大ブームを巻き起こしたミニ鉄板、今ではすっかりキャンプシーンに定着しました。
肉がおいしく焼ける分厚い鉄板でありながら、ミニサイズなので片手で持ち運べること。そしてミニサイズだから分離型バーナーであれば燃料部分に熱が伝わりづらく、卓上で調理できることが人気の理由でしょう。
ただ、小さな鉄板ほど五徳から滑り落ちそうでヒヤヒヤするのも事実。かといって裏に滑り止めがある鉄板は、収納性やメンテナンス性が犠牲になります。せっかくミニ鉄板で楽をしたいのに、なんだかうまくいかないなぁと思っていたところ、この春、SOTOより「ミニマルワークトップ」専用の鉄板「ミニマルグリル」(6600円)が誕生しました。
■専用設計による火口との距離+カーボンの力で肉がうまい!
▲「ミニマルワークトップ」にオイル受けを装着、その上にホルダーを取り付けた鋳鉄プレートを載せる
「ミニマルグリル」は135×135×8mmの鋳鉄プレートとそれを支えるステンレス製ホルダー2枚、オイル受けのセットで、付属の収納ポーチにまとめて持ち運べます。
鋳鉄プレートはずしりと重く、単体で1kg! 五徳から落ちると大惨事になりかねない重さですが、鋳鉄プレートを差し込んだホルダーの脚とオイル受けの溝ががっちりはまり、肉をひっくり返すときはもちろん、ヘラで鉄板をこすっても鉄板がズレることはないんです。
鋳鉄プレートはフラットですが、横から見るとこのとおり。オイル受けのあるガスボンベ方向に向かって傾斜しています。
ズレ防止の脚や脂を受け止める溝を鋳鉄プレートと別に設けているため、オイル受けやホルダーは洗剤を使ってスッキリ脂汚れを落とせ、鋳鉄プレートは手持ちの金属ヘラでこそぎ落としながら水洗い。それぞれのメンテナンスが容易になるんですね。
鋳鉄プレート全体が熱せられると弱火にしますが、火口から鋳鉄プレートまで距離がかせげるので極とろ火で調理できます。肉は強火で急激に熱を加えるよりも極弱火でじわじわと芯まで加熱するのがおいしくなるわけで、「ミニマルワークトップ」に「ミニマルグリル」を取り付ければ最高の温度調節ができるんです。さすが専用設計!
油を流すと表面に縞模様が浮かび上がります。「ミニマルグリル」は鋳造でありながら、表面を削り取って内側に含まれているカーボン(炭素)を露出させているんです。&GP読者ならご存じのとおり、カーボンには熱伝導率を高め、芯までふっくら焼き上げるという特性があります。
この縞模様を設けることで隅々まで熱が伝わり、鋳鉄プレートを覆うほどボリュームたっぷりのステーキ肉だっておいしくムラなく焼き上がるんです。
■安い肉でもうまい!
「ミニマルグリル」に熱がまわったところで肉を焼いてみました。
スーパーの安い肉ですが、極弱火でジワジワ加熱することでうまみが閉じ込められています。一方、余分な脂は流れ落ち、赤身肉のうまみが際立つスッキリとした味。筋はあるけれど、激安肉が焼くだけで格上げされたのは感激です。
気になるメンテナンスですが、縞模様のおかげで肉が鉄板にはりつきにくくなっていて、ヘラでこそげ落として水洗いするだけでOK。裏にも余分な突起や溝がないので、水洗いしてよく乾燥させるだけで十分です。表面は黒色皮膜が形成されているので、ひどい汚れは中性洗剤を使ってもいいそうです。
ただ、オイル受けはホルダーとがっちり組み込むために細かな溝が刻まれています。この溝に入りこんだ油脂がとれにくい! お湯の出ないキャンプ場では完全な汚れ落としは無理でした。
オイル受けの洗浄には少しばかりコツがいりますが、概ね「ミニマルグリル」の手入れは楽。何よりも鉄板がずれ落ちて焼き上がり間近の肉を無駄にしてしまう悲劇とは無縁です。専用設計なので鉄板によるガスボンベへの影響も計算ずみ、安心して使えますよ!
>> SOTO
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/448370/
- Source:&GP
- Author:&GP
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