Appleティム・クックCEO、岸田首相にApp Store規制の再考を要望

ティム・クックCEO 岸田文雄首相
 
最高経営責任者(CEO)が来日し、岸田文雄総理大臣と会談した際、への規制に対する懸念を伝えていた、と日本経済新聞が報じています。背景には、ヨーロッパなどでストアの独占を規制する動きがあることへの危機感があるとみられます。

iPhoneへのマイナンバー導入を進める上での懸念事項として要望

Appleのティム・クックCEOは来日し、12月15日に岸田首相と会談しています。会談で岸田首相はクックCEOに対し、iPhoneへのマイナンバーカード機能搭載を要望し、クック氏は「取り組みたい」と前向きに回答しています。
 
クック氏は、マイナンバーカードをに搭載する上で、ユーザーのプライバシーやセキュリティを損なう懸念があるとして、アプリストアの独占を禁止し、ユーザーがアプリストア以外でもアプリを入手できるようにすべきという動きを再考するよう働きかけた、と日本経済新聞は伝えています。
 
Appleは、クックCEOと岸田首相の会談に先立ち、Appleが日本のサプライヤーに100億ドル(約13兆円)を投資し、日本で約100万人の雇用を創出していることを発表しています。

ヨーロッパの法規制に日本が続くことを警戒か

ヨーロッパでは「デジタル市場法」が2022年11月に発効し、2023年からはAppleやGoogleなどが自社のアプリストア以外からもアプリを入手可能にすることが求められており、Appleも対応の準備を進めていると報じられています。
 
韓国でも、App Storeなどアプリストアの手数料を規制する法律が成立しています。
 
日本では、2022年4月に政府のデジタル市場競争会議が、AppleやGoogleがアプリストアを独占し、外部でのアプリ配信(サイドローディング)を制限していることを問題視し、こうした制限を禁止する必要性を指摘しています。
 
なお、日本の公正取引委員会の判断により、音楽や映像、書籍などのデジタルコンテンツを配信・表示する「リーダー」アプリについては、外部での購入が可能となっています。

Appleはサイドローディングの危険性を指摘

AppleはApp Storeの厳しい審査を通過したアプリ以外の公開を認めないことで、マルウェアやスパイウェアといった悪意のあるアプリの排除に成功しています。
 
Appleは、悪意のあるアプリをユーザーがインストールしてしまう危険性があるとして、クックCEO自らサイドローディングの危険性について語っているほか、サイドローディングの問題点をまとめた資料を公開しています。

 
 
Source:日本経済新聞
Photo:Tim Cook/Twitter
(hato)


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