「ここにすっぺ!今すぐキャンプ場やっぺ!!」一目惚れした土地の魅力

【放置キャンプ場開拓日誌 #06】

こんにちは、ヤマケンです。

現在群馬県の北軽井沢エリアで、放置されていたキャンプ場を再生し、自分たちのキャンプ場「-be-北軽井沢キャンプフィールド」にするため整備を進めています。

この連載では”居抜き”キャンプ場の整備やオープンまでの諸々の準備、実際にキャンプ場をオープンしてからの経験などから、キャンプ場運営の楽しさやリアルな部分をお伝えしたいと思っています。キャンプ場にチャレンジしたい方のお役に立てれば幸いですし、キャンパーの方にも「自分がキャンプ場をつくるなら」妄想を楽しんでもらえたら嬉しいなぁと思っております。

来春2023年4月のオープンを目指し、2022年9月から場内整備を始めて、気づけば年末。ニッチな回が続きましたし、せっかくの年末ですから、「-be-北軽井沢キャンプフィールド」場内の魅力をお伝えさせてください。

 

■広々とした芝生エリアも樹種豊富な林間エリアも「キャンプに来た特別感」をくれる素敵な場所

▲「-be-」の芝生エリア。広々とした抜け感にところどころに生きる木々がthe キャンプ場の良き雰囲気を生み出している

“居抜き”キャンプ場ですので、施設や設備、場内の整地などがある程度整っています。「この場所で自分たちのキャンプ場を始めよう!」決めた理由のひとつです。ですが、それ以上に、ここの自然をみんなに楽しんでほしいと思ったからこそ、ここでキャンプ場をやりたいと思ったのであります。

「こんないい場所が放って置かれたままなんてもったいない」これが、僕がはじめてこの土地を見たときに最初に感じた印象です。

▲初めてこの場所を見たとき「ここにすっぺ! 今すぐキャンプ場やっぺ!!」と思いがけず叫んでしまった

管理棟前は広々とした芝生のエリアなのですが、視界が開けていて、しかもところどころいい塩梅で木が生えている。キャンプ場に到着して車を降りて、「うおーキャンプ場にきたぞー! 気持ちいいー!」ってなれるような、そんな景色です。

日当たりが非常に良いエリアで、秋のキャンプでは朝日にあたりながら焚き火を楽しめばポカポカなんです。

正式オープンの春先もこの地域は少し冷えます。4月5月もこの朝日と焚き火の組み合わせで、キャンプの朝をのんびり過ごせるんだろうなぁと今からワクワクしています。

▲林間エリアは雰囲気抜群。写真は10月時点だが、春先の新緑もこれから楽しみで仕方がない

また、場内の半分以上は木々に囲まれた林間エリアになります。場内には白樺や唐松、モミの木など、平地とは異なる、高地ならではの木々が生きています。

普段見ない木々に囲まれているので、より一層「あぁ…キャンプに来たんだなぁ」としみじみ感じられて、よりリラックス。秋に紅葉で色づいた森の中で作業休憩にお茶を一服する時間がすごく贅沢でした。

▲紅葉と青空と秋の雲。キャンプ中にふと上を見上げてこの景色だったらどれだけ気持ち良いか。作業の合間の一服が最高だった

ちなみに、周辺の木々と異なる樹種が多く、紅葉が少し早いというのも個人的には好きです。この地域、冬は非常に冷え込み、営業ができません(夜間氷点下15℃前後まで冷える日も少なくない)。ですが、キャンプ場の景色は冬も美しいんです。

葉が全て落ちきって、木々のシルエットがよく見える。葉っぱがない分、奥まで見通せるのもすごく気持ちが良い。そこに青空が合わされば、思わずため息がこぼれてしまうほど。

だから、擬似的にでもこの地域の冬の景色を、秋の営業でキャンパーさんにお見せできるのはすごく嬉しいことだなと思っています。

▲キャンプ場の一番好きな光景はこの冬枯れの森の様子。遠くまで見通せて、そこに青空がのぞけば気分は最高

来春には新緑の明るい緑が毎日毎日すこしずつ広がっていく中でキャンプを楽しんでいただけるでしょう。夏は気温はあがったとしても湿度が低いので、すごく快適な地域なんです。林間の木陰にコットを出して、夏のお昼寝も最高だなぁ。

▲友人作のエサ台に集まるヤマガラ。高めの「ビービービー!」が聞こえたらこの子たち。ちょこまかとかわいいやつ

集まる鳥たちも多いんです。今のところシジュウカラ、アカゲラ、ヤマガラ、カケス、フクロウ、カワラヒラを見かけます。他にも季節が秋から冬に変わるタイミングで初めて聞いた鳴き声や見かけたことがない鳥の姿もありました。

春や夏にも様々な鳥たちが訪れるんだろうと思うと今からワクワクが止まりません。そんな鳥たちを探しながら、眺めながらゆっくりとキャンプを楽しんでもらえたら嬉しいです。

 

■とにかく静かに穏やかに過ごせる環境が「-be-」にはあります

▲プレオープン初日の「-be-」。芝生エリアのみの営業だが、たくさんのキャンパーが集まり、思い思いの時間を過ごしてくれた。夢がひとつかなった瞬間

キャンプ場の立地ですが、群馬県の山間部かつ長野県との県境近くにあります。軽井沢は長野県ですが、そこから峠を超えた北側に位置するのが群馬県北軽井沢地域です。

長野県の軽井沢町から群馬県の長野原町をつなぐメイン国道が通っていて、「-be-」はその国道から一本入ったところにあります。

すぐ近くに国道があるので日中夜間含めて車の音が気になりそう! と思うかもしれませんが、とても静かなんです。

夜間はもちろん、日中も風向きによっては全く車の音がしない日も多く、静かな森の中でゆったりとキャンプして過ごせる、そんな場所です。

▲整備当初の様子。水路が埋まっていたり、草木が生い茂ったりとやることだらけで大変だが、それでも一歩ずつしっかりと整備を進めた

農繁期は早朝にトラクターなどの重機の音や、日中に牧草を刈る重機の音がします。それでも夜間は静かで穏やかに過ごせる。

そんな静けさの中で穏やかに過ごしていただいて、「気持ちよかった」「楽しかった」と言っていただけたら本望です。

 

■素の自分に戻れる、そんなキャンプ場を目指しています

▲周囲には自然があるのみだから夜が楽しい。満月の夜は周囲を明るく照らされる。満天の星空と甲乙つけがたい…

僕たちのキャンプ場「-be-」は「素の自分に戻ってキャンプを楽しめるキャンプ場」をコンセプトに営業を進めていきます。

日常の疲れや悩みから解き放たれて、わずらわしいことから離れて、とにかくキャンプに癒やされて、休日を満喫してほしい。

僕の裏テーマにはなりますが、誰かの“居場所”になれれば嬉しいなと思っています。
僕自身がキャンプを始めるまで、無趣味で人に誇れるものがないと思って生きてきました。

でもキャンプを始めて、楽しんで、キャンプを仕事にさせてもらって、「あ、僕は僕のままでいいんだ」と思えました。

キャンプに僕は受け入れてもらえた、そんな気持ちがあって、だからこそ、たくさんの人にキャンプを楽しんでもらいたい。そう思って、この9年弱活動してきました。

▲女子デュオキャンプの様子。それぞれ厳選したアイテムを相棒に、思いのままに楽しむ姿が素敵だった

多くの方はこんなことは思っていないでしょうし、見当違いかもしれないし、余計なお節介かもしれません。

それでも、もし僕と同じように悩んでいる人が「-be-」に来て、ゆっくりと過ごして、「あぁ。良かったな。キャンプ好きだな」って思ってもらえたら、僕にとってすごく幸せなことです。誰でも、いつでも、来たらありのままの自分でいられる、そういう場所を作れれば、それは僕が(というか「-be-」がですが)誰かの居場所になれるんじゃないか。

▲キャンパーたちがこの場所でゆっくりと過ごせるように少しでもいい場所に。そう思って作業を進める

そのためには、居心地の良いフィールドや使っていて気持ちの良い設備が大前提にあります。冬シーズン中は場内整備でできることは限られてきますが(地面の凍結や雪の影響)、それでもできることからコツコツと。

来年の大きなイベントから、大人も子供も楽しめるようなワークショップもこの冬の間に考えていきます。

▲いつ来ても、いつまでもいたいと思ってもらえるようなキャンプ場にできるまで。挑戦し続けたい

春先には、整地作業に高所の枝切りなどのフィールド作業があります。

やることはまだまだたくさんありますが、キャンパーさんたちがゆったりまったり穏やかにキャンプを楽しんでいただくためにがんばっていきますので、ぜひ暖かくなったら「-be-北軽井沢キャンプフィールド」に遊びにきてください。心よりお待ちしています!

また、年末年始をキャンプして過ごされるすべてのキャンパーのみなさま、風邪引かないようにお気をつけください! 今年は例年より冷えるし、雪も多いですからね。

本年も最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします! みなさんのキャンプライフが充実した良い年になりますように。

「-be-北軽井沢キャンプフィールド」
〒377-1411 群馬県吾妻郡長野原町応桑1984-160

 

>> [連載]放置キャンプ場開拓日誌

<文/山口健壱>

山口健壱(ヤマケン)|1989年生まれ茨城県出身。脱サラし、日本全国をキャンプでめぐる旅ののち、千葉県のキャンプ場でスタッフを経験。メーカーの商品イラストや番組MCなどもつとめる。著書に「キャンプのあやしいルール真相解明〜根拠のない思い込みにサヨウナラ」(三才ブックス)

 

 

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