iPhone14用レンズが供給過剰〜Appleは仕入れ価格値下げ交渉に有利

iPhone14 Pro AH 0710
 
iPhone14のリア広角カメラ用レンズサプライヤー各社の生産能力は、iPhone14シリーズの予想出荷台数を上回っているため、Appleは供給不足のリスクを回避しつつ、仕入れ価格値下げ交渉を有利にすすめることができると、アナリストのミンチー・クオ氏が報告しました。

iPhone14シリーズのリア広角カメラ用レンズは生産過剰に?

クオ氏は、iPhone14シリーズのリア広角カメラ用7P(7枚構成のプラスチック)レンズを、中国Sunny Optical(舜宇光学)、Genius Electronic Optical(GSEO:玉晶光)、Largan Precision(大立光)の3社が供給すると伝えていました。
 
同氏によれば、これら3社の生産能力は2022年下半期(7月〜12月)だけでも1億5,000万枚で、同時期のiPhone14シリーズの予想出荷台数である約9,000万台を大きく上回っています。

サプライヤー間の競争は、Appleに有利に働く

結果、いずれかのサプライヤーで製造上の問題や不具合が生じても、Appleは他のサプライヤーから仕入れることができ、供給不足のリスクを回避することができます。
 
また、Appleは生産過剰気味の各社と価格交渉を有利にすすめることで、仕入れ価格値下げも実現できると、クオ氏は説明しています。

既存サプライヤーは戦略練り直しも

これまで、Sunny OpticalはiPhone13 miniとiPhone13のリア広角カメラ用7Pレンズしか供給しておらず、その比率もわずか8%〜10%でした。
 
Appleへの卸価格が下がったとしても、iPhone14シリーズのリア広角カメラ用7Pレンズにおいて50%以上の供給比率を確保することは、同社の売上高増に大きく寄与します。
 
対して、GSEOとLargan Precisionにとってこの状況は売上高減を招きます。
 
それでも、Largan Precisionは販売価格の高いリア望遠カメラ用レンズの主要サプライヤーであること、それを搭載するiPhone14 Proシリーズが人気を集め、従来よりもProシリーズの出荷割合が増えると予想されることから、リア広角カメラ用7Pレンズの受注数減をある程度穴埋めすることが可能です。
 
GSEOは、Metaのヘッドセット用レンズ供給などにより、ビジネスモデルの転換を模索しているとの報道がありました。
 
 
Source:郭明錤(Ming-Chi Kuo)/medium
Photo:Apple Hub/Facebook
(FT729)
 
 


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