非公開の哺乳類の標本を自由な角度から閲覧! 国立科学博物館、剥製3Dデジタル図鑑を公開

国立科学博物館は、大型哺乳類を主とする「ヨシモトコレクション」の剥製3Dモデルと、生物種のさまざまな情報を図鑑のように閲覧できる「剥製3Dデジタル図鑑 “Yoshimoto 3D”」 を公開しました。

学術的価値が高いコレクションの情報を集約

国立科学博物館収蔵の「ヨシモトコレクション」は、ハワイの実業家、故ワトソンT.ヨシモト氏より寄贈された世界的規模の標本コレクション。

高度な技術で作成された約400点の動物剥製を中心に、採集が難しい地域の動物種や、採集時の詳細な記録を多数含むことから、学術的価値が高いと言われているようです。しかし、その多くは収蔵庫に収められているため、展示室で見ることはできません。

そこで、国立科学博物館は同コレクションの中から、これまでに作成してきた23点の哺乳類の剥製3Ⅾモデルについて、その剝製標本としての情報と生物種としての情報を集約。

Web上で閲覧可能な「剥製3Dデジタル図鑑 “Yoshimoto 3D”」を開発し、このたび正式に公開しました。

非公開の剥製3Ⅾモデルとその情報を公開

Yoshimoto 3Dは、剥製3Ⅾモデルそのものだけでなく、図鑑のように閲覧できる多数の情報と、各動物種を比較や検索可能なインターフェースを備えています。

動物の剥製3Ⅾモデルを閲覧できる「3Dモデルビューアー」では、動物の全身を表示。動物の股関節、膝関節、足首の位置を番号で示しているので、ほかの動物と体の構造を比較しやすいでしょう。

また、スマートフォンやタブレット、パソコンで、回転移動や水平・垂直移動などが可能。普通は見られない自由な角度と距離から剥製3Dモデルを閲覧することができます。

そのほか、剥製標本としての詳細や、その生物種としての分布や特徴、絶滅危惧種なのか否かといった情報を、ひとつのページのなかでまとめて掲載しています。

さらに、剥製一覧では、名前や大きさ、採集された時期などで並び替えや検索ができることから、3Dモデルだけでなく、情報もさまざまな角度から捉えられるとのことです。

動物をより深く知るきっかけに

Yoshimoto 3Dは、動物の体形や体色、大きさなどに興味を持った人が、より深く動物について理解するためのきっかけを提供したいと考えているようです。

また、標本の採集時期・場所の詳細、学名命名の基準となった標本の産地や、生物種としての分布、生物集団としての減少や増加の傾向、絶滅危惧種か否かなどの情報は、動物の分類や、生物多様性を研究する材料になるでしょう。

さらに、本サイトを起点として、ほかのデータベースへの導線を設け、より多くの多様な生物情報データベースにアクセスできるようにしているといいます。

国立科学博物館は「今後も、本サイトでは、剥製3Dモデルの拡充や、新たな生物情報の収集と公開など、情報と機能の追加をしてまいります」と語っています。

PR TIMES
剥製3Dデジタル図鑑“Yoshimoto 3D”

(文・Haruka Isobe)


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