バイクいじりで時を忘れる幸せ。“没入”ガレージライフ【最旬!バイクライフ】

【最旬!バイクライフ】

バイクで一番楽しいのは走ること。大多数のライダーがそう答えるだろうが、愛車をメンテナンスしたりチューニングするのもまた楽しいもの。時間を忘れて没頭できるガレージライフは、バイクライフの大きな魅力のひとつなのだ。

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■バイク仲間が集って寛げる場所にしたい

▲右手前はバイクライフの原点というドゥカティ 900SS

仕事の関係で長年にわたって海外生活を送ってきた平祥人さん。若いころからバイクが好きで、海外滞在中も現地でさまざまなバイクを生活のアシにしてきたという。日本に帰国したのはいまから5年ほど前のこと。首都圏で仕事を続ける傍ら、趣味のバイクやクルマのための拠点として伊豆半島のとある場所に設けたのがこのガレージだ。

▲ドゥカティ 900MHRとBMW R90用に入手した純正タンク。特にR90用のタンクは大小ふたつの白線を熟練の職人がひとつ一つ手書きで描いた「子持ちライン」と呼ばれる希少なもの

「ここは傷んだ建屋とともに数年放置されていたようで、一般の方には手が出しにくそうな土地でしたね。週末に通って少しずつ手を入れながらガレージを建てました」

簡素な造りながら高い天井と天窓を備えたガレージの中は、明るい陽光が差し込む気持ちの良い空間が広がっている。

▲MotoGP殿堂入りを果たしている往年のレーサー、ジャコモ・アゴスティーニのレプリカヘルメットと写真集。ヘルメットは普段使いはしないものの、補修を重ねながら大切に保管している

オーナーの趣味の広さを表すかのように、サーフボードにクルマや自転車とさまざまな乗り物が並んでいるが、このガレージで平さんが一番愛情を注いでいるのは間違いなく写真にある3台のバイクだろう。

いずれも'70~'80年代に生産されたもので、自身でキャブレターを換えたりブレーキをダブルディスク化するなど、細部に至るまでチューニングを施している。森さんはかつて都内にあったヴィンテージバイクのレストアスクールに通うなどバイクのメカ周りには精通しているのだ。

「僕のバイクライフの原点は、ドゥカティ 900SSです。ステンレス製のコンチマフラーが奏でるサウンドは、まさに雷鳴そのもの。初めて900SSを見かけた中学生の僕はその爆音に衝撃を受けて、いつかは絶対あのバイクに乗りたいと思ったんです」

▲ドゥカティ・900SS生産当時の貴重なサービスマニュアルのコピー。イタリア語・英語・フランス語・ドイツ語・日本語で併記されているほか、アナログな手書きのイラスト図解が新鮮

夢が現実となったその愛車は、チェリアーニのフォークやカンパニョーロのマグネシウムホイールといった往時のパーツはそのままに、FCRキャブやオーリンズのサスなど性能を存分に発揮できる装備が奢られている。「これで走るのが一番楽しい」という本人の言葉どおり、製造後50年弱が経った現在もセルですぐに始動するほどのコンディションを維持している(もちろんセルも後付け)。

▲平さんが愛用しているのがイタリア・Beta社のツールセット。レースで培われたノウハウが詰まった工具はスリムで扱いやすく、カウルの奥まった狭い箇所にもしっかり届くのだという

また「息子が遊びに来たら一緒に走れるように」と横に並ぶドゥカティ 900MHRやBMW Rもいつでも走れる状態だというから驚きだ。

「庭の雑草を刈って古い建屋を少しずつ修繕して、いつかバイク仲間が集まって寛げる場所を作りたいですね。ガレージの内装や整備機器類もこれから充実させていく予定です。週末しか来られないのであと何年かかるのか想像もつかないけど、僕はゴールが見えない状況ほど楽しめるタイプなんです」

▲以前ノートン・コマンド850をレストアして所有していたこともある平さん。長年愛用しているノートンのレザージャケットは柔らかな着心地で真冬でも着用するほどお気に入りだ

平祥人さん
仕事と子育てのためにオーストラリアとカンボジアで長年生活し、約5年前に帰国。バイクの他にもフェラーリ、セブン、カイエンなどさまざまなクルマの所有歴を持つ、根っからのエンスージアスト

※2023年4月6日発売「GoodsPress」5月号90-91ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【最旬!バイクライフ】

<取材・文/中田美幸 写真/山岡和正>

 

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