良作を見極めるのが重要!2021年に登場した20万円以下の機械式腕時計5選

【2021年人気アイテム総まとめ】

正直言うと、この価格帯は非常に難しいポジションにある。というのも、多くの時計ブランドが材料費や人件費の上昇を理由に、商品価格を上げており、層が薄くなっているのだ。

さらには時計ユーザーの消費傾向も「どうせだったら良い時計を買おう」という意識があって、日本市場における時計の平均購入価格帯はかなり上昇中である。しかもこの価格帯は、スマートウォッチの猛攻も受けている。

だから“20万円以下の機械式時計”というゾーンは、かなり手薄なのだ。では良作は存在しないのか? それもまた間違いだ。成熟しきった日本市場では高額時計が売れるが、世界を見ると今でもここがボリュームゾーン。

機械式時計となると、自国でムーブメントを作ることができるスイスと日本のブランドしか選択肢はないが、歴史と伝統を持ったブランドが、しっかりと揃っている。安易にスマートウォッチに流れるのではなく、きちんと良作時計を選ぶ。それがちょっとした贅沢なのだ。

■自社製ムーブメントを搭載するモダンウォッチ

シチズン
「シリーズエイト」831 Mechanical
13万2000円

2021年にリニューアルされ、より都会的なルックスとなったシチズン「シリーズ8」は、全て機械式ムーブメントを搭載するようになった。実はシチズンは、長年ムーブメントを作ってきたマニュファクチュール。

その技術を投影したCal.9051は、耐磁性能を備えた、実用的なムーブメントになっている。「シリーズエイト」831 Mechanicalの8角形ケースの力強いデザインは、かなり存在感があり、アクセサリー的に楽しめる時計だ。

▲自動巻き、SSケース、ケース径40mm

 

■日本の美意識が詰まっている

セイコー
「プレザージュ  Sharp Edged Series SARX077」
11万円

日本の時計産業をリードしてきたセイコーは、重要素材のヒゲゼンマイまで自社製造できるという、かなり珍しいマニュファクチュール。そのため機械式モデルの入門機であっても、十分に高い性能を享受できる。

「プレザージュ  Sharp Edged Series SARX077」は、日本の伝統美をデザインに取り入れており、ダイヤルには成長や出世の象徴である“麻の葉模様”を表現。ダイヤルカラーには、伝統色である「藍鉄」を採用。メイド イン ジャパンの誇りを楽しむ時計だ。

自動巻き、SSケース、ケース径39.3mm

 

 

■流行りのラグスポだって手に入る

ティソ
「ティソ PRX オートマティック」
8万5800円

1970年代に誕生したラグジュアリースポーツウォッチの流れを汲むモデルで、1978年に誕生したオリジナルモデルを現代的に再解釈したもの。シャープな造形のケースと連続するように、ブレスレットが繋がるデザインには、タイムレスな魅力がある。

最長80時間連続駆動の高性能な自動巻きムーブメントを搭載しつつ、ケース厚は10.93mmと控えめ。そのためカジュアルスタイルはもちろんのこと、シャツの袖口にもすっと馴染んでくれる。

▲自動巻き、SSケース、ケース径40mm

 

 

■マスターピースが現代的に進化

ハミルトン
「カーキ フィールド メカ ブロンズ」
10万5600円

1960年代に生まれたミリタリーウォッチの王道にしてマスターピースの「カーキ フィールド メカ」に、ブロンズケースモデルが誕生。銅を主体とする合金であるブロンズは酸化しやすく、変色して独特の風合いが生まれるので、自分の好みに時計をエイジングさせていく楽しみもある。

ストラップもレザー製なので、使うほど味わいが増す。ハミルトンのための専用ムーブメントCal.H-50は、80時間も連続駆動する高性能仕様だ。

▲手巻き、ケース素材:ブロンズとチタニウム、ケース径38mm

 

■スイスブランドらしい色気がある

レイモンド ウェイル
「マエストロ」
19万2500円

時計師レイモンド・ウェイルによって、1976年に設立されたスイスブランド。音楽をコンセプトとするデザインを得意とし、このモデルはチェロ奏者ルイジ・ボッケリーニの出身地イタリア・ルッカの美しい街並みをイメージしたコッパー(銅色)ダイヤルが特徴。

ダイヤルの12時位置には小窓があり、チクタクと時を刻むムーブメントの精密な動きをいつでも鑑賞できる。手元に華やかな雰囲気を作ってくれる時計だ。

▲自動巻き、SSケース、ケース径39.5mm

 

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<文/篠田哲生>

篠田哲生|男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで、多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。

 

 

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