日本のニーズに対応!モトローラの最新SIMフリースマホを使ってみた!

モトローラ・モビリティ・ジャパンが6月3日に、スマートフォンの新機種2モデルを発売しました。ミッドレンジの「moto g52j 5G」とハイスペックの「motorola edge30 PRO」です。どちらも、従来モトローラが日本でリリースしてきた機種とはちょっと異なり、日本市場に対して「本気を出してきなぁ」と感じられるモデルです。両モデルをいち早く使ってみたので、率直なインプレッションを交えて紹介します。

 

■3万円台でおサイフケータイ&防水に対応した「moto g52j 5G」

moto g52j 5Gは、日本だけで販売されるモデルで、端末名にある「j」は「Japan」を意味します。モトローラ製品として初めてFeliCa(おサイフケータイ)とIP68相当の防水・防塵の両方に対応したことが大きな特徴。カラバリはインクブラックとパールホワイトの2色から選べて、価格は3万9800円。

▲カラバリはインクブラックとパールホワイトの2色

▲待望のおサイフケータイに対応

約6.8インチのIPS液晶ディスプレイを搭載し、解像度は2460×1080ドット。液晶なので、有機ELに比べるとやや暗めですが、大画面なので、動画やゲームにも適しています。120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、滑らかな画質で視聴できることも利点。

▲左が約6.7インチの有機ELディスプレイを搭載するmotorola edge30 PROで、右が約6.8インチの液晶ディスプレイを搭するmoto g52j 5G。画面の明るさを最大限にして比べるとmotorola edge30 PROのほうが明るいが、moto g52j 5Gの視認性も問題なし

背面パネルは、ガラスではなく樹脂素材ですが、美しい光沢仕上げで、実際の価格よりも高く見えること請け合い。

▲背面パネルは光沢仕上げ。トリプルカメラを搭載

リアカメラは3眼で、メイン(約5000万画素/F1.8)+超広角(約800万画素/F2.2)+マクロ(約200万画素/F2.4)という構成。メインカメラと超広角カメラは適正な明るさで撮れ、AIによる補正で、実際に見えるよりも鮮やかな色で写りました。屋内での撮影画質も及第点。ただし、夜景は「ナイトビジョン」に設定しても、画質がかなり粗くなりました。マクロカメラはAI補正が効かないのか、やや色をくすんで、画質も若干粗くなります。画質を優先したい人には、さほど役に立たないかもしれません。

▲超広角で撮影

▲メイン(広角)で撮影

▲マクロはやや画質が粗くなった。クローズアップ撮影をするには、メインカメラでズームを使ったほうがいいように感じた

▲「ナイトビジョン」で撮った作例

プロセッサーは「Snapdragon 695 5G」を採用しています。今年発売のミッドレンジのスマホの多くが採用するプロセッサーで、普段使いにはストレスを感じない操作性を得られます。ただし、ハイスペックモデルのような “ヌルサク感” はないので、あくまでも、これまでエントリーやミッドレンジを使っていた人の乗り換え用といえるでしょう。

誰もが実感できそうな利点は電池持ち。5000mAhの大容量バッテリーを搭載し、長時間ゲームをしたり、動画を見たりしなければ、フル充電で2日以上の電池持ちを見込めそうです。

▲電池寿命を長くする機能も備えている

Snapdragon 695 5Gを搭載するスマホは、5月30日に発売されたシャオミの「Redmi Note 11 Pro 5G」が4万4800円、6月23日に発売されるOPPOの「OPPO Reno7 A」も4万4800円。7月上旬発売予定のソニーの「Xperia 10 IV」は6万4152円(ドコモ版)など、moto g52j 5Gよりも高い価格が設定されています。moto g52j 5Gの3万9800円という価格には、「このモデルを絶対にヒットさせたい」というモトローラの意気込みを感じられます。ズバリ「お買い得」と言っていいでしょう。

▲eSIMに対応し、nanoSIM+eSIMの組み合わせで2回線を使うことも可能

 

■高コスパのハイエンドモデル「motorola edge30 Pro」も要注目!

motorola edge30 Proは、現行機種向けではトップクラスの「Snapdragon 8 Gen 1」というプロセッサーを搭載していることが最大のセールスポイント。RAMが12GBで、ROMが256GBのモデル(8万9800円)と、RAMが8GBで、ROMが126GBのモデル(8万6800円)が用意され、カラーはコスモブルーのみ。

▲motorola edge30 Proは背面パネルが磨りガラス調で、サラサラとした手触り

従来、モトローラは5万円台以下のミッドレンジモデルを中心に展開していたので、8万円台はちょっと高く感じるかもしれません。しかし、Snapdragon 8 Gen 1を搭載する他社のスマホは軒並み10万円を超えているので、むしろ、安いと捉えるべきでしょう。

筆者は8GB/126GBのモデルを借りて使ってみましたが、操作性は快適そのもの。アプリの起動や切り替えをスピーディに行えました。動画を撮って確認して、不要な部分をトリミングしたりといった、ややヘビーな作業をしてもパフォーマンスは落ちませんでした。

▲最大144Hzのリフレッシュレートに対応し、ゲームを存分に楽しみたい人にも適している印象。ゲーム専用のメニューも素早く表示できる

▲デュアルスピーカーを搭載し、音量もかなり大きくできる。「Dolby Atmos」に対応し、好みの音質にカスタマイズすることも可能

リアカメラはメイン(約5000万画素/F1.8)+超広角・マクロ(約5000万画素/F2.2)+深度センサー(約200万画素/F2.4)という構成。超広角もマクロも高画素カメラで撮れることを特徴としています。

▲超広角で撮影

▲メイン(広角)で撮影

▲デジタルズームは最大10倍で撮影できる。10倍で撮っても画質劣化はこの程度

実際にシャッターを押してみると、超広角でも広角でも非常にキレイに撮れました。鮮明かつナチュラルな色合いで撮れるので、ほとんどの場面では初期設定のままでOKという印象。夜景も画質が粗くならず、シャープな画質で写りました。モトローラは、かつてハッセルブラッドとコラボしたレンズユニットを装着できる「moto Z」シリーズを発売していましたが、それを除けば、筆者は“カメラがすごい”と思ったことがなかったのが本音。でも、motorola edge30 Proのカメラの撮影画質は満足必至。気持ちいいくらいに、簡単にきれいに撮れます。

▲料理を撮った作例

▲夜景も鮮明な画質で写せた

▲ポートレートモードで愛犬を撮影。背景がナチュラルにぼけた

充電がスムーズにできることも利点。4800mAhのバッテリーを内蔵し、そもそも電池持ちはいいのですが、68Wの急速充電に対応しており、同梱の充電器を使えば、約15分で50%以上の充電ができます。電池がピンチになったことに気づいてからでも、わずかな時間にフル充電ができるという感覚。また、15Wのワイヤレス充電にも対応しているので、ワイヤレス充電器を用意すれば、置くだけの簡単チャージが実現します。

スマホをテレビやPCと連携させて、アプリを大画面で利用できる「Ready For」にも対応。筆者はスマホのUSB Type-C端子とテレビのHDMI端子をつなぐケーブルを持っていたので、テレビと有線で繋いで連携を試してみました。スマホの画面がそのままに表示されるわけではなく、テレビに最適化されたデスクトップ画面が表示され、スマホのディスプレイに表示されたトラックパッドで操作する仕組み。動画を見たり、ゲームをしたりする場合にも使えるので、家族でスマホのコンテンツを共有するときに重宝しそうです。テレビがMiracastに対応していればワイヤレスでも連携できます。

▲テレビと簡単に連携できる「Ready For」機能もストレスなく使えた

なお、Windowsのパソコンと連携させて、パソコンを拡張ディスプレイとして使ったり、スマホのカメラをウェブカメラとして使ったりすることも可能。ただし、筆者は普段Macを使っているので、この機能は実際には試していません。

おサイフケータイには対応しておらず、防水防塵性能はIP52相当なので「防水」ではなく「防滴」レベルですが、それらを必要としない人には、満足度が高そうなモデルです。なお、eSIMには対応していませんが、2枚のnanoSIMを装着でき、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)で使うことはできます。

>> モトローラ

 

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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