【5万円以下で買えるチューナーレス4Kテレビ②】
テレビ操作時にリモコンを押しているのになかなかテレビが反応しなかったり、サブスクのアプリを選んだのになかなか起動してくれなかったり…。よく行う操作だけに、動作がもっさりしているとイライラしがち。そんなレスポンスを、オーディオ・ビジュアルライターの折原一也さんが実際に時間を測ってチェックしていきます。
ちなみに今回の特集で検証しているのは以下の5機種。
ドン・キホーテ「TSM-5001U4K」(店舗上限価格:3万8280円)
ゲオ「WIS AX-MSK50」(直販価格:3万8280円)
イオン「ORION AEUD-50D」(直販価格:4万3780円)
エディオン「TCL 43P63E」(直販価格:4万9800円)
ハイセンス「43A6H」(実勢価格:4万7300円前後 ※チューナー付き)
話題のチューナーレステレビが4機種と、実売が5万円以下となっているチューナー付きのスマートテレビが1機種です。どの機種も4K対応で、サイズは43V型と50V型。新生活に向けて、テレビを新調しようとしている人は要チェックです。
* * *
第2回となる今回は、内蔵OSやアプリ操作などの基本的な部分と、アプリの起動速度、レスポンスを測定していきます。
それでは実際にテレビでYouTube、Netflix、プライム・ビデオなどを操作して比較していきましょう。
■画面デザインはほぼ同じ
▲ズラリと並んだチューナーレステレビ4機種+スマートテレビ1機種のネット動画視聴時のアプリ一覧画面(右上はスマートテレビ、左上は参考用のREGZAの65V型有機ELテレビ)
まずはチューナーレステレビでネットを視聴する際の基本機能を紹介します。
▲Android TVのホーム画面
今回レビューするチューナーレステレビは、Android TV(ドンキ、ゲオ、イオン)とGoogle TV(エディオン)を搭載しています。Googleアカウントの登録など初期設定後に起動をするとホーム画面が表示され、そこからYouTube、Netflix、プライム・ビデオなどサブスク動画配信を視聴できます。
▲Google TVのホーム画面はおすすめ画面がメインに来る新デザイン
ちなみに、エディオンの採用するGoogle TVはAndroid TVの新UIデザイン版とでも呼ぶべき存在で、アプリは互換性がありGoogle Playストアも共通なので、UIの外見以外はほぼ同じものです。
▲Google Playストアを利用できるのでアプリは自由にインストール可能
Android TVやGoogle TVでは、標準で入っていないアプリもGoogle Playストアを通してインストール可能。初期インストール済みアプリ(およびセットアップ時に提案されるアプリ)は各社多少違うのですが、例えばTVer、Abema、DAZN、Disney+なども自由にインストールできるので、実質的な機能差はナシ。ファイル操作など簡単なユーティリティアプリが導入済みの製品もありましたが、これはオマケ程度です。
▲Android TV(Google TV)は音声検索も便利
Googleアシスタント対応であれば、YouTubeやNetflix、プライム・ビデオの作品を音声認識で検索できるところもポイント。またスマホのアプリ上で動画を選んで、チューナーレステレビとキャストして再生も可能です。これらの活用法は以前のチューナーレステレビレビューの記事で詳しく紹介しています。
▲ハイセンス「43A6H」のホーム画面。ストア機能はない
今回比較する5機種で例外的な存在が、チューナー搭載のハイセンス「43A6H」。ソフトウエア面でも独自VIDAA4.0を採用でアプリストアがなく、音声操作にも非対応。出荷時からYouTube/Netflix/プライム・ビデオ/Disney+/Abema/hulu/U-NEXT/dTV/DMM.com/SPOOX/Rakuten TV/Paraviは標準搭載ですが、メジャーアプリではDAZNの対応が漏れている点は要注意です。
■YouTube、Netflix、プライム・ビデオでレスポンス測定
それでは5機種のネット動画の使い勝手とレスポンスを比較していきます。
アプリの使いやすさ比較で最初に考えるべきポイントは、アプリ起動のしやすさです。
チューナーレステレビはアプリ次第でさまざまなネット動画のサブスク配信にアクセスできますが、毎回ホーム画面から操作するのも手間。今、薄型テレビではリモコンに専用ボタンを搭載してダイレクト起動が大流行中。それを踏まえて、今回比較する5機種のリモコンを見てみましょう。
▲左からドンキ、ゲオ、イオン、エディオン、ハイセンス
どのアプリボタンが欲しいかは人それぞれですが、ダイレクト起動対応のアプリ数とメジャーアプリのカバーで評価してみました。
▼ドンキ「TSM-5001U4K」
アプリボタン数:4
カバー度:○
YouTube、Netflix、プライム・ビデオ対応とメジャー所をカバー。Google Playは有料作品購入向け
▼ゲオ「AX-MSK50」
アプリボタン数:4
カバー度:○
アプリボタンはドンキと全く同じ。YouTube、Netflix、プライム・ビデオ、Google Play
▼イオン「AEUD-50D」
アプリボタン数:4
カバー度:○
アプリボタンはドンキと全く同じ。YouTube、Netflix、プライム・ビデオ、Google Play
▼エディオン「43P63E」
アプリボタン数:6
カバー度:○
YouTube、Netflixはあるがプライム・ビデオなしが残念。Hulu、U-NEXT、Abema、FOD対応は珍しい
▼ハイセンス「43A6H」
アプリボタン数:6
カバー度:◎
YouTube、Netflix、プライム・ビデオに加えて、Hulu、U-NEXT、Abema対応。国内シェアを考えると完璧
続いてアプリ起動速度とリモコン操作のレスポンスをチェックしていきます。
ホーム画面は各社ともデザインが異なるため、コンセントを抜いた完全電源オフ状態からスタート。電源を入れてホーム画面を起動した後に、YouTube、プライム・ビデオ、Netflixと流れで操作してレスポンスを測定しました。
同一環境同一日時の測定ですがストップウォッチで測定しているので多少の誤差はご容赦ください。
まずはホーム画面からYouTubeの初回起動時間。
ドンキ「TSM-5001U4K」…5秒63
ゲオ「AX-MSK50」…4秒86
イオン「AEUD-50D」…5秒28
エディオン「43P63E」…6秒40
ハイセンス「43A6H」…8秒29
続いて、一度ホームに戻りYouTubeの2回目起動。
ドンキ「TSM-5001U4K」…1秒43
ゲオ「AX-MSK50」…1秒33
イオン「AEUD-50D」…1秒43
エディオン「43P63E」…1秒47
ハイセンス「43A6H」…0秒68
次はプライム・ビデオのアプリを起動します。
ドンキ「TSM-5001U4K」…10秒75
ゲオ「AX-MSK50」…11秒78
イオン「AEUD-50D」…11秒55
エディオン「43P63E」…9秒56
ハイセンス「43A6H」…13秒12
そしてプライム・ビデオのホーム画面を最下段までスクロール。
ドンキ「TSM-5001U4K」…1分25秒98
ゲオ「AX-MSK50」…1分33秒31
イオン「AEUD-50D」…1分13秒01
エディオン「43P63E」…1分15秒93
ハイセンス「43A6H」…2分16秒03
※ドンキはスクロール途中でリモコン入力を受け付けなくなる場合アリ
さらにテレビの電源を落として、電源オフからNetflixボタンで起動してみます。
ドンキ「TSM-5001U4K」…5秒63
ゲオ「AX-MSK50」…8秒14
イオン「AEUD-50D」…8秒57
エディオン「43P63E」…11秒57
ハイセンス「43A6H」…4秒91
予想以上にテストによって結果にばらつきが出ました。YouTubeの起動は僅差でゲオがトップですが、ハイセンスは初回が遅く2度目が高速。起動・操作レスポンスともに処理の重いプライム・ビデオの起動の速さはエディオン、レスポンスはイオンとエディオン。電源オフからNetflix起動はハイセンス、ドンキが特に高速でした。
* * *
第3回では、画質比較・ゲーム遅延編として画質まわりをチェックしていきます。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/516417/
- Source:&GP
- Author:&GP
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