米アマゾンがPayPalと提携、2022年からVenmoでも支払い可能に

PayPal(ペイパル)は米国時間11月8日、Amazon.comが2022年から、米国ユーザーの精算にVenmoオプションを追加すると発表した。そのニュースとともに、オンライン決済大手の同社は、第3四半期に前年同期比13%の増収という堅調な業績を発表した。

Amazon(アマゾン)の利用者は2022年中に、Amazon.comとモバイルショッピングアプリのいずれで購入した商品についても、自分のアカウントを人気のモバイル決済サービスにリンクさせることができるようになる。

「当社の顧客が、Amazonでの買い物の方法に選択肢と柔軟性を求めていることは理解しています」とグローバルペイメントアクセプタンス担当ディレクターのBen Volk(ベン・ボルク)氏は声明で述べた。「Venmoと提携し、顧客がVenmoアカウントを使って支払いができるようになり、Amazonで新しい支払い方法を提供できることをうれしく思います」。

この取引が双方にとって有益であることは間違いない。PayPalによると、同社のユーザー数は現在、米国内だけで8000万人を超えている。同社はまた、最近行われた社内の「行動調査」を引用し「Venmoユーザーの65%が、パンデミックの間にオンラインでの購買行動が増えたと答え、47%が加盟店で精算する際にVenmoで支払うことに興味を持っている」と指摘する。

問題は、これまで何の支障なくクレジット決済に頼ってきたAmazonのユーザーが、このサービスをどれだけ利用するのかということだ。Amazonでは現在、クレジットカード、デビットカード、ストアカード、当座預金、HSAやFSA、EBTカードなどの支払い方法が用意されている。だが支払い方法としてPayPalをサポートしていないため、Venmoが加わったことはPayPalにとってうれしい勝利だといえる。

広く言えば、PayPalがもうすぐAmazonへ組み込まれると、多国籍電子商取引企業であるAmazonに、待望した暗号資産(仮想通貨)という先進的な一面をもたらす可能性がある。

PayPalは3月、米国の消費者が何百万ものサイトで暗号資産による支払いができるようになると発表した。一方、Venmoは最近、Venmoクレジットカードを使って買い物し、そこで得たキャッシュバックを利用して暗号資産を購入できる新機能を用意し、暗号資産への対応を拡大した。

しかし、それは現時点では現実というよりもビジョンにとどまっているのかもしれない。Amazonは、デジタル通貨とブロックチェーン技術の責任者を募集しているが、最近では、支払いに暗号資産を受け入れる計画についての噂を否定した。PayPalは、TechCrunchへの声明で、Venmoが暗号資産に全面的に対応しているわけではないことから、今後の提携に暗号資産は含まれないと示唆した。

「本日の発表は、米国におけるVenmoの顧客が精算時にVenmoで支払えるようにするためのものです。今後もこの関係を発展させていきたいと考えていますが、現時点ではこれ以上お伝えできることはありません」と同社は声明で述べた。

画像クレジット:Venmo

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(文:Brian Heater、Natasha Mascarenhas、翻訳:Nariko Mizoguchi


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