世界中のアート作品を取り扱うマーケットプレイス「Artprice」で、匿名アーティストのPakがひとつの作品をNFTとして数万人のコレクターに販売。販売総額は9,180万ドル(約104億3500万円)にのぼりました。
NFTでアート市場の課題を解決
「ひとつのアート作品を、集団で購入する」というアイデアは古くからあり、さまざまなスキームやフォーマットで楽しまれてきました。その一方で、自分が持っている「シェア(アート作品の一部分)」をどうやって他の人に販売するかという問題は、常にネックとなっていたようです。
しかし、アート作品専門のマーケットプレイスであるArtpriceは、NFTを活用すればこの課題は解決できると考えました。匿名のアーティストPakは、48時間というセール時間をあらかじめ設定し、大量のアート作品のユニット(一部分)を売り出したのです。
「The Merge(合併)」と題されたその作品は、数十万個ものユニットをひとつに集合させると、世界一有名な絵画ともいわれる「モナ・リザ」に似たイメージが浮かんでくるという仕様になっています。そして、これらのユニット一つひとつは、すべてNFTとしてブロックチェーン上で個別に即座に販売することができます。
29000人のバイヤーが購入
48時間におよぶセールの結果、合計で266,445個の「ユニット」が、29,000人の異なるバイヤーによって9,180万ドル(約104億3500万円)で購入されました。1ユニットあたりの平均価格は316ドル、バイヤー1人あたり平均9個のユニットを購入したことになります。
Artpriceによると「このセールは、アーティストが巨大なデジタル作品を作るために集めた『コミュニティ』といえます。その中では誰もがいつでも自由にシェア(ユニット)を転売することができます」。
Artpriceの運営会社であるArtmarket.comのCEOティエリー・エールマン氏は「ブロックチェーンとNFTのおかげで、アートを適切に証券化することがようやく可能になりました。NFTのように非代替性を持つトークンは、作品のシェア(一部分)を取得するための無限の可能性をもたらします。これは、アート市場における真のパラダイムシフトを意味します」とコメントしました。
(文・Takeuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/168890
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:takeuchi
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