ロックダウンの影響は軽微?楽観的なFoxconnの売上予測が意味するものは

Apple サプライヤー責任 2020
 
iPhoneの組み立てを中心になって請け負っているFoxconnの売上高が当初予想されていたよりも良いことから、中国のロックダウンによるAppleへの影響は限定的ではないか、という見方が浮上しています。

見通しを当初よりも上方修正

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による、中国都心部のロックダウンの影響を受け、現在多くの企業のサプライチェーンに大きな影響が出ています。
 
しかし、Appleに限って言えば、一部で予想されたほど酷い影響はないのかもしれません。状況を読み解く鍵は、Apple最大の組み立てサプライヤーであるFoxconnの売上予測にあります。
 
Foxconnは2022年以降の売上について楽観的な予測を打ち出すとともに、大規模なロックダウンが行われている状況でも足元の収益は大きく減少していないことを強調しました。
 
Foxconnのリウ・ヤンウェイ会長は、ロックダウンの影響がかなり限定的であり、4月の売上高のみならず5月の業績も予想よりも良かったとし、「以前はインフレや戦争(ロシア-ウクライナ戦争)などの不確実性を考慮し、今年も昨年と同様の水準を維持すると予想していたが、現在は通年で予想を上回ると考えている」と、見通しを上方修正したと明かしました。

Foxconnは好調でも他はどうか

ただし、Foxconnの売上見通しが楽観的だからといって、Apple全体に何も影響がないと見るのは早計とも言えます。
 
例えば、Foxconnの4月売上高は3月から4.1%減少したのに留まりましたが、同じiPhone組み立てサプライヤーのPegatronは35%、MacBook Proの組み立てを請け負うQuantaは40%の減収を同時期に記録しています。さらにQuantaは工場で暴動まで起きています。
 
投資銀行のJP Morganも、Pegatronの上海工場がロックダウンで操業停止していた影響が響いているとし、iPhone14シリーズの量産開始に遅れが出ると分析しています(そのためFoxconnは、本来Pegatronが請け負うはずだった量産の一部を担当しています)。
 
 
Source:AppleInsider,Nikkei Asia
(kihachi)


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