【レビュー】iPhone13 Proを27Wで高速充電可?Belkinの充電器を測定

Belkinの充電器 
 
iPhone13シリーズのなかでは、iPhone13 Pro Maxが27W(ワット)での高速充電に対応しているといわれています。
 
その他のモデルについては27Wでの充電には対応していないと思われていましたが、Belkinから「iPhone13 Proを最大27Wで充電できる」とうたう充電器が発売されました
 
実際にこの充電器「BOOST↑CHARGE USB-C PD 3.0 PPS Wall Charger 30W(WCA005dqWH)」でiPhone13 Proを充電したときの供給電力を測定してみましたので、その結果を報告します。

30W充電対応、プラグが収納できる充電器

まずはこの充電器の基本仕様を解説します。

 

プラグを収納可能な小型充電器

このBelkin製充電器は、プラグが収納可能な小型充電器です。
 
サイズは2.47 x 5.94 x 4.24センチ、重さは64グラムと持ち運びが苦になりません。
 
iPhone XRと比べるとこのサイズ感です。
 
iPhone XRとBelkin製充電器の比較
 
さらに、プラグを折りたたんで収納可能な点が大きな特徴になっています。
 
Belkin製充電器のプラグを収納
 
小型の充電器といってもプラグが露出したまま収納できないものの場合、かばんのなかなどにしまう際に一緒に入れているものを傷つけないか気になりますが、この充電器の場合はプラグを収納できるうえに本体が全体的に丸みを帯びており、気軽にかばんのなかに入れられます
 
また、コンセントに挿した際に横方向ではなく縦方向に長くなるデザインなので出っ張りが少なく、スペースが小さくても利用できます。
 
Belkin製充電器をコンセントに接続
 
USBポートはコンセントに挿した状態で下向きに1ポート配置されており、ケーブルを挿しても横方向にスペースを取ることがありません。
 
Belkin製充電器のUSBポート
 
丸みを帯びたシンプルなデザインのため悪目立ちしないのもグッドポイントです。

 

小型なのに最大30Wの供給電力、iPhone13 Proを27Wで充電

小型ボディなのに供給電力が最大30Wと大きいのも特徴の1つです。
 
USB PD 3.0にも対応しており、多くのデバイスを高速に充電できるでしょう。
 
さらにBelkinはこの充電器について、iPhone13 Proを最大27Wで充電できるとしています。
 
iPhone13 Proを27Wで充電できるBelkin製充電器
 
筆者の知る限りiPhone13 Proを27Wで充電できると公式にうたっている充電器は珍しく、このことが今回この製品をレビューする動機にもなりました。
 
iPhone13についても24分でバッテリー残量を0%から50%まで充電できるそうです。

 

PPS対応でバッテリーに優しい

この充電器はUSB PD 3.0で新たに追加された機能である、Programmable Power Supply(PPS)にも対応しています。
 
これは電力供給時の電圧や電流をダイナミックに細かく調整できる機能で、接続機器側の要求に対して充電器側が状況に合わせて適切な電圧や電流を供給することができます。
 
PPSに対応していない場合、たとえば充電器側が供給した電圧を接続機器側が状況に合わせて降圧する必要があるなど無駄が発生しますが、PPSに対応していれば最初から適切な電圧で電力を供給できるため無駄が発生しません。
 
無駄の発生は発熱につながるため、熱に弱いバッテリーをより優しく充電できるといえるでしょう。
 
Belkinによると、iPhoneシリーズやiPadシリーズMacBook Airを含む以下の機種がPPS充電に対応しているそうです:
 
Belkin製充電器でPPSに対応した機器

本当にiPhone13 Proを27Wで充電できる?実際に試してみた

筆者がこの充電器を試すきっかけとなった、iPhone13 Proを27Wで充電できる機能について実際に供給電力を測定してみました
 
測定にはスマートプラグを使い、充電器に供給されているワット数を測定しています。充電器自体で消費される電力は大きくないため、測定した電力がほぼ接続機器に供給されている電力といえるでしょう。

 

iPhone13 Pro動作中は27W近く供給もアイドル状態では18W

まず、iPhone13 Proのバッテリーを0%にし、Belkin製充電器を接続した状態での測定結果がこちらです(ケーブルはiPhone13 Proに付属のものを使用):
 
Belkin製充電器でiPhone13 Proを充電
 
残念ながら27Wではなく18W付近で供給電力が安定していました
 
試しに充電器を接続したままでiPhone13 Proに重い処理をさせたところ、25W付近と公称値の27Wに近づきました。
 
Belkin製充電器でiPhone13 Proを充電、同時に重い動作を実行
 
ただ、重い処理をさせたことによる電力増加分は充電ではなくiPhone13 Proの動作のために使われた可能性が高く、実際に充電のために供給されている電力は18Wといえるのではないでしょうか。

 

iPad Proには27W供給できている

スマートプラグが示す値がおかしいのかと思い、USB-PDに対応したUSB-Cポートを持つiPad Pro(12.9インチ、2018年モデル)を接続してみました。
 
すると約27Wの供給電力が確認できましたので、充電器やスマートプラグには問題がないと考えられます。
 
iPad ProをBelkin製充電器で充電
 
また、USB-PDでの充電に対応したWindows PCも接続してみましたが、こちらも最大で30Wの供給電力が確認できました。

 

iPhone13は18W、iPhone XRは16W

さらに、手持ちのiPhone13やiPhone XRの測定をおこなったところ、iPhone13は約18W、iPhone XRは約16Wでした。
 
Belkin製充電器でiPhone 13を充電
 
iPhone XRをBelkin製充電器で充電
 
これらの値も妥当であり、やはり充電器やスマートプラグが壊れているわけではないと考えられます。

Amazonの商品ページでは「iPhone13 Pro 『Max』を最大27Wで充電可能」に修正済み?

この測定結果からは、BOOST↑CHARGE USB-C PD 3.0 PPS Wall Charger 30W(WCA005dqWH)によってiPhone13 Proを27Wで充電することはできないように思えます。
 
ただ、筆者の測定条件が悪い可能性もあるため、現在Belkinにこの結果を報告するとともに見解を問い合わせ中です。
 
ちなみに、Belkinの公式ページや各プレスリリースサイトおよびニュースサイトでは「iPhone13 Proを最大27Wで充電可能」と書かれているのですが、Amazonの商品ページを確認したところ、
 

iPhone 13 Pro Max、iPad Pro、MacBook Airで最大27W

 
となっていました。
 
AmazonでのBelkin製充電器の供給電力に関する表記
 
これが最初からこの表記なのか、修正されたのかは不明です。
 
Belkinからの正式回答を得られ次第、本記事を更新します。

iPhone13 Proへの供給電力はともかく小型で使いやすい充電器

iPhone13 Proへの供給電力の件はともかく、BOOST↑CHARGE USB-C PD 3.0 PPS Wall Charger 30W(WCA005dqWH)は実際の使われ方を考慮した親切設計の充電器です。
 
本体は小型でプラグを収納でき、気軽にかばんのなかなどに入れられます。
 
また、コンセントに挿した際も出っ張りが少なく、かつシンプルなデザインなので悪目立ちしません。
 
iPhone13 Proの充電についても24分で0%から50%まで充電できれば一般的には十分でしょう。
 
出張などで充電器を持ち歩く方はもちろん、家のなかでできるだけ充電器を目立たせずに使いたい方にもおすすめです。

 
 
Source: Belkin, Amazon
(ハウザー)


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