ワークマンでここまで揃う!焚き火に使える七つ道具を試してみ【実践編】

現場のプロ御用達のハード仕様なウエアがライダーやアウトドア愛好家に人気となって数年。ついにあのワークマンが本格的にキャンプ業界に参入しました! ラインナップは充実し、ウエアやグローブといった布ものだけでなく、テントやチェアから焚き火台まで、キャンプに必須のギアのほぼすべてが揃う力の入れようなのだとか。

もともと厳しい屋外仕事向けの衣服を中心に扱っていたワークマンだけに、テントやシュラフに最新の高性能な素材を使っているのは想像がつきますが、それ以外の「アウトドアギア」は果たしてどうなのか? ぜひ、その性能を試してみたいもの。

実際に近所のワークマンプラスを覗いてみると、あるわあるわ。多数のギアが棚に並んでおりました。しかもその価格はかなりリーズナブル!

そこでワークマンで揃えられる「焚き火に使える道具」を購入し、その実力を検証。前回、薪バッグ、焚き火用ノコギリ、ハンドアックスの3点を「準備編」として紹介しましたが、今回は実際に火を楽しむ「実践編」へと進みます。

■熱ダメージから地面を守る焚き火シート

焚火耐熱シート (1280円)

ひと昔前なら、地面にさっそく薪を組んで焚き火を始めるところですが、今は環境や景観への配慮も忘れてはなりません。そこでまず使いたいのが、耐熱素材でできたグランドシート。焚き火台の使用だけではカバーしきれない、地面への熱ダメージを軽減することができるのです。

ただしこのシートの使用は環境配慮だけではありません。実際は安全面での効果が大きいのです。というのも、本来の焚き火は、石で炉を組んだり、地面に焚き床の穴を掘ったりして、その中で行うのが正しいやり方でした。しかし現代では焚き火台の使用が主流になってしまい、薄い金属の箱だけで熱量の大きな火を囲っているのです。

これでは輻射熱や火の粉で、周囲の落ち葉や枯れ草などが燃えあがる危険性が非常に高い。そこで難燃・耐熱系の素材でできたシートが重要となってきます。実際、私がオーストラリア大陸を自転車で旅した時も、ガソリンコンロの下には難燃シートを必ず敷いてました。

焚き火関連のルールに厳しいキャンプ場では、シートの使用を義務付けているところも少なくありません。そんなに嵩張る道具でないので、ぜひ一枚はキャンプギアボックスに入れておくと良いでしょう。

ワークマンで手に入る焚き火用のグランドシートは耐熱効果の高いグラスファイバー製で、耐熱温度550℃とのこと。サイズは私の実測で795mm×600mmとまあまあの大きさ。これなら一般的な焚き火台なら問題なさそうですが、少し大きな台だと苦しいかもしれません。

シートの表面はスベスベで、チクチクした嫌な手触りは感じません。少しゴツいが平たくたたむことができ、携帯性も良さそう。シートの四角にハトメの穴が開いていて、ペグで地面に固定できるので風で飛んでいく心配がないのもポイントが高いところです。

■折りたたみ式で頑丈な本格焚き火台

折り畳みBBQグリル(3900円)

さて地面に焚き火用シートを敷いたら、いよいよ焚き火台の登場です。ワークマンでは驚いたことに複数の焚き火台やBBQコンロが手に入ります。とくにバイクツーリングやソロキャンプで人気の高いステンレスメッシュタイプの焚き火台は、リーズナブルながらハイクオリティなデザインで感心する出来栄えです。

他にもスリーコインでお釣りが来る卓上ストーブ台(299円)や、炭と着火剤内蔵のインスタントBBQコンロもあって目移りしますが、今回購入したのはラインナップの中で最も高級な「折り畳みBBQグリル」。といっても、目が出るほど高くもなく、お手頃な価格なのでした。

さてこの商品、名前こそBBQグリルとなってますが、実際には逆ピラミッド型のシルエットがカッコいい本格派の焚き火台なのです。

フレームはスチール製の丸棒で、本体パネルには厚手のステンレスが使われており、手応えは非常に頑丈でずっしりと存在感があります。

パタパタっと簡単に薄く折り畳めるので収納性や携帯性はとてもよくできているので、その分、重さが結構あるのが難点かもしれません…。

本体上面のサイズは350×350mmで、キャンプ場で手に入る通常の薪ならスポっと入ることでしょう。逆三角形の底面には底網が入っているので、組んだ薪の下からの吸気効果が高く、焚き火初心者にも優しい焚き火台といえます。

また付属の焼き網は、当たり前ですが本体上部にジャストフィット。安定感もよく、底からの吸気で炭火はよく燃焼するので、炭火BBQ用のコンロとしてもなかなかの性能といえるでしょう。大きさも1〜2人くらいで、ゆっくり調理し楽しむのに良いサイズです。

■着火に便利な先端クネクネバーナー

着火バーナーターボフレキシブル(499円)

焚き火台に正しく薪を組み、着火剤や焚き付けをセットして、いよいよ着火というところでライターやマッチが薪の隙間から入らず、着火剤に火が届かなかったこと、ありませんか? こうなると悲しいかな、せっかく煙突効果や全体のバランスを考えて美しく組んだ薪を崩さなければなりません。

そんなときに、この先端ノズルがクネクネと動くタイプの小型バーナーがあるととっても便利です。ステンレスパイプの長いノズルは全方向へフレキシブルに動くので、薪の隙間や、BBQコンロの網の間などからも自由自在に、火を狙い撃ちすることができるのです。

バーナー本体は風に強いターボタイプ。このターボ式というのは、空気と混合した燃料を燃焼筒内部で完全燃焼させ、その強い炎をノズル先端から吹き出すタイプのバーナーです。また燃料を自分で再充填できる設計なのもポイントが高いですね。

実際に使ってみても、火力が高く、また自在に目的の場所に火を届けられるので、とても使いやすかったです。ただしバーナー本体の向きによって、燃焼の強さが変わる癖があるようで、体勢によっては立ち消えすることもあり、その点は少し気になりました。

■焚き火を自在に操る薪バサミ

三条仕込みの薪ハサミ(1900円)

さて着火も成功し炎が安定してきたら、あとはゆっくり焚き火を楽しみましょう。ゆらゆら揺れる炎を眺めながらの至福の時を左右する道具が、薪ハサミです。

焚き火の間中ずっと手に持つ重要ギアなのに、ついつい古くて形崩れしたハサミを使っていませんか? バネが弱ったり先端が曲がったりしたハサミでは、薪を持ち損ねることも多く、せっかくの至福の時間にイライラしてる人もいるのではないでしょうか?

そこで手に入れたいのが、しっかりとした頑丈な薪ハサミですが、ワークマンで手に入るこの「三条仕込みの薪ハサミ」は、なかなかの逸品でした。まず名前がそそられます。ハイクオリティな金属製品が多数生み出される町、新潟県三条市。その三条で古くから農機具を作る老舗ファクトリーで、職人さんが丹精込めて作ったのが、この薪ハサミなのです。

鋼鉄製の本体はズシッとした重量感があり、間違いなく頑丈そう。交差部分や先端部分の加工は丁寧で、ガタつきなくピタッと動き、大きく重い広葉樹の薪も、小さな小枝も、どちらもしっかり掴むことができました。

木製グリップも洒落ていて、なかなかカッコ良いですが、持ち手部分が少し小さいのが気になります。手の大きさは人にもよると思うのですが、私の手には少し窮屈に感じました。ただ開閉動作に問題はないので、あとは好みの問題かもしれません。

前回から引き続き、紹介してきたワークマンで手に入る「焚き火の七つ道具」たち。ひと通り使用しながら焚き火を楽しむ過程で やはりまず気づくのは、そのリーズナブルな価格と、価格に似合わないクオリティの高さですね。この値段でこの道具が手に入るのかと、驚くことしきりでした。

また全体を通して、デザインの良さも目に付きました。最近ネット通販で多い有名メーカーの完全コピー品にはないオリジナルなデザインは、その道具を所有し使う楽しさを倍増してくれると思うのです。

もちろん価格を抑えるために、やや小さかったり、機能がイマイチだったりする点もなくはありません。でも、少々の不便を楽しむのもアウトドア活動の魅力のひとつ。低価格ながら頑丈で、シンプルなデザインのワークマンの焚き火道具たちは、傷など気にせず気軽にガシガシ使え、アウトドアの相棒として、なかなか良い選択だと思います。みんなさんもぜひ試してみてはいかがでしょうか。

<写真・文/阪口 克>

阪口克|旅と自然の中の暮らしをテーマに国内外を取材するフリーカメラマン。秩父郡長瀞町の自宅は6年かけて家族でセルフビルド。著書に『家をセルフでビルドしたい』(文藝春秋)、『ビジュアル版焚き火のすべて』(草思社)、『ファイアーサイドクラフト』(山と渓谷社)ほか多数。

 

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