【達人のプラモ術】
造形村
1/48 F-4JファントムⅡ
ブルーエンジェルス仕様
06/06
6回にわたり製作をレポートしてきたしてきた1/48 F-4JファントムⅡブルーエンジェルスですが、キャノピーやピトー管、スモーク発生用のダミーミサイルなどの艤装を完了させて完成しました!
ハイビジ塗装、あるいはロービジ塗装のF-4も魅力的ですが、艶やかなチームカラースキムを纏ったブルーエンジェルスカラーのF-4は実にカッコ良いです、シビれます。正直いつかは作りたいと思っていたので今回完成できたことで大いに満足しております。
現在ブルーエンジェルス仕様のファントムは、模型メーカーでは発売されていないので別売のデカールを使用する必要はありますが、その価値はあります。あるいは現用のF/A-18E/Fスーパーホーネットのブルーエンジェルス仕様もオススメですよ!(全6回の最終回/1回目、2回目、3回目、4回目、5回目)
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」でもレビューを配信中。
■スパローミサイルはダミー?
アメリカ海軍で使用されていたF-4Jは機関砲を持たず、固定武装のとして機体下面に4発のAIM-7スパローミサイルが搭載されていました。ベトナム戦争では、まだミサイル命中精度が低かったためパイロットから機関砲の復活が求められ、後に機関砲を固定装備とし、運動性を向上させたE型を就役させています。ちなみに機首に機関砲を搭載したE型は、ライバルでもあるサンダーバーズ(アメリカ空軍のアクロチーム)で採用されていました。
ブルーエンジェルスはアクロチームなので、当然ですが武装は搭載していません。しかし機体後部には2発のAIM-7が搭載されています。これは実弾ではなく演技に際にスモークを出すためのスピンドルオイルのタンクになっています。チームカラーでもあるイエローAIM-7は良きアクセントになってくれます。
▲キットに付属のAIM-7スパローをイエロー(Mr.カラー「329番イエロー FS13538」)に塗装。デカールのイエローと色を合わせるため、下地に白を塗装している。主翼下面に大きく描かれたU.S.NAVYと併せてイエローが引き立つ
▲ダミーのAIM-7(スモーク用スピンドルオイルタンク)は機体下面に半埋め込み式で搭載されている
■水平尾翼はF-4のチャームポイント
前回、塗装の仕上がりがイマイチだったためリペイントした水平尾翼。
F-4の水平尾翼(スタビレーター)は全浮動式を採用しており、運動性向上とピッチアップ(超音速飛行時に急激に機首上げになってしまう状態)防止のために23度の下半角と付け根側の無塗装が外観上の特徴になっています。
今回無塗装部分は外板の微妙な質感(パネル状に色が違う)の違いを塗装で再現してみました。下半角のついたスタビレーターを取り付けると、一気にファントムらしくなります。
▲スタビレーターの無塗装部分はマスキングで銀の塗装のトーンを変えて特徴的な質感を表現している
■キャノピーは開状態でコクピットを見せる
残すはキャノピーの取り付けのみと、いよいよ完成が近づいてきたF-4ブルーですが、その前に改めて機体全体をモデリングワックスで磨き上げておきます。キャノピーは開状態で取り付けるのですが、接着面積が少なく取り付けてしまうと破損しやすいため、事前に機体を磨いておいてから取り付けることで破損を防ぎます。
またF-4のキャノピーはフレームとキャノピーの間にシール剤が塗られており、これが今回のようなブルー塗装だと目立ちます。そこでマスキングテープでシール剤を再現してみました。実のところ1/48スケールでは0.1ミリ以下の幅になるのですが、さすがにその幅では貼るのが厳しいので、ややオーバースケールではありますが0.3ミリ幅で再現しています。
またキャノピーを開状態としたのでキットに付属の乗降用ラダー(はしご)をイエローで塗装して、コクピットに装着してみました。イエローが映えて良いアクセントになります。
▲細くカットしたマスキングテープを貼りこむことでフレームのシール剤を再現してみた
▲フレーム内側にはバックミラーを取り付けている
▲キャノピーは前席と後席の角度が同じになるように取り付ける
▲コクピット前席に取り付けた乗降用ラダー。両面テープで固定しているので取り外しも可能。ちなみにブルーエンジェルスの展示飛行では、後席のRIO(レーダーと兵装オペレータ)は搭乗しない
■光沢塗装はちょっと難しいけれど
今回の製作で最も大変だったは、機体全体の光沢でした。
飛行機モデルでは、つや消し塗装あるいは半ツヤ塗装が一般的なので、今回のように光沢塗装となると、なかなかに塗装のハードルが高くなります。
丁重な下地処理から、ブルーの塗装では専用色を複数回重ねて均一な光沢を出していくのですが、同じ光沢塗装のカーモデルに比べて機体が複雑な形状をしていくこともあり気を使います。さらにデカールの上からオーバーコートとしてクリアーを塗装し、そして研ぎ出し。これも手間がかかります。
綺麗に仕上げるコツとしては、それぞれの塗装の乾燥時間をしっかりと取ることです。塗料が完全に乾いていないうちの研ぎ出しや磨きの作業はトラブルの原因になってしまいます。
しかし、難易度は高いものの完成した際の満足感も高いですね。美しく輝く機体を見ているとそんな苦労も忘れてしまいます。皆さんもぜひチャレンジして見て下さい!
さて次回は何を作りましょうか? お楽しみに!
■作例ギャラリー
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/534074/
- Source:&GP
- Author:&GP
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