「思わず開きたくなる営業メール」の制作を支援するDyspatch

Dyspatchのマット・ハリスCEO(画像クレジット:Dyspatch)

マーケターの中には、より多くのお金を稼ぐためには、より多くのEメールを送らなければならないと考える人がいる。Dyspatch(ディスパッチ)の創業者でCEOのMatt Harris(マット・ハリス)氏は、これを「Eメールの法則」と呼んでいる。

「結局、そうしたEメールすべてが、開封エンゲージメント率の低下を招いています」と同氏はTechCrunchに語った。「さらに、Eメール中心ではない新しい世代が社会人になっています。彼らはそもそもEメールの使い方から学ぶ必要があります」。

ほとんどのマーケターは、Eメールマーケティングに関する研修を受けておらず、むしろ実地で学ぶスキルになっていると同氏は付け加えた。時が経つにつれて、人々は自分でデザインし、自らが使うEメールシステムにコードの行をコピー&ペーストするようになった。

Eメール配信のためのツールやリソースが複数登場し、それが課題となった。なぜなら、人々はさまざまなEメールシステムの使い方を学ばなければならず、また、頼るコードが常に機能するとは限らないからだ。

ハリス氏は、2018年にSendwithusというソリューションからスタートした。これはEメール領域における開発者向けの製品だった。その後、同氏とそのチームはEメール制作が大きな問題であると認識し、Eメールのデザインにドラッグ&ドロップのアプローチをもたらすためにDyspatchにピボットした。同社のEメール制作ツールは、基本的に、Eメールをうまくデザインしている人たちからヒントを得て、それを広く利用できるようにしたものだ。

Dyspatchは、Google(グーグル)のAMP for Emailを活用し、AMPメールの要素を非技術系ユーザーでも簡単に実装できるインタラクティブなメール製品「Apps in Email」を2021年発表した。

このツールは現在300社以上の顧客に利用されている。その中にはCanva(キャンバ)も含まれている。同社はAMPメールを利用してコメント返信通知でエンゲージメントを高めている。

「Dyspatchは、私たちのチームがEメール制作に費やす時間を大幅に削減し、コンテンツ制作の規模を拡大することを可能にしました」とCanvaのライフサイクルマーケティング担当グローバルヘッド、Megan Walsh(ミーガン・ウォルシュ)氏は声明で述べた。「私たちは週に20通以上のEメールを制作しています。このプラットフォームは、エンジニアリングの努力なしに、すべてのEメールがブランドに則り、ローカライズされ、すぐ答えが返ってくることを保証してくれます。また、AMPコメント返信メールにインタラクティブ性を持たせることもできました。Dyspatchチームは、このプロジェクトにとても協力的で、ユーザーにも大好評でした」。

Dyspatchの予約デモ(画像クレジット:Dyspatch)

Dyspatchはすでに、フル機能のインタラクティブAMPメールキャンペーンを経て、ブランドのEメールエンゲージメントが500%、Eメールコンバージョンは300%増加することを証明することができるとハリス氏は述べている。

同社は現在、新規顧客の増加をサポートするために、市場開拓チームと技術チームの規模を拡大する段階にあり、そのために600万ドル(約6億8400万円)のシード資金を調達した。Gradient Venturesがこのラウンドをリードし、Initialized Capital、Baseline Ventures、Blue Run Ventures、Scott Banister、VanEdge Partnersが参加した。Dypatchとって今回が初めての資金調達だが、前身の会社と合わせて合計1100万ドル(約12億5400万円)を調達した。

また、Dyspatchは今回の資金調達により、Oracle EloquaやSalesforce Marketing CloudなどのEメールサービスプロバイダーとの連携をさらに進め、ユーザーがどのリソースを使ってEメールを送信しても、シームレスなメールワークフローを確保できるようにする予定だ。

同社は、このアプリをどれだけの人が使っているかを重視している。顧客数はこの1年で2倍以上に増えた。ハリス氏の目に映る繰り返しのパターンの1つは、顧客が毎年戻って来て、さらにユーザーを増やす動きだ。例えば、ある有力顧客は、契約初年度に当初10席のユーザーシートを購入したが、半年でそれを10倍に増やした。

今後は、サードパーティに技術を開放し、Eメールでのカレンダー予約など、顧客から要望のあった機能を構築していく。

「今は、アプリ、アンケート、承認アプリのビルディングブロックを構築していますが、私たちのDNAはエンジニアリング会社ですので、サードパーティが私たちのマーケットプレイスでアプリを構築できるようにしたいと考えています」とハリス氏は付け加えた。

原文へ

(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi


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