長らくキャンパーにとっては身近ではあるものの、今ひとつ主役になりきれなかったホットサンドメーカーですが、コロナ禍で一躍人気者に。2022年になってもその勢いは衰える気配はありません。
ところが、目が肥えたキャンパーにとって伝統的な直火式ホットサンドメーカーへの不満も出てきました。
もっとも頭を悩ませるのがハンドル問題です。
長いハンドルは収納時の邪魔になるし、五徳に載せたときに安定しません。かといってハンドルが短いと素手で持てず、それも不便だし。そうそう、開いたときに勝手に閉じちゃうのも困ります。
こうした、ホットサンドメーカーに対するキャンパーの熱い思いからついついあふれ出ちゃう不満を耳にしたSOTOが、2022年春より発売するのが「ミニマルホットサンドメーカー」(6600円)です。いったいどんな製品に仕上がっているのでしょうか。
■ST-310といっしょに持ち運べる
キャンパーを悩ますホットサンドメーカーのハンドル問題は、折りたたむことで解消しています。折りたたみハンドルの元祖とも言えるスノーピーク「トラメジーノ」が横方向にスライドしているためでしょうか、ほかのホットサンドメーカーでも横方向に開くものが多いのですが、「ミニマルホットサンドメーカー」はあえて上下に開く構造を選んでいます。
▲収納サイズは136×192×H53mm、重量約630g
SOTOのシングルバーナー「ST-310」よりやや大きいですが、「ST-310」専用収納ケース「アシストポーチ」(φ150×55mm)と重ねて持ち運びやすいサイズに仕上がっています。
たたんだハンドルを上下に開く構造を選んでいるおかげで、ハンドルはすっきりしたワイヤー型となっています。
▲使用サイズは136×339×H39mm
たたんだハンドルを左右に広げるようにすることでロックが解除されます。伸びきったところで再びロックされる機構で、いちいち操作するわずらわしさはなし。
軽いワイヤーハンドルなので、長いハンドルを持ちつつもバランスを崩しにくい! パンを挟まない状態で「ST-310」に載せてもこのとおり、ひっくり返ることはありません。
また、外側には小さなポッチがついてて、これが「ST-310」の五徳とマッチしてずれ落ちにくくなっています。
焼き面を分離できるんですが、片方だけの状態でもバランスがいい。これはうれしい設計です。
もうひとつの“わかってるなぁ”という機能は、大きく開いてその状態をキープできること。ホットサンドメーカーの中には、具を載せようとしたときに上の焼き面を持っておかないと勝手に閉まっちゃうものがあります。そうなると片手はハンドルを持たなければならず、これが地味にストレスの原因となりますからね。
「ミニマルホットサンドメーカー」は大きく開き、「ST-310」であれば片側ハンドルがテーブルに届いたところでピッタリ止まり安定感抜群。落ち着いて作業できるんです。
■分離式のイライラとは無縁
分離式のホットサンドメーカーはすでにいくつかあります。ミニフライパンとして使えてとっても便利なんですが、一方で合体させるのが面倒なものが多い! 焼き加減を見ようと開いたとき、ふとした拍子に分離してしまうと目も当てられません。熱々だと細かな角度調整をしづらくイラッとしちゃうんです。
「ミニマルホットサンドメーカー」はこのあたりどうなっているのでしょう。
▲多くのホットサンドメーカーが採用している、輪っかに横棒を通すスタイル
たいていの場合、決まった角度でなければ横棒を通せません。この角度探しが面倒なのですが、「ミニマルホットサンドメーカー」は180度。水平に開いてスライドさせるので思った以上にスムーズに合体させられました。
■焼き面はアルミダイキャスト
ハンドル問題が解消されていることがわかった「ミニマルホットサンドメーカー」ですが、ホットサンドメーカーの肝はやはり焼き面です。
▲8枚切り食パンがベスト
アルミダイキャストの美しい焼き面にはフッ素樹脂コーティングが施されています。そのままでもくっつきづらいのですが、香ばしい焼き色とバターの風味を付けるためにも少量のバターを両面に塗るといいようです。
焼き面は1cmほどの段差があるのでカリッとした縁ができ、中の具を閉じ込めてくれます。定番のハムと野菜はもちろん、とろとろのチーズや前夜に余ったカレー、チリコンカンなどを受け止めてくれるのがいいですね。
▲「ST-310」に載せて弱火でじっくり加熱
バランスよく載っているので安心! ただ、ハンドルを閉じるときに後端のフックを使用するのですが、いざフックをかけようと思ったときにないことがありました。撮影に使ったのがサンプルだからか、ハンドルを閉じたり開いたりしていじっているうちにフックが抜けていた模様。紛失してもロープなどで代用できますが、フックをなくすとやはり不便です。気をつけましょう。
▲中心が色濃くなってしまった
「ST-310」はやや中心に炎が集中しますが、「ミニマルホットサンドメーカー」は熱伝導にすぐれたアルミダイキャストなので縁の方までこんがり。
ただ、思った以上に熱がよく伝わるので、少し早めに中の様子を見るほうがいいようです。
▲具をよくばりすぎたため、縁がずれちゃいました。具はパンの耳から2cmほど内側までにするほうがいいようです
できあがったホットサンドは表面がカリッ。中のチーズを閉じ込めてくれるのがいいですね。フッ素樹脂加工で手入れも楽ちん。
* * *
4000円台が多いホットサンドメーカーを見慣れていると、「ミニマルホットサンドメーカー」は6600円と少々お高く感じるかもしれません。けれども「ST-310」や新作バーナー「ST-340 Range」との相性を考えたSOTOらしい工夫がいっぱい詰まっていて、調理時のイライラあるあるを解決しています。
気持ちよく使えるうえ、SOTOらしい造形美も光る「ミニマルホットサンドメーカー」。他社製との価格差はカバーされていると言えるでしょう。
>> SOTO「ミニマルホットサンドメーカー ST-952」
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/445116/
- Source:&GP
- Author:&GP
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