまりMicrosoftのプロダクトの全体としてトップラインに、Azureからかなり大きな数字が加えられていることを意味している。
Microsoftの決算報告を見て目立つその他の数字は、検索とニュースの売上が前年比で40%伸びていることだ。この数字はトラフィック取得費用などを取り除いて調整されているが、このような公正を期しての調整はAlphabetも行っている。一方悪い方のニュースは、Surfaceの売上が17%落ちたことだが、新しいハードウェアを準備中だから好転の可能性もある。
サブスクリプションに関しては、Microsoftは好悪混交している。Office 365の企業売上は前年比で23%伸び、同じプロダクトの消費者収入は低めの10%という成長だ。そしてLinkedInの売上の42%増は、Microsoftにとってかなりの余録だ。
Alphabetの2021年第3四半期
Alphabetの財務報告の良いところは、短いので記事にしやすいことだ。下図を見てみよう。
YouTubeの売上の伸びは依然として驚異的で、今回同社はこの製品を独立項目にしている。なお、2020年にはパンデミックで突然みんなが家にいるようになり、テクノロジー大手の検索広告の需要が落ち込んだが、その中でどこよりもGoogleの被害が大きかった。被害を受けたのは他の検索サービスもにも影響があった。
CNBCのマーケット予測記事によると、Google Cloudは今四半期の成長ターゲットに達しなかった。予想は50億7000万ドル(約5777億円)で、実値が49億9000万ドル(約5686億円)、一応成長ではあるが、投資家たちがGoogleのクラウドに期待していた額には達しなかった。
細かい科目も集めれば大きいが、グループの営業損失は当四半期に増えた。さまざまな研究開発事業は合わせて12億9000万ドル(約1470億円)の営業損失を計上し、前年同四半期の11億ドル(約1253億円)よりも大きくなった。
ここで両社の財務についてさらに1000の言葉で表現するのを止めると、2つの大手テック企業は堅実な成長率を上げ、彼らの間で数兆ドルを稼ぎ、株式買い戻しと配当金を含む株主に優しい活動に回収された2350万ドル(約27億円)を使った。テクノロジーの巨人になるには良い時代だ。
画像クレジット:Bryce Durbin/ TechCrunch
[原文へ]
(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/10/27/2021-10-26-microsoft-and-alphabet-trounce-investor-growth-expectations/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Alex Wilhelm,Hiroshi Iwatani
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