信頼のA型フレームを並べるモンベル初の2ルームテントは“らしさ”全開!

【アウトドア銘品図鑑】

この秋、モンベルから初の2ルームテント「ムーンライト キャビン4」(9万7900円)が発売されました。

時代が移り変わり、現在の「ムーンライトテント」はキャンプ利用が多いテントですが、40年以上前に「日本の山で使うテント」として誕生しました。当時のカタログには「冬山用ではありません。5月、11月の思いがけない雪、稜線における強度、安定性は十分テストしています」「設計上の強度はあるけれどヒマラヤの高所に耐える強度が保証されるとは思いません」と記されています。

この正直なところが長くモンベルが支持される理由なわけで、「ムーンライト キャビン4」は、このテストを重ねた定評あるA型フレームを利用し、軽くて風に強く、居住性の高い2ルームに仕立てています。

 

■伝統のA型だが素材は最新

「ムーンライトテント」は昨年、素材を見直して大幅リニューアルを敢行しました。「ムーンライト キャビン4」も素材は最新。自在金具やペグなど細部にわたってこだわりが見られます。

▲収納サイズは70×27×H31cm、総重量13kg

モンベルのテントで13kg!?と驚くかもしれません。が、「ムーンライト キャビン4」はビッグな前室を持つ2ルーム。一般的な4名用2ルームテントは総重量が20kg前後のものが珍しくないわけで、そう考えると13kgは超軽量です。

▲インナーテントがトグルで吊り下げられている本体とフレーム、キャノピーポール

▲ペグは16cmのアルミVペグが21本。プラペグではなく実用的

ほかにペグとポールの応急補修用パイプが入っています。

ふたつ横に並べるようにして広げた本体のグロメットに本体フレームを取り付けます。フレームは新型「ムーンライトテント」に使用されているDAC社製。

「ムーンライトテント」はフック式ですが、この「ムーンライト キャビン4」は前後方向に伸びるセンターフレームのみスリーブに通します。全高213cmなのでフック式だと小柄な人は手が届きませんが、スリーブにしてA型フレームをレールに見立てて滑らせることで、簡単に天井が真上にいってくれます。

そして本体をフレームにフックで引っ掛けるのですが、ジョイント部分はジョイントパーツの下に引っ掛けます。これならフックがずれることなく、耐風性に一役買っていそう。

 

■前室はメッシュパネルとオーニング付き!

親子4人で眠れるインナーテントと、奥行き300cmの大きな前室を搭載した家族のための2ルームテントです。前室は3面が大きく開放でき、しかもメッシュパネルもついていて環境にあわせて使い分けられそう。

▲使用サイズは275×580×H213cm

区画サイトに無理なく収まる2ルームテントです。前室のパネルはモンベルらしいまっすぐ伸びるファスナー付き。テントの形に沿った弧を描くファスナーが多いのですが、垂直ファスナーは開け閉めしやすいし、カーテンみたいに大きく左右に開くことも片側だけ開けることもできて、なかなか使い勝手がいいんです。

それに張り綱は光に反射するので夜の視認性がよく、うっかり引っかかるのを防ぎます。

天井には適度な間隔でループが付いていて、LEDランタンを引っ掛けるのに便利。夏は超軽量タイプの扇風機を吊るしてもいいかも。

3面メッシュで視界広々! リビングはチェア4脚が入ります。別売のグラウンドシートは前室にもぴったりなので、小さい子がいるファミリーに人気のお座敷スタイルとしてもいいですね。

▲インナーは250×210cm。左右の壁は垂直に近い角度です

インナーテントは左右にメッシュ窓あり。大きめの三角窓で、外側にはキャノピーが張り出しているので雨の日でも無理なく換気できます。フライシートで地面までカバーされているわけではないので横風が強い日はメッシュ窓から雨が降り込むかもしれませんが、そもそも強風+大雨でのキャンプはどんなテントであっても危険なので撤退してください。

▲付属のキャノピーポールでパネルを張り出してリビングを拡張

また夏は、インナーテントを取り外してシェルターにして、コットで眠るなんてこともステキですね。

*  *  *

「ムーンライト キャビン4」は、「登山の際、みんなが集まるベースキャンプ的なモノをキャンプでも!」という狙いもあって開発されたそうで、前室の両側には、新型「ムーンライトテント4型」、旧モデルの「ムーンライトテント7型」をぴったり接続できます。3世代キャンプもこれなら無理なくできるし、釣りやカヌー&SUP、自転車といった遊び道具を置くスペースが十分なので、アクティブな家族にも使いやすいテントになっています。

>> モンベル

 

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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