【2021年人気アイテム総まとめ】
2021年は在宅ワークや外食の自粛などで自宅で過ごす時間が増え、言うところの巣ごもり需要で、幅広い世代で久々にプラモデルを作ってみようという人が増えました。ジャンルもスケールモデルからキャラクターモデル、ミニ4駆からラジコンまで多岐にわたっており、一部商品は常に品薄状態が続いている状況です。
スケールモデルを見た場合でも飛行機、AFVモデル、艦船モデルそれぞれが活性化しているといった印象ですが、中でも飛行機モデルの新製品が注目を集めました。あえて言うなら、2021年はF-4ファントムイヤーだったように思えます。
2021年3月に航空自衛隊のF-4ファントムが退役したこともあり、ファインモールドから新規設計の1/72スケールのF-4EJ改をはじめ、F-4のバリエーションモデルが続々と登場。中でもラストフライトの派手なスペシャルマーキングのEJ改は大いに人気を集めました。また同時期に造形村が1/48スケールの新規金型で「F-4EJ改ファントムII ファントムフォーエバー2020」を発売。こちらも大人気となりファントムの退役に華を添えました。
さらに7月にはタミヤから1/48でF-4B(ショートノーズと呼ばれるアメリカ海軍仕様)が発売になり、こちらも大きな話題となりました。2021年はF-4イヤーだったと言っても過言ではないでしょう。
またタミヤからは、12月に1/48スケールでF-14Aトムキャット(後期型)発艦セットが登場。
2016年に発売されたF-14Aのバリエーションキットですが、主翼パーツ等が新規パーツとなり、デッキクルーフィギュア追加され、空母からの発艦シーンを再現できる情景モデルとなっています。
F-14といえば、2021年は映画『トップガン』の続編『トップガン・マーヴェリック』が公開されるはずでした。劇中ではF/A18スーパーホーネットが登場、映画公開に合わせて劇中仕様のモデルがRevell社から発売されましたが、映画公開が2022年5月に延期されてしまったため、キットが先行してしまいました。映画が公開されれば、改めてF/A18スーパーホーネットが注目を集めることは間違いないでしょう。
振り返ると、2021年はF-4ファントムのみならず、海外メーカーの新製品が次々と登場した1年でした。これまでモデル化されていないマイナー機や試作機、実験機なども登場して、飛行機オタクとしてはうれしいかぎりです。それら新製品の中から、斜め視線で選んだ飛行機好きにオススメのキットを5つ紹介します。
1. AFVと組み合わせてジオラマを楽しめる!
ボーダーモデル
「1/35 メッサーシュミットBf109G-6」(ハセガワ扱い:9130円)
飛行機モデルは1/72、1/48、1/32といったスケールサイズが一般的ですが、本キットは1/35スケール。つまりAFVモデルでお馴染みのスケールとなっています。戦車モデルやフィギュアと組み合わせることが可能となり、ジオラマ(情景モデル)として楽しむ幅が広がったモデルとなっています。
エンジンの精密再現や、リアルなレジン製のフィギュアが付属(パイロットや整備員等があり、購入するまでどのフィギュアが入っているかわからない)していることからも話題になりました。2022年は第2弾として1/35スケールでユンカースJu-87スツーカの発売も決定しました。
>> ボーダーモデル「1/35 メッサーシュミットBf109G-6」(ハセガワ)
2. I LOVE 可変翼
イタレリ
「1/32 トーネードGR.4(パイロット人形付き)」(タミヤ扱い:2万1780円)
可変翼機はトムキャットだけじゃない! というワケで、個人的にお気に入りの可変翼マルチロールファイター。イギリス、イタリア、ドイツ、サウジアラビア各空軍で使われていました。特にイギリス空軍の機体は湾岸戦争やデザートストーム作戦で実戦にも参加。角ばった胴体に巨大な垂直尾翼と可変翼という無骨なスタイルが魅力です。イタレリが1/32スケールで新規設計でキット化。国内販売モデルは、イタレリと提携しているタミヤ製のオリジナルパイロットフィギュアが付属しています。
>> イタレリ「1/32 トーネードGR.4(パイロット人形付き)」(タミヤ)
3. 男だったら二重反転プロペラ機!
クリアープロップ
「1/48 XA2D-1スカイシャーク」(ビーバーコーポレーション扱い:1万4080円)
XA2D-1みたいなマイナーな試作機がインジェクションモデル(一般的なプラモデルのこと)で登場! それも1/48で! 正直感涙ものです(個人的感想)! それはさておき、キットは朝鮮戦争とベトナム戦争で活躍したA-1スカイレイダーの後継機として開発された機体でターボプロップエンジンに二重反転プロペラを装備した艦上攻撃機です。
性能的には悪くなかったんですが、ターボプロップエンジンのトラブルの多さや、ジェット化が進む海軍機の中にあっては時代遅れ感は否めず、採用に至りませんでした。でも二重反転プロペラは男のロマン!
>> クリアープロップ「1/48 XA2D-1スカイシャーク」(ビーバーコーポレーション)
4. 地味だけどカッコ良いCOIN機
ICM
「1/48 OV-10Aブロンコ」(ハセガワ扱い:6490円)
ベトナム戦争で活躍したアメリカ海軍・海兵隊陸軍のCOIN機(敵対するゲリラ組織の人員や建物・車両を標的とした軽攻撃機の一種)です。双胴双発、対地攻撃のための大きなキャノピーなど、なかなかにカッコ良い機体なのに、なぜかキットには恵まれず…。今の目で見るといささかディテール等が辛い1970年代に発売された古いものばかりでした。しかし、ICMがやってくれました! 1/48スケール完全新金型でキット化! すでにバリエーションモデルの発売もアナウンスされており、今後が楽しみです。
5. カスピ海の怪物がプラモデル化
タコム
「1/144 ルン級エクラノプラン」(ビーバーコーポレーション扱い:8250円)
えー、ルン級エクラノプラン…。飛行機でもなく、さりとて船でもない。何かといえば、旧ソ連で開発された地面効果翼機 (WIG)です。水面上を高度15メートル前後で飛行。それによって得られる地面効果を利用することで、時速200~500Km以上という高速での大量輸送を可能とした、ぶっちゃけキワモノです(笑)。主にカスピ海に配備されていたので“カスピ海の怪物”と呼ばれています。機体は全長73.8m、翼幅44mもあるので、キットは1/144ですが完成すると50センチ近くに。背中のミサイルポッドがいかにもソ連らしくてカッコ良い!
>> タコム「1/144 ルン級エクラノプラン」(ビーバーコーポレーション)
<文/長谷川迷人 写真協力/モデルアート>
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中。
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/422866/
- Source:&GP
- Author:&GP
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