JALとHafHの「航空サブスク」がもたらす効果とは?実証実験レポート公開、第2弾も計画中

定額制宿泊サービス「HafH(ハフ)」を展開する株式会社KabuK Style(以下、KabuK Style)と日本航空株式会社(以下、JAL)および株式会社ジャルパック(以下、ジャルパック)は、2021年8月~11月の期間で「航空サブスクサービス」実証実験を実施しました。

そしてこのたび、同実験のレポートとして、検証で得られた知見を公開。あわせて、2022年中に実験第2弾を実施する計画があると発表しています。

世界中の宿1000拠点以上に定額で宿泊

まずは「HafH」について簡単に紹介しておきましょう。

同サービスは、厳選された世界中の宿に定額で泊まれるサービス。月額2980円から、ライフスタイルに合わせて選べる5つのプランを展開しています。

ユーザーは、プランごとに付与されるコインを使って好きな部屋を選択可能。たとえば、月に1泊までの月額2980円プランでは毎月50コインが、月に10泊までの月額3万800円プランでは毎月750コインが付与されます。

プランによってひと月の宿泊可能回数は異なり、月の上限宿泊数に達しなかった場合は1回の宿泊あたり50コインが還元される仕組み。コインを貯めて豪華な施設に宿泊することもできます。

宿泊できる施設は、2021年11月末時点で日本・香港・米国・モルディブ・インド・ドイツ・スペインなど、36の国と地域の569都市・1010拠点(国内770拠点、海外240拠点)まで拡大しました。

3往復分の航空券と3泊分のホテルをサブスクで

そんな「HafH」を展開するKabuK StyleとJAL、ジャルパックが「航空サブスクサービス」の実証実験を実施。

「HafH」会員500名を対象に、羽田発着10路線の往復航空券+指定ホテル1泊分を3ヶ月間のうち最大3回まで利用する権利を3万6000円(税込)で販売しました。

対象路線は新千歳・山形・南紀白浜・長崎・那覇など。1区間あたり通常の50%のフライトマイルがたまります。また、HafHの登録プラン内の滞在可能枠内であれば、希望の滞在期間に応じた延泊が可能。なお、1回のリクエスト予約(1往復+1泊)でHafHのコインを100消費します。

約4割が行き先をまったく決めずに購入

同実験は、ワーケーションなどライフスタイルが多様化するなかで同じく多様化する顧客ニーズ、それに応えるサービスの多様化といった“多様化のスパイラル”を捉え、宿泊と航空需要を拡大させていくことで観光業や地域の活性化に寄与することを目的として実施されました。

結果、いくつかの効果を確認。まずは、航空機搭乗者層の中央値が50~54歳といわれるなか、20~30代の参加者が多かったことから、若年層の利用促進に効果があるものと考えられています。

次に、旅の目的が“観光”だけに絞られないことも判明。参加者の82%が目的を“観光”としながらも、ワーケーションが50%、ビジネスが16%など「観光+仕事」という人が半数以上いたようです。なお、参加者の68%が会社員でした。

そして興味深いのが、41%の参加者が購入時に行き先をまったく決めていなかったことでしょう。3回の往復航空券がセットになっていますが、購入前に3回全部の行き先を決めていた参加者は20%にとどまりました。

また、75%の参加者が申込時には予定していなかった地域へ旅行したというデータも。行き先を決めずに購入した参加者が約4割いたことも関係しているのでしょう。結果、行き先の分散が確認されています。

これらの結果から「航空サブスクサービス」には、航空機利用者層の拡大、多様化するライフスタイルへの対応、行き先分散による地域活性化などへの効果が期待できると言えるでしょう。

PR TIMES(1)(2)(3
「HafH」サービスサイト
「航空サブスクサービス」特集サイト

(文・Higuchi)


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