M2 MacBook Pro(256GB)はM1より明らかにダウングレードしている

M2 MacBook pro
 
M2チップを搭載する新型MacBook Proについて、ベースモデルであるストレージ容量256GBのモデルは、同じストレージ容量のM1 MacBook Proと比べ「明らかにダウングレードされている」と、テック系YouTuberが結論づけています。

NANDフラッシュチップの数の差が問題

YouTubeチャンネルMax Techを運営するVadim Yuryev氏(@VadimYuyrev)は先日、発売されたばかりのM2チップ搭載13インチMacBook Pro(256GB)のSSDの読み込み/書き込み速度が、M1チップを搭載する13インチMacBook Pro(256GB)よりも遅いことを発見、報告しました。
 
同氏はこの理由について、M1 MacBook Proは128GBのNANDフラッシュストレージチップを2個搭載しているのに対し、M2 MacBook Proは256GBの同チップを1個しか搭載していないためではないか、との仮設を立てていました。

複数の実験で仮設の正しさを立証

そして同氏は今回、M2 MacBook Pro(256GB)とM1 MacBook Pro(256GB)でいくつかの実験を行い、仮設が正しいことを立証しています。

 
Vadim Yuryev氏はまず、Chromeブラウザで15分間の4K動画(HEVC)をエクスポートする実験を行いました。単に4K動画をエクスポートするのみではM2 MacBook ProとM1 MacBook Proの差はほとんどなかったものの、タブを10個開いた状態で行うとM2のほうが明らかに遅いという結果となりました。
 

 
続いて同氏は、8GB RAM搭載のM2 MacBook Proを2台用意しました。1台は256GBのSSD、もう1台は512GB SSD搭載で、2台の違いはSSDの容量のみです。
 
その他のアプリやタブを開かない状態で高画質画像のエクスポートを行ったところ、512GBモデルのほうが14.2%高速でした。
 


 

次にRAMも16GBに増やしたM2 MacBook Pro(16GB/512GB)と、ベースモデル(8GB/256GB)で同じ画像のエクスポート実験を行うと、M2 MacBook Pro(16GB/512GB)のほうが79%も高速という結果となりました。
 


 
Vadim Yuryev氏は、M1 MacBook Proではベースモデル(8GB/256GB)と16GB/512GBモデルの差はわずか10%であるとし、79%もの差は問題だと指摘しています。
 
同氏はこの他にも、Chromeのタブを10個開いた状態での高画質画像のエクスポート実験、Safariブラウザでの同様の実験を行っていますが、いずれの実験でもM2 MacBook Pro(8GB/256GB)は期待外れの結果を残しています。
 
同氏は8GB/256GBのM2 MacBook Proのパフォーマンスが低い理由について、SSDの転送速度の遅さは、Appleシリコン搭載Macにおいて重要な役割を果たしている仮想メモリスワップの遅さにつながるため、としています。特に8GB RAMモデルの場合、RAM容量がすぐにいっぱいになってしまうのも、速度の遅さの原因であるとのことです。

M2 MacBook Air(256GB)もNANDフラッシュチップ1個のみの可能性

Vadim Yuryev氏は、近く発売が見込まれるM2 MacBook Airのベースモデルについても、同じように256GBのNANDフラッシュストレージチップを1個だけ搭載している可能性がある、と懸念を示しています。
 

 
 
Source:Vadim Yuryev/Twitter
(lunatic)


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