FBザッカーバーグCEO「Appleは哲学的な競争相手」

マーク・ザッカーバーグ ティム・クック
 
拡張現実(AR)/仮想現実(VR)の全盛に伴って、Facebook(Meta)とAppleとの間にある溝は埋めがたいものとなっていくのでしょうか。

Appleとは哲学的な競争

Facebookのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が、Appleと物理的な競争のみならず「非常に深い、(企業)哲学での競争」をしていると語っていたことが明らかになりました。
 
ザッカーバーグCEOの発言は社内会議ででのもので、従業員からAppleがAR/VRのヘッドセットを発売することで、Facebookにどのような影響があるかを問われての回答でした。
 
「Appleが我々にとって競合相手になることは明白だ」と述べたザッカーバーグ氏は、両社の競争が「単に最高のAR/VRハードウェアを提供するという次元を超え、“哲学的”に展開されることになるだろう」と今後の展望を予測しました。
 

Appleが我々にとって、製品だけでなく哲学的にもライバルとなることは明らかだと考えている。我々はオープンな方法でアプローチし、より開かれたエコシステムを作ろうとしている。Androidとの相互連関も一層高めようとしている最中だ。ある世界から別の世界へとバーチャルグッズを持ち運べるようなメタバースの開発を試みている。(従業員が名前を挙げた)人々とメタバースのオープンスタンダードグループを作ったが、Appleは参加しなかった。

クローズドかオープンか

ザッカーバーグ氏が、Appleの試みがクローズドである一方、Facebookはオープンなのだと強調したいのは明らかでしょう。ただ、同時に両社の考え方、いわば消費者の方向性がそのまま、メタバースやAR/VRでは出ているとも考えているようです。
 
同氏はAppleを「すべてを自分たちで行い、緊密に統合して、より良い消費体験を構築する」と評し、Facebookは「(自分たちを超える)より大きなエコシステムの存在」を重視していくと述べました。そこで圧倒的な物量に物を言わせて覇権を獲ることが、Facebookを繁栄させていく鍵ということなのでしょう。
 

我々の北極星は、10年後までに10億人をメタバースに取り込み、デジタルコマースで1回あたり数百ドルを消費させることができるかどうかだ。それができれば、この10年で現在の広告ビジネスと同じ規模のビジネスを構築することができる。本当にワクワクさせられるよ。そのためには、オープンなメタバースを推進することが重要であり、それこそが我々の目指すところなのだ。

 
単なるライバルに留まらず、「インターネットがどのように進むべきか、非常に深い、哲学的な競争相手」とまで評するザッカーバーグ氏は、競争相手であるどころか広告事業に立ちはだかるAppleに対して、どこか敬意を払っているようにさえ感じます。
 
 
Source:MacRumors via The Verge
(kihachi)


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