日本酒「東光」を醸造する株式会社小嶋総本店(以下、小嶋総本店)は、4月22日(金)の「アースデイ」を祝い、自動ロボット「アイガモロボット」を用いた有機栽培米の実証実験を開始したことを発表しました。
また、同社は2022年に酒造りに使用する電力を、山形県置賜地方で発電する再生可能エネルギーに移行するとのことです。
除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態をつくる「アイガモロボット」
アイガモロボットは、有機米デザイン株式会社が開発した、田んぼの雑草を抑制する自動ロボットです。代掻き後の水田を自律航行して、水中を撹拌し泥を巻き上げることで光を遮り、水面下にある雑草の生長を抑制します。
これにより、除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態をつくることで、除草にかかっていた労力を削減できるとのこと。
今回の実験では、同社の契約田30a(3000㎡)において、アイガモロボを用いた有機栽培米の実証実験をおこなう予定です。有機栽培に挑戦することで、田んぼの生物多様性を維持しながら、地域性の高い酒造りを目指します。
酒造りの使用電力を地域の再生可能エネルギーへ移行
1970年アメリカのG・ネルソン上院議員が、4月22日を“地球の日”であると宣言したことから、「アースデイ」が誕生したと言われています。
世界中の人々が地球に思いを馳せる日とされているアースデイにあわせ、小嶋総本店は今回の「有機栽培へのチャレンジ」を報告。
加えて、2022年に生産活動に関わるすべての電力を、山形県置賜地方で発電する再生可能エネルギーに移行することを発表しました。
この転換によって、小嶋総本店が排出するCO2のうち約3分の2をカーボンニュートラル(地球上の温室効果ガスの排出量と吸収量・除去量を均衡させること)化するとのことです。
再生可能エネルギーを指定購入するだけではなく、酒蔵の周辺地域で発電された再生可能エネルギーで醸造することは、日本酒業界で類を見ない新たな取り組みだといいます。
酒造りを“持続可能なもの”にするために
小嶋総本店は安土桃山時代(慶長2年・西暦1597年)に創業した古い酒蔵です。上杉家御用酒屋でもあり、日本酒「東光」「洌」などを醸造しています。
同社は、夏季の気温上昇による高温障害で酒米の品質や収穫量が低下するといった、気候変動の影響を日々受けているようです。
酒造りを持続可能なものとするため、同社はこれまで地球環境に配慮したさまざまな取り組みを実施してきました。
2020年には、醸造アルコールを添加しない純米づくりに転換。ブラジルや東南アジアで製造された醸造アルコールを廃して、地元産の原料で造ることで、国際輸送により排出されるCO2を削減したといいます。
また、2022年3月には、東光の小容量タイプの容器にリサイクル率が高いアルミ缶を採用し、持続可能な社会の実現に貢献。今後も同社は「サステナブルで良質な酒造り」を志し、さらなる挑戦を続けていく方針です。
(文・Haruka Isobe)
- Original:https://techable.jp/archives/177325
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:はるか礒部
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