イーロン・マスク氏のTwitter買収保留は彼なりの交渉戦術?

テスラ イーロン・マスク
 
Twitterの買収計画を明らかにするや否や、巨額の資金力に物を言わせ、一挙に合意まで漕ぎ着けたイーロン・マスク氏ですが、ここにきて「一時的な保留」を表明していることが明らかとなりました。

スピード買収をいきなり保留

TeslaやSpace Xの最高経営責任者(CEO)であり、世界有数の大富豪として知られるイーロン・マスク氏が、買収額約440億ドル(約5兆8,600億円)でTwitter側と正式に合意したのは2022年4月末のことです。
 
ところがその後、実態を伴わないスパムアカウントが全ユーザー数の5%以下であるとするTwitter側の見積もりに納得しないとし、マスク氏は「(5%以下であるとを)裏付ける情報を得るまで、合意は一時的に保留する」と述べ、買収計画の推し進めを一時中断すると発表しました。

スパムアカウントは5%以上か以下か

一連の流れを報じたニュースサイトGSMArenaは「彼が何を言っているのか分からないかもしれない」「何が起こっているのか不明」と、二転三転する事態を皮肉っています。
 
しかし、箱に入った100個のミカンのうち、5%に相当する5個が腐っているのと、10%の10個が腐っているとのでは、購入価格が違うのは当たり前でしょう。
 
同じように、440億ドルという買収金額は、ボットやスパムアカウントが5%以下であることを前提としており、その比率が高ければ価格の見直しをマスク氏が要求するのは納得できます。

交渉戦術の一環?

すでに幹部の解雇を複数行っているTwitterなだけに、今さら何もかも白紙にされるのは勘弁願いたいはずです。それを思うと、今回の保留は一気に話題をさらって既成事実を作ってから、有利に立ち回るマスク氏の交渉戦術と見ることもできるでしょう。
 
Twitterのパラグ・アグラワルCEOは「買収は成立すると予測しているが、あらゆるシナリオに備えておく必要がある」とし、合意が撤回に終わる可能性も滲ませています。
 


 
なお、マスク氏はTwitterの買収を完了した場合、ドナルド・トランプ前米大統領のアカウント凍結を解除すると発表しています。
 
 
Source:GSMArena
(kihachi)


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