パブリッシャー、AIチャットボット運営会社にコンテンツ使用料の請求を検討

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OpenAIのChatGPTやGoogleのBardなど、受け答えが非常に自然な人工知能(AI)チャットボットが最近注目を集めていますが、ニュースなどのコンテンツ制作を行うパブリッシャーが、ボットの運営会社に対してコンテンツ使用料の請求を検討していることが明らかになりました。

AIのトレーニングにコンテンツが使用されている?

The Wall Street Journalが「パブリッシャー、AIツールをめぐるMicrosoft、Googleとの対決に備える」とタイトル付けした記事の中で伝えたところによれば、ChatGPTなどのAIチャットボットのトレーニングにパブリッシャーが多くの労力を要して制作したコンテンツが使用されているのが問題になっているとのことです。
 
アメリカ国内では、フェアユース(fair use)の下、特定の用途に限って著作権者の許諾なく著作物を利用することが認められていますが、AIのトレーニングにフェアユーズが適用されるのかが争点となっているようです。
 
ChatGPTを提供するOpenAIの最高経営責任者(CEO)のサム・アルトマン氏は、あるインタビューの中で「フェアユースで多くのことを行ってきた」と述べており、2年前の(パブリッシャーの)データをを使ってAIのトレーニングを行ったことを明かしています。
 
「科学など、特定の分野の質の高いデータに関しては相当額を支払っても良いと思っている」と同氏は続けています。

応答内容にリンクを提供しないのが問題?

AIチャットボットの受け答えの中で、コンテンツ取得元のリンクが提供されるか否かによってパブリッシャーが得るアクセス数が大きく変わってきますが、Microsoftのサティア・ナデラCEOによれば、「Bing Chatでは、みんな認識していないと思うが、すべてがクリック可能だ」とのことです。もちろん、リンクが提供されているからといって、必ずしもユーザーがソース元を参照するとは限りません。
 
GoogleのBardに関しては、現在のところ、参照元リンクを受け答えの中で提供していないとのことで、パブリッシャーがコンテンツ使用料を請求したくなるのもわかる気がします。

OpenAIはすでにShutterstockと契約を締結

AIによる画像生成は、本格的なチャットボット出現前に話題なりましたが、3億5,000万点以上のロイヤルティフリーのストックフォト、ベクター画像、イラストをインターネット経由で提供するShutterstockは、すでにOpenAIとコンテンツ使用に関して契約を結んでいます。
 
契約の一環として、OpenAIはShutterstockからデータをライセンスし、ShutterstockはOpenAIの技術を利用することが認められています。同時に、Shutterstockは、AIのトレーニングに携わったアーティストに補償するための基金を開設しています。
 
 
Source:WSJ
Photo:Trusted Reviews
(lexi)


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