りんご収穫ロボットを復活させるために、Abundantの新オーナーがエクイティクラウドファンディングを計画

2021年夏、ヘイワードに拠点を置くAbundant Robotics(アバンダント・ロボティクス)は、突然閉鎖してしまった。多くのスタートアップ企業が失敗しているが、これは難しいことで知られるロボット工学の世界にも当てはまる現象だ。しかし、新型コロナウイルス感染流行は、この2年間で、特に従業員の補充が難しい農業のような分野を中心に、ロボット関連企業の資金調達に恩恵をもたらした。

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明らかにWavemaker Labs(ウェーブメーカー・ラブズ)は、同社のりんご収穫技術に可能性を見出していた。Miso(ミソ)やFuture Acres(フューチュー・エーカーズ)といったロボット関連のスタートアップに関わったこの投資会社は、2021年10月にAbundantの知的財産を買い取った。TechCrunchでは当時、Future Acresにこの技術が統合される可能性が高いと指摘した。しかし現在、Wavemaker LabsはAbundantブランドを再構築する準備に取りかかっているようだ。

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MisoとWavemakerの両方を設立した(両社のCEOでもある)Buck Jordan(バック・ジョーダン)氏は、新たに復活したAbundanceのCEOを務めることになった。また、Piestro(ピエストロ)の共同創業者であり、MisoおよびWavemakerのCFOであるKevin Morris(ケヴィン・モリス)氏は、新会社でもCFOの役職に就く。2人は「業界のリーダーたちと協力して、残りの経営陣を構築しているところだ」と述べている。

これらの要素がほぼ揃ったところで、次のステップは資金調達、特にエクイティクラウドファンディングとなる。Abundanceは2000万ドル(約23億円)のシードキャンペーンを実施するために、WAXと話し合っている。2022年の10月まで行われるこのキャンペーンから得た資金は、Abundantの既存の知的財産を利用した新しいりんご収穫ロボットの開発に使用されるという。

画像クレジット:Abundant Robotics

「私たちが『資金使途』に記載されている上限額を調達できた場合、買収した広範な製品開発の取り組みを用いて、ロボット工学者とエンジニアリングの専門家で構成される当社のチームが、まずはデモやパイロット用の完全に機能するプロトタイプを構築します。その後は商業的な予約注文を受けて、最小単位の製品の生産を開始します」と、ジョーダン氏はTechCrunchに語った。「今回の資金調達で、私たちは製品計画の実行にともない、市場の牽引力や企業とのパートナーシップを生かすことができるため、この事業のためにさらなる追加資金を調達する必要はないと考えています」。

Wavemakerは、明らかにAbundantのブランドにも価値を見出している。6年前に設立されたこの会社は、最終的に市場に適合するものを見つけることはできなかったものの、約1200万ドル(約14億円)の資金を調達し、急成長中の農業ロボット分野でそれなりに高い知名度を獲得した。今回の新たに復活した体制では、以前のシリーズAで調達した金額の2倍に近いシードラウンドを実施して、事業を始めようとしている。計画通りに進めば、Wavemakerが2021年買い取った知的財産の現金と合わせて、かなりのランウェイを確保することになる。

「私たちは、Abundant Roboticsがこれまでに開発してきたコンピュータビジョンや機械学習などの画期的な技術に大きな価値を見出しましたが、そのプロトタイプは過剰に設計されており、製造コストも高かった」と、ジョーダン氏は語る。「買収した知的財産、ソフトウェア製品、そして製品を納得のいくコストで市場に投入する方法を知っている実績あるチームを活用して、私たちは現在の製造コストの数分の一で完全に機能するプロトタイプを再設計し、事業開発と財源確保を行うために、今回調達する資金を使用する予定です」。

画像クレジット:Abundant Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)


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