【趣味と遊びのタフネスGEAR】
ソロキャンプ好きが続々ハマっている「プチ野営」。キャンプ場ではあっても持っていく道具を絞り、少しだけ不便な環境をキャンプ経験で得てきた知恵と技術でまかない悦に入る。この大人の遊びを盛り上げてくれるのが男前ギアだ。
* * *
空前のソロキャンブームが到来し便利な道具が次々に登場しているが、「プチ野営」 は道具だけに頼らずあえて不便な状況に身を置き、アイデアと技術でなんとかする遊び方。余裕ができたキャンパーだからできる引き算の楽しみだ。とはいえなんでもかんでも引き算してはツラいだけ。
すぐに替わりが見つからない道具は次の5つ。幕と刃物、火を生む道具、容器、ロープだ。これに寝袋やライトなどを足したり引いたりしていくわけだが、必要だと思っていたモノがなくても、自分の工夫でなんとかなることに気づく。この瞬間が最高の喜びだ。
プチ野営の核となる幕は手持ちのテントでもいいが、せっかくだからアレンジ多彩なシェルターで。フロアがないぶん軽く、工夫できる。積極的に焚き火をしむなら厚手コットン、山奥のキャンプ場を目指すなら軽量なTCやポリエステルを選ぼう。
悩ましいのが刃物選び。薪を小割にするならできるだけ刃が厚くて重いもの、クラフトならほどよく繊細なもののほうが扱いやすい。
ほかのギアにも通じることだが、道具を絞るプチ野営だからこそ、事前に何をしたいかを考える必要がある。そうやって自分だけの必要最小限持ち物リストを作る課程も楽しみだ
1. タープ泊もテント泊もどっちもOK
MOOSE ROOM WORKS Light Weight tarp & Tent
「KAKUREGA」(4万9800円)
リフレクターをファスナーで連結すればテントになるタープ。綿比率17%のTC素材で幕3枚なのに重量2kg以下を実現した。収納袋がガイドラインになるのも気が利いている。タープ260×260cm、1.1kg、リフレクター123×158cm、450g。
2. どこにでも担いでいける軽量シェルター
パーゴワークス
「ニンジャシェルター」(4万1800円)
付属ポールは120cmから5段階で140cmまで調整でき、一番低くすれば耐風性が高くなるほか裾がスカートとなり寒さにも対応。すそ巻き上げ、サイド開放などアレンジも楽しみ。380×220×H140cm、1.6kg
▲本体のほかにポール、ペグ、ガイライン、スムーズに設営できるガイドテープがニンジャらしいロールタイプの収納袋に収まっている
3. 難燃+はっ水を両立した奇跡の幕
asobito
「焚き火軍幕」(1万8700円)
帆布に難燃加工とはっ水加工を施したtakibi hamp製の幕。タックボタンとボタンホールを装備しており複数つなぎ合わせOK。メーカーのビッグウイングによる張り方例を参考に新しい使い方を考えよう。180×180cm、1.44kg
4. 知る人ぞ知る本物志向で見応えあり
NOLIMIT PRODUCT
「オリジナルパップテントNP^01PT」(9万3500円)
旗を製造販売している優浬旗工房が作った本気のパップテント。パラフィン樹脂加工を施すことで弱はっ水性をもたせた帆布、ファスナーや両サイドに装備するひねりフックなど細部まで国産! ポール別売。400×300cm、5.5kg
5. スウェーデン伝統の鍛造方法がよみがえる
グレンスフォシュ・ブルーク
「ハンドハチェット」(1万9360円)
職人が手作業で鍛造しているグレンスフォシュの斧は切れ味抜群。手がけた職人のイニシャルが刻まれているのもたまらない。ファイヤーサイドでは有償の柄交換サービスを用意しており、長く使い続けられるのもポイントだ。刃渡り8cm
▲ハンドハチェットは柄の長さ24.5cm。片手で持てるサイズで小回りがきく。キャンプでは焚き付け作りにちょうどいい
6. 新潟が生んだ鉈は木工でも活躍
TEPPA
「焚火鉈【角田 -KAKUDA-】」(7150円)
モチヅキが地元・三条の刃物鍛冶、木工所とともに作ったTEPPA。片刃で刃先が薄く切れ味抜群の角田は焚き付け作り、木を削る木工作業に長けている。専用革ケースは山の稜線をイメージするデザインなのもカッコイイ。刃渡り11cm
7. ぐいぐい薪に食い込むカーブ刃を採用
シャークソー
「愉し火 焚き火鋸180mm」(2728円)
フッ素コーティングを施した刃はヤニや汚れがつきにくく、刃先がこぼれにくい衝撃焼き入れとともに、いつまでも気持ちよく薪を切れる。オリーブのハンドルとパラコードがアウトドア気分を盛り上げる。刃渡り18cm
▲カーブ刃かつ刃ピッチ3.2mmでザクザク切れるのが気持ちいい。ハンドルは濡れた手でも滑りにくくしっかりグリップできる仕様
8. 最新技術が作るタフなロープ
アットウッドロープ
「タクティカルコード」(1210円)
米軍からの信頼が厚いアットウッドロープ。タクティカルロープはφ2.4mm、耐荷重125kgで大型テントの張り綱、靴紐など使い勝手よし。いざというときは4本のインナーコードを縫い糸にしてもよし。全長30m
9. カーボンなのにメンテナンスが楽!
モーラナイフ
「ガーバーグ ブラックカーボン」(1万2650円)
スウェーデン王室御用達のモーラナイフ初のフルタングナイフ。切れ味のよいカーボンスチールブレードは、DLCコーティングを施すことで錆発生を低減。MOLLEシステム対応ケースで持ち運びも便利。刃渡り10.9cm
▲フルタングかつブレードの厚みは3.2mmでバトニング時の不安なし。ブレードの背でファイヤースターターの着火も可能だ
10. ポーチの数を調整して容量カスタム
DDハンモック
「DDベルゲンリュックサック(MC)」(2万6950円)
MOLLEシステムを採用しており、カラビナや対応ポーチでのカスタムOK。付属のアクションバッグは取り外して付属のベルトで肩や腰に装着してもいい。本体37L、サイドポーチ5L×2、アクションバッグ8L、1.7kg
■火を操ることこそ夜営の醍醐味!
プチ野営に欠かせないのが火。熱いスープを飲めるのも暗闇の森に明かりを灯しほっと一息つけるのも火のおかげ。
11.焚き火の熱を美しさを堪能できる
タキビズム
「リアル ファイヤースタンド ジカビ スタンダード M」(1万7600円)
ロストルがなくじっくり薪を燃やすのに向いた焚き火台。低く抑えているので足もとが直火並みにあたたかくなる。火床をとりまくワイヤーは薪を乾かすのにも使える。φ40(火床φ27)×H7cm、1150g
▲耐熱性のある焚き火シートが必要だが、火床が地面に近くほぼ直火。フチに広がるフレームも主張しすぎないので雰囲気を損なわない
12. 地面に伝わる熱を大幅カット
ベルモント
「焚き火プロテクトシート」(2530円)
耐火性のあるグラスファイバー繊維の表面に、厚口アルミニウムを施すことで焚き火台からの熱をすばやく空気中に放出する。これにより地面に伝わる熱を45〜58%抑えることに成功した。耐火性と耐熱性を両立するシートは焚き火好きの必需品だ。60×56cm
▲火の粉、こぼれ落ちた薪からの火災を防ぐだけでなく、火床の高さによるが抜群の耐熱性で草へのダメージを防ぐ。もう焦げにおびえる必要はない
13. 渦巻くように立ち上がるパワフルな炎
ソロストーブ
「タイタン」(1万1000円)
円柱状の本体は2重壁になっていて、内側上部の穴から噴き出す熱風が煙をも燃やし尽くす(二次燃焼)ため使用後に残る灰はごくわずか。キャンプサイトで拾い集めた小枝で調理ができることも頼もしい。φ13×H20cm、467g
▲ロやデュオにちょうどいい容量の別売「ポット1800」にはタイタンがすっぽり入るサイズ。スタッキングして持ち運べば、無駄がない
14. 北欧らしい火起こし道具
Scout
「Firestriker Steel」(2546円)
気温や気圧、水濡れによってライターやマッチを使えなくなっても確実に火が手に入るロッド。NOASOBIYAが扱うロッドはスウェーデン製らしくトナカイの枝角をあしらっており雰囲気満点。スチール部分4cm、全長12.7cm、105g
15. 100年以上前に完成した美しき火器
オプティマス
「123Rスベアストーブ」(1万9800円)
1分ほどのプレヒートの後は、バルブを取り付けて火をつけるだけ。出力1400W(1300kcal)と決して超パワフルではないが、120mlのホワイトガソリンで1時間ほど燃焼するのだから調理には十分だ。φ10×H13cm、550g
▲真ちゅう製の本体は使い込むほどに深みが出て、自分の道具へと育っていく。その課程も楽しみたい。アルミのふたが鍋になるのもグッとくる
16. やわらかな炎がサイトを彩る
カメヤマ
「オイルランタンミニロゴ入り」(2530円)
白灯油でも使えるが、パラフィンオイルならにおいも煤も出にくくグローブがきれいなままなのでいつまでも炎の美しさを愛でられる。ハンドルをおろした本体は高さ21cmと小柄でソロキャンプの相棒にぴったりだ。12×9.5×H21cm、320g
▲キャンドルのみたいにゆらゆら揺れる炎が心地いい。タンク容量は120mlで炎の高さ約1.5〜2cmなら燃焼時間約10時間。1泊なら燃料継ぎ足しなしで大丈夫
17. 深めの中フタが使える!
Rothco
「戦闘飯盒2型」(8580円)
自衛隊「戦闘飯盒2型」を同等規格で復刻。キャンプ好き芸人がアドバイザーとなっていることでも話題だ。洗いやすく、水蒸気炊飯ができるなど魅惑のスペックを持つ。炊飯は2合まで対応。17.5×10×H10.5cm、400g
▲アルミに特殊編成ポリエステル樹脂塗装を施しオリーブ色に。ハンドルを別売のショートタイプに変更してもいい
18. 野営の伝道師が考えた料理セット
パスファインダー
「カンティーン クッキングセット」(7425円)
デイブ・カンタベリー監修のどこでも焚き火料理ができるセット。ステンレス製カンティーンは広口で水を注ぎやすく、洗うのも楽。別売ボトルハンガーで焚き火の上に吊り下げても雰囲気がいい。カップの長いハンドルは転倒防止効果あり。
▲カンティーン(1150ml、約20.5×13×7.5cm、320g)に水を汲みカップ(740ml、約11×13.5×9cm、240g)とストーブ(約8×13×8cm、120g)で調理する
※2022年6月6日発売「GoodsPress」7月号76-79ページの記事をもとに構成しています
<文/大森弘恵>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/461768/
- Source:&GP
- Author:&GP
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