キャンプツーリングにちょうどいい250cc以下のバイク5選

タイトルを見て「この寒い時期にキャンプかよ?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「冬キャン最高!」という人は少なくありません。人が少ないため周囲に気を遣うこともなく、大自然をひとり占め。当たり前ですが汗だくになることもなく、虫もいません。

そして冬にツーリングを楽しむバイカーも増えています。筆者は40代ですが、昔“冬ツーリング”に行く時は新聞紙が必須でした。体と上着のすき間に新聞紙を入れて走るのがデフォルト。しかし今はジャケットやパンツ、グローブなどが大幅に進化。モバイルバッテリーなどを使用したヒーター内蔵の商品も定着し、すこぶる快適にツーリングできるようになりました。

そういった背景もあり、今バイクで冬キャンプに行くのが結構人気なんです。

ツーリングに相性のいいバイクと言えば“ツアラー”。ですが、キャンプ場やその周辺の道は結構舗装されていないことも多いんですよね。なので純粋なツアラーよりは、多少不整地路も走れるものの方がオススメ。

そしてもうひとつが“積載性”。オフ車もいいんですが、シート幅が狭いので荷物が載せにくい。キャンプはどうしても荷物が多くなるので、その点もポイントになります。

それらを踏まえて「キャンプツーリング」にピッタリのバイクを5モデルご紹介します。

ちなみに今回紹介するバイクは、250cc以下限定としました。理由は至極単純。最近はバイク高くないですか? と。もちろん大排気量のアドベンチャーとか最高なんでしょうが、いかんせん高嶺の花すぎて手が出せません。社会背景を考えると価格の高騰は仕方ないのでしょうが、今回は車両価格や税金が安く、車検不要で維持費が抑えられる250cc以下から5モデルをピックアップしました。

 

1. 初のマイナーチェンジでちょっぴり進化!ホンダ「CT125 ハンターカブ」

▲ツヤ消しのニブい光がたまらない新色“マットアーマードシルバーメタリック”

まずご紹介するのは、言わずと知れた大人気車、ホンダ「CT125 ハンターカブ」です。2022年10月、デビュー以来初めてのマイナーチェンジが施され、最新の排ガス規制に対応した新エンジンが搭載されました。これによりほんの少しだけパワーアップしています。

またリアサスペンションには5段階のスプリング荷重調整が行えるプリロードアジャスターを追加。キャンプ道具をたんまり載せる時などに重宝しそうです。

ただ一番のトピックスは、純正アクセサリーの追加ではないでしょうか。ウインドシールドやセンターキャリアなど、ツーリングキャンプに役立つアクセサリーが新たに追加されています。

▲新たに4つの純正アクセサリーが追加。こちらはセンターキャリア

もともとリアには前後約477mm、幅約409mmのキャリアがあるので(フラット&フック付なのがポイント!)、アクセサリーのキャリアを活用すれば、これまで泣く泣く家に置いてきたキャンプ道具も積載できるかも知れません。

▲サイドボックス(容量は8L)

タイヤはオンロードを基本としつつもブロックがあるのでオフロードも多少はいけます。キャンプ場で滑って立ちゴケ、荷物ガシャーンなんてこともないでしょう。

ハンターカブは原付二種なので高速道路は走れませんが、50万円以下で買えますし(車両価格は44万円)、税金も安い。そして何より燃費がいい! 1名乗車時のWMTCモード値は、なんと63.7km/l。冗談抜きで、前にガソリン入れたのいつだっけ?状態になるほどです。

▲フロントキャリア

高速道路を使ってバビューンと遠出してキャンプするのもいいですが、ふと「今日は天気もいいし、デイキャンプで焚き火でもするか」と近場のキャンプ場にトコトコ行くのもまた楽しいものです。

ハンターカブはそんな「思い立ったが吉日」をトレースできる、いい意味での“ゆるさ”を持ったバイクだと思います。

▲ウインドシールド

 

2. ワイルドに見えて安全装備も充実!ホンダ「クロスカブ110」

▲ベースはスーパーカブ110だけに、とにかく頑丈。ミッションはクラッチ操作のいらない自動遠心クラッチの4速リターン

同じような楽しみ方ができるバイクとして、これまたホンダの「クロスカブ110」もオススメです。こちらはよりワイルド感の強いタフで無骨なスタイリングが特徴で、2022年4月に小変更を受けています。

排ガス規制に対応した新エンジンの搭載に加え、ブレーキがディスク化されABSまで付きました。ドラム式の方が雰囲気があって…という方もいるかもしれませんが、一番大事なのは安全。ディスクブレーキなら、シューが広がって「止まんねー」なんてことはありません。またチューブレスタイヤの採用もポイントです。万が一パンクしたとしてもすぐに空気は抜け切らないので、チューブタイヤのように山奥でJAF待ち、みたいなツラい思いをすることもありません。

▲くまモンとコラボしたくまモンバージョン(37万4000円)もラインナップ

さらに、ハンターカブ同様フラットなリアキャリアを備え、前後フェンダーの下部にはマッドガードも装備。キャンプ場周辺に現れたぬかるみを走っても服や荷物を汚さず済みそうです。

価格は36万3000円。ハンターカブはちょっと予算オーバーだし納車も遅いらしいからなぁという人には、このクロスカブ110がオススメです。

 

3. どっしり安定の3輪車、ヤマハ「トリシティ155」

続いてご紹介したいのはスクータータイプの2台。スクーターでキャンプツーリングってどうよ? と思うかもしれませんが、意外とアリなんです。

▲フロントがもたつきそうなイメージですが、バイクらしい軽快感もしっかり味わえます

1台目はヤマハの「トリシティ155」。フロント2輪の3輪車で、転びにくいのが特徴です。この“転びにくい”ところが重要で、タイヤはオンロードなんですが、意外と未舗装路も不安感なく走れます。さすがに石がゴロゴロしているガチのオフロードは難しいですが、キャンプ場やその周辺程度ならまったく問題なし。

そしてスクーター最大の特権とも言えますが、やはりメットインスペースは偉大です。さらにニクイのが、ここにLED照明が付いているところ。夜に「あれ、シェラカップどこやったっけ?」などとゴソゴソやらなくて済むんです。

シートも横幅があるので比較的荷物も固定しやすいですし、スクータータイプもキャンプツーリングと相性がいい。ちなみに「トリシティ155」の価格は48万4000円で、排気量は155ccなので高速道路も走れます。いや高速は乗らないという人は、「トリシティ125(42万3500円)」があるので、そちらもオススメです。

▲トリシティ125は原付二種なので高速は走れませんが、日常使いを考えたらこちらの方が使い勝手が良いかも?

 

4. オフも走れるスクーター、ホンダ「ADV160」

▲「eSP+」と呼ばれる新エンジン、156ccの水冷単気筒を搭載

2台目のスクーターは、ホンダの「ADV160」。こちらはADV150のフルモデルチェンジ版で、今月26日発売予定のニューモデルです(47万3000円)。ご存知の方も多いでしょうが、ADVは未舗装路も走れるスクーターです。

サスペンションのストロークがオフ車のようにちょっと長くなっています。しかもタイヤは専用デザインのブロックパターンを採用。未舗装路などでの走行性能を高めています。

そして極めつきは、後輪への駆動力を制御する「Honda セレクタブル トルク コントロール(いわゆるトルコン)」の採用です。これによりスリップしやすい路面でも安心かつ安全に走行できます。

トルコンなんてひと昔前まではスーパースポーツや大型のアドベンチャーモデルにしか付いていませんでしたが、いまや軽二輪のスクーターにも採用される時代になりました。

 

5. 車検のいらないアドベンチャー、カワサキ「VERSYS-X 250 TOURER」

▲2022年10月に加わった新色、パールマットセージグリーン×メタリックマットカーボングレー

最後は、250ccのアドベンチャーモデル、カワサキ「VERSYS-X 250 TOURER」です。オン・オフどちらも得意とするアドベンチャーモデルは大排気量車がほとんどですが、カワサキが車検不要のアドベンチャーをラインナップしています。本当は全車50万円以下で揃えようと思っていたのですが、やはりこれをを外すことはできません。

アドベンチャーなので今さら理由を説明するまでもないのですが、ヴェルシスはパニアケースを標準装備。左右にひとつずつ付いているので、荷物もたっぷり積めます。

▲たっぷり積んでくださいなリアまわり。パニアケースふたつにキャリアも装備

また130mmの長いストローク量を確保したフロントフォークに加え、フロント19インチ、リア17インチのホイールを採用しているため、悪路も難なくこなします。これまでに紹介してきたモデル以上に未舗装路もグイグイ進んで行けるでしょう。

価格は72万6000円と他車に比べると高く見えてしまうかもしれませんが、それを補って余りある魅力を備えているのも事実です。

*  *  *

みなさんの琴線に触れるバイクはありましたか? 荷物を気にせず楽しめるカーキャンプもいいですが、バイクだからこそ味わえる魅力もたくさんあります。

バイクにキャンプ道具を載せてインカムで仲間との会話を楽しみながらツーリングするのも楽しいですし、道中の映像をGoProなどで撮影しつつ、夜テント内で観賞会をするのもまた楽しいもの。ここで紹介したバイクはどれもキャンプツーリングにピッタリなので、ぜひチェックしてみてください。

 

<文/金子剛士(GoodsPress編集部)>

金子剛士|クルマのドレスアップ誌から中古車情報誌の編集部を経て、現在はモノ情報誌『GoodsPress』編集部所属。クルマやバイクといった自分で動かす乗りものが得意分野。DIYなどの手仕事も好きではあるが、絶望的に不器用。好きなものは昭和プロレス、嫌いなものはサランラップ。

 

 

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