悪意ある攻撃者によって、アジアの大手データセンターがハッキングを受け、AppleやMicrosoftなどの企業情報が流出の危機に遭っていたことが分かりました。攻撃から2年近く経っての発覚とあって、データセンターの杜撰(ずさん)なセキュリティ体制が浮き彫りとなった格好です。
2,000社以上の認証情報が取得される
Bloombergが報じたところによれば、被害に遭ったのは中国・上海のGDS HoldingsとシンガポールのST Telemedia Global Dataで、両社がそれぞれ運営している主要データセンターがハッキングされました。いずれのデータセンターもコロケーションサービスと呼ばれる、サーバー向けの共同スペースを提供しています。
攻撃者は両社が使用するシステムへの侵入を通して、約2,000社もの顧客サポートシステムの認証情報を取得していました。この中にはAppleやMicrosoft、BMW、Goldman Sachsといった大手企業が含まれていたとのことです(Appleはコメントを拒否)。
データセンターのセキュリティに問題も
しかし、問題の核心は別のところにあります。
まずはこの攻撃が2021年に行われていたことです。事件が発覚したのは、2023年1月に17万5,000ドル(2,360万円)で認証情報が売りに出される段階でした。
少なくとも5つの顧客サポートWebサイトに不正アクセスされたことが明らかになっており、データセンター側は全顧客に対してパスワードのリセットを断行し、ようやく攻撃者を締め出すことができました。
次にサーバーを預ける企業にとって厄介なのは、自分たちがどれだけ対策を講じても、データセンター側のセキュリティが甘ければ為す術もないという点でしょう。
とりわけデータセンターにあるIT機器の物理的セキュリティや、アクセスを制御するシステムは盲点となりやすく、今回被害を受けたデータセンターのGDSも、3万台を超える監視カメラの認証情報が盗まれていました。しかもその多くはパスワードが「admin」「admin12345」といった単純な文字列だったことが明らかになっています。
Source:Bloomberg via AppleInsider,9to5mac
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-525227/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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