Googleがメッセージアプリ(Messages)で近いうちに、同社の開発する人工知能(AI)「Bard」を搭載する可能性が浮上しました。相手とのやり取りをAIが分析し、自然な返答を生成してユーザーにサジェストする仕組みだと考えられています。
面倒な文章を考えずに済む日は近い
Googleが開発者向けにリリースした「メッセージ」の最新ベータ版から、相手との会話をAIに肩代わりしてもらう機能の実装が進められていることが分かりました。
すでに同アプリには「いいね」「ありがとう」などの一言をサジェストするSmart Reply機能が存在しますが、今回開発されているAIは、それまでのやり取りを分析して複雑な文章を生成するのが特徴です。
テキスト入力欄の右隣(絵文字アイコンの左隣)にキラキラ光るボタンは、新たなベータ版で追加されたもので、Googleが開発している対話型AIサービス「Bard」と同じマークです。
ニュースサイト9to5Googleによると、現時点では開発初期の段階らしく、ボタンを押しても「(TODO!)」と入力されるのみですが、将来的には相手とのやり取りを分析して適切な回答をユーザーにサジェストするようになると考えられます。
もちろん、ユーザーの預かり知らぬところで勝手にAIが相手と会話を続ける機能ではない点には注意が必要です。あくまでも「Apple Storeは新宿にもあるよ」「今日は母の日だね」など、それらしい文章を生成して提示してくれるだけで、そのまま送信するか改変するかはユーザーに委ねられています。
最適化された会話は本当に望ましいのか
2022年末には対話型AIの皮切りとなった「chatGPT」を使い、Tinderで女性とのデートに漕ぎ着けることができた男性が話題となりました。彼によれば、chatGPTが作った詩が女性の心を掴んだそうです。
もはや猫も杓子もAIといった感がありますが、このブームが一段落した時、最適化されたスマートな会話をはたして人が本当に望むのかは、よく考えてみる必要があるでしょう。
非情な上司の無理難題ならいざしらず、私的な会話ならば尚更です。自分がAIに頼るぶんには何とも思わないでしょうが、相手が同じことをやっていると知ったとき、人によっては騙されたと感じるかもしれません。
とはいえ、AIに頼りながら会話する日がすぐそこまで来ているのは確かです。
人気アニメ攻殻機動隊シリーズの映画「イノセンス」では、データベースから適切な情報を瞬時に引っ張ってこれるサイバー化した近未来において、キャラクター同士が古今東西の名言をふんだんに引用して会話する様子が描かれたのは約20年前ですが、今回のような動きが加速していくにつれ、会話に対する価値観も大きく変容していくのでしょう。
Source:9to5Google,Mashable
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-529451/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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