【週末趣味 ソト遊び&イエ遊び】
最近では家庭で楽しめるモデルも増え、手に取りやすくなった感のある「3Dプリンター」。生活に使えるちょっとしたモノから、オリジナルフィギュアまで気軽に立体物を製作できるとなれば、始めてみない手はないだろう。
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3DCADの設計データをもとに、2次元の層を1枚ずつ積み重ねて立体物を製作する機械、それが3Dプリンター。一口に3Dといってもさまざまな造形方式のモデルが存在する。
3DプリンターYouTuberのえふてぃーさんは「僕が普段使っているのが樹脂の層を積み上げる積層式。家庭用の大多数がコレで、プリンターの設置スペースさえあればOK。他には液状の樹脂を紫外線で少しずつ硬化させる光造形方式などがあり、用途によって使い分けるのがオススメです」と話す。
コロナ禍で空いた時間に「なんだか面白そう」と3Dプリンターを使いはじめ、現在ではYouTubeなどのSNSを中心に、その魅力を発信している。
「“こんなのあったらいいな”と自分の手で簡単に作れるというのが一番の魅力。僕の場合は、動画用の面白アイテムと日常生活において、“あれば便利”というモノを製作することが多いですね」
彼の言葉のように、ここ数年で一気にハードルが下がった感のある家庭用3Dプリンター。各メーカーの技術進歩も著しく、これまでの懸念材料だった騒音や印刷スピードの問題が劇的に改善された機種も続々登場。今後は、さらに価格帯も抑えられ、かつ機能性は進化した機種が増えていくと予想される。
3Dプリンター YouTuber えふてぃーさん
2020年11月からYouTubeをスタート。3Dプリンターに関する動画を精力的に投稿し続け、現在は登録者19万人、再生回数2億回を突破!
公式YouTubeチャンネル:Efty【えふてぃー】
公式Twitter:@3Dlaboratory20
【YouTuberえふてぃーさんが選ぶランク別最新オススメ5機種】
<初級者にオススメ>
1. 小型サイズでリーズナブル 高精度なエントリー機
2万円前後で買えてサイズもコンパクト。3Dプリンターを始めたいが置き場所がないとか、値段が...と躊躇している人にオススメです(えふてぃーさん)
Kingroon
「Kingroon KP3S3D Printer」(2万2999円)
ほぼ組み立て済みでセットアップも簡単。印刷サイズは縦180×横180×高さ180mmと小型ながら、デュアルレール仕様で印刷精度も文句なし。騒音がなく静かなのも嬉しい。
<初・中級者にオススメ>
2. 高精細印刷もお任せの光造形3Dプリンター
今回紹介する中では、唯一の光造形式です。サイズもちょうど良く、4K出力をすることでより高精細な印刷も可能となっています(えふてぃーさん)
Elegoo
「Mars 3」(5万6000円)
90%以上の均一な紫外線照射を可能とする36個の高集積LEDライトと自由曲面のCOBレンズ、解像度4098×2560のULTRA 4K 6.6inchモノクロLCDにより、造形精度が前作から大幅に向上。
3. 300℃の高温ノズル採用でほとんどの樹脂が造形可能!
コスパが良すぎて世界中で売れまくった前作、Ender3の課題をオールクリアした進化版的モデル。相変わらずコスパは非常に良いです(えふてぃーさん)
Creality
「Ender-3 S1 Pro FDM 3D プリンター」(6万2700円)
ダイレクト式エクストルーダー・オートレベリングセンサーなどが搭載された次世代標準機に、タッチディスプレイや300°Cの高耐温ノズルなどの機能を追加した豪華モデル。
<中級者にオススメ>
4. 高品質・高耐久・高精度の3拍子が揃った優秀モデル
決して価格は安くないけれど、印刷精度と使い勝手の良さは抜群! 専用スライサーソフト「PrusaSlicer」も非常に優秀で、間違いなく買いですね(えふてぃーさん)
Prusa Research
「Original Prusa i3 MK3S+」(キット:9万9800円/組立済:14万9800円)
取り外し可能なPEIスプリングスチールシートを備えたヒートベッド、自動メッシュベッドレベリングなど、前作で高評価を得た機能をすべて搭載。キットと完成品の2種類がラインナップされている。
<上級者にオススメ>
5. 無限ビルドボリュームを世界で初めて実現化!
横方向に造形する画期的なベルトコンベア式となっており、巨大な剣なども印刷可能。また同じモノを量産印刷する際にも向いています(えふてぃーさん)
Creality
「CR-30 FDM 3Dプリンター」(16万5000円)
画期的な45度角のホットエンドとベルトコンベア式、そして独自のスライサーソフトにより、造形可能な長さは無制限! 加えてプリントの時間短縮とコストダウンもお任せあれ。
■3Dプリンターで実際に作ってみよう!!
難解なイメージのある3Dプリントだが、慣れればそう難しくはないという。だが実際は? えふてぃーさんに工程を見せてもらった。
▼えふてぃーさんの作業環境を公開!!
現在、所有しているプリンター数は5台。印刷サイズや用途に合わせてそれぞれ使い分けている。また、気になる騒音問題については「扇風機の音が気にならなければ問題ありません」とのこと。
<STEP1>3Dデータを用意する
えふてぃーさんはiPadとApple Pencilで簡単に制作できる3D CADソフト「Shapr3D」を使用。3次元データ(設計図)を作成し、STLデータに変換する。フリーデータを使うのもアリ。
<STEP2>3Dデータを3Dスライス用のソフトに流し込み、3Dプリンティング可能なファイルに変換する
制作したデータをどのように(積層の厚みや印刷ピッチなど)印刷していくかを設定して造形ツールパスデータに変換する。この作業がスライス。専用スライサーソフトが付属されている機種を選べば簡単だ。
<STEP3>スライスされたファイルを3Dプリンティング用のソフトに流し込み、3Dプリンティングする
ここまできたら、あとは3Dプリンターで印刷するだけだ。使用機種や印刷するモノのデータによって完成までの所要時間は異なるが、手の平サイズで約1〜5時間ほどかかるとのこと。
■えふてぃーさんの制作物をご紹介!
えふてぃーさんが実際に制作したモノをご覧いただこう。“こんなのあったらイイな”が3Dプリンターなら簡単に作れるのだ。
▲使いづらかったiPhone用のMagSafeをスタンド型に。製作期間は1日足らず
▲キッ●カットをモチーフに原型を造形。これをシリコンで型取りし、チョコレートを流し込めば巨大キッ●カットが完成
▲カーテンのつっぱり棒が引っかからない場所用に製作した、つっぱり棒キーパー
■今や、3Dプリンターで家までも作れちゃう!?
技術革新と用途拡大により、日々活躍の場を広げ続けている3Dプリンター。その進化と発展の速度には目を見張るものがあり、先日ついに日本初の3Dプリンター住宅が完成した。プロジェクトを手掛けるセレンディクス株式会社の発表によると、Sphere(球体)と名付けられたこのユニークな家の造形・施工にかかった時間はわずか23時間12分! 業界内では話題騒然となり、これぞ令和版“一夜城”と呼ぶ声も。
また、構造体強度・耐火性・耐震性・断熱性・美しさの5つの要素を兼ね備えているため、大規模自然災害時の緊急避難先用仮設住宅としての活躍も、大いに期待されている。住宅施工の常識を壊す“世界最先端の家”がなんとたったの330万円。先物買いをするなら今しかない。
セレンディクス株式会社
「Sphere 10m²」(予想実勢価格:330万円)
▲世界一基準が高いと言われるヨーロッパの耐熱基準をもクリアする壁面2重構造を採用。表面積の少ない球体デザインにより材料が低減され、10m²で330万円という驚きの低価格を実現させた
※2022年4月6日発売「GoodsPress」5月号46-47ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/TOMMY>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/445494/
- Source:&GP
- Author:&GP
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