人気のCT125ハンターカブをミニジオラマ化してみよう!【達人のプラモ術<CT125ハンターカブ>】

【達人のプラモ術】
フジミ
1/12 ホンダ CT125ハンターカブ
01/04

厳しかった酷暑もようやく一息ついて、芸術の秋! 食欲の秋! そして諺にもある『天高くプラモ肥える秋(ホントは天高く馬肥ゆる秋ね)』の季節がやってまいりました! この9~10月には「全日本模型ホビーショー」も開催されます! そんなこんなでホビーテンション激アップのこの秋、プラモの作り込みにチャレンジしましょう! というワケで今回のテーマはCUB! 発売まもないホンダ CT125ハンターカブを作ります!(全4回の1回目)

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中。

フジミ
「1/12 ホンダ CT125ハンターカブ(グローイングレッド)」(5500円)

■ハンターカブCT-125 人気の秘密

近年カブの人気が過熱しているんですね。2021年に発売されたCT125ハンターカブは爆発的な人気で、聞いたところでは購入から納車まで最低でも3カ月から半年は待たされるというブレイクぶり(現在は受注停止中)。その理由としては、2000年頃からじわじわと注目を集め出して気が付けばの“スーパーカブ”ブーム、さらに2021年に公開され人気を博したアニメ『スーパーカブ』の影響、昨今のキャンプブームなどが重なったことなどが挙げられます

しかしこれって、バイク乗りからみると、ちょっと不思議な感じがするんですよね。1961年型に発売されたトレール50 C100Tに端を発するハンターカブシリーズは、もともとアメリカやオーストラリア、ニュージーランドで販売され『場所を選ばず使える働くバイク』としてロングセラーな人気を集めたバイクです。しかし日本では、一部のマニアしか注目しない業務用バイクとして認知されていたようです。1981年に国内でも発売された、CT125の元祖とも言えるCT110は、ほとんど注目されることなく3年でカタログから姿を消しました(達人も当時、購入を考えた良いバイクだったんですけどねぇ…)。

▲2021年のモーターショーで発表された時の CT125ハンターカブ(グレーイングレッド)。実車価格44万円

ではなぜ今、ハンターカブが注目されているかといえば、存在のゆるさなんじゃないかと思います。ロードスポーツ系のバイクと違い、気負う必要がない、ゆるーくライディングが楽しめる、楽なライディングポジションで街乗りから長距離ツーリングもこなせてしまう、燃費も超いいし、マルチで楽しめて、それでいて肩がこらない…。そんなポジションがウケているんだと思うワケです。

▲渋めのマットフレスコブラウン、一番人気のあるカラーだそう

▲キットでは発売されていないパールオーガニックグリーン。こちらも渋い

 

■キット解説

1/12スケールのスナップフィット式バイクモデルシリーズ第2弾として登場したのが、今回取り上げるCT125ハンターカブ(実車は2020年に発売。タンデムステップを装備、マフラーカバーが装着された日本国内仕様)です。

外装パーツは専用の成型色で実車に近い艶を再現。エンジンやフレームといったパーツもブラック・シルバー・アルミといった実物に近い成型色、さらに色テールランプもクリア・クリアレッドが使われており、塗装をしなくても実物の雰囲気が再現できるキットになっています。また接着剤不要のスナップキットなのもポイントで、塗装するにしてもマスキングの手間が少なくすむので作業がぐっと楽になります。

そして単なるイージーキットではなく、スライド金型を採用して1パーツで再現したハンターカブの特徴でもある大型の後部キャリアには「マジか!」とフジミのやる気を感じちゃいます。

今回選んだのはグローイングレッドの成型色ですが、別に渋めのマットフレスコブラウンも発売されています。

▲多色成形されたパーツ。バイクプラモというと難易度が高いんじゃないかと思いがちだが、このキットはバイクプラモビギナーであってもパチパチと組んでいける

▲外装パーツは素材樹脂が光沢仕上げで成型されているので、塗装をしなくても実車に近いイメージに仕上がるのも本キットの注目すべきポイントのひとつ

▲ホイールのスポークはプラで成型されているが、このスケールでは充分な細さを再現している。銀色で塗ることで、よりリアルになる

▲唯一気になってしまうのがHONDAのロゴなどがデカールではなく、シールで再現されている点。扱いやすさを優先してのことなのだろうが、デカールと比べてどうしてもリアルさに欠けてしまう

▲なんと!ブレーキディスクの穴がちゃんと肉抜きされている。フジミのヤル気を感じられるパーツだ

 

■さてどう作りましょうか?

キットはパーツ分割もよく考えられており、パチパチと組むだけならば2時間もあれば完成できてしまいます。でもそれではやっぱり面白みに欠けてしまうので、省略されているブレーキホース等のワイヤー類の自作、多色成型のキットではありますが、やはりここは塗装で仕上げていきたいと思います。

さらにバイク単体では寂しいので、そこはこだわって今回はビネット風のミニジオラマで制作しいきます。どんな仕上がりになるかはお楽しみということで…。

ちなみに本キットはスケール1/12なのでキャラクター系のフィギュアと組み合わせても面白いと思いますよ。GPマシンなどとはまた違った楽しみ方ではあります。

 

■製作

先にも書きましたが。本キットは接着線不要のスナップキットです、なので、エンジンもパーツ単位で塗装してパチパチと組んでいけます。外装パーツは実車と同じ分割ラインで成型されているので。継ぎ目消しといった作業をしなくて済むのもありがたいです。

▲製作はCTカブ系に搭載されている排気量124㏄空冷4ストエンジンからスタート

▲ここはやはりシルバー系のカラー、セミグロスブラック等を使い分けてよりリアルに仕上げたい。そうえいば以前知り合いに、カブ系のエンジンならマニュアルなしで分解組み立てできる(もちろん本物の)という強者がいたなぁ…

▲組み立て説明書には、エンジンやシートなどそれぞれの部位での実車解説がされており、読んでいて何気に楽しい

▲左右分割されたバックボーンフレームはセミグロスブラックで塗装してエンジンを挟み込む

▲スナップ仕様なので仮組み、位置合わせも楽にできるのがありがたい

▲塗装したエンジンとメインスタンドを挟み込んでフレーム周りが完成

▲プラグコード等の配線系は省略されているので、後ほど追加工作でディテールアップ

▲左右分割のスポークホイールはリムをセミグロスブラックで、スポークをシルバーで塗装

▲タイヤはゴム製でトレッドパターンもリアルに再現されている

▲リアタイヤのディスクブレーキとチェーンを塗装して組付けた状態

▲外装パーツを仮組した状態

▲外装とスイングアームが一体成型されているのでリアサスぺンションは可動しないが充分リアル

▲シート下の燃料タンクを仮組してみる。どんどんCT125らしくなっていく

▲外装はグレーイングレッドを選んだのだが、実車はカスタムカラーも多くいので、オリジナルカラーで塗装しても楽しめそうだ

というワケで今回はここまで!

次回は車体の製作を進めつつ、ビネットジオラマの製作も進めます。

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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